かふぇ めらんじぇ

und SchwarzwaelderKirschtorte mit Sahne

進歩

2016-09-15 13:54:53 | 日記

携帯電話がまだメジャーで無かった頃、私は絶対に主流になると思い、随分早く入手した。今では信じられないほど大きくて重く、電池も直ぐに切れ、通信事情も悪かった。程なく老若男女殆どの人が使うようになった。次にこうなるのはまさしく自動運転車とドローンだと思う。これは非常に便利で有用で間違いなく主流になるだろうが、犯罪や無駄な利用で重大な問題を起こすこともまた目に見えている。新聞を広げると、数十円のお寺の賽銭を取った、日々丹精込めた果物をごっそり盗まれた、高齢者から年金をだまし取ったなどそれまで考えられなかった犯罪の数々、溜息をつかずにはおられない。私は決して最新の機器や方向性を狭めようとするタイプでは無く、逆に便利で有用な物ならどんどん取り入れるべきと思う方だが、それによってこのような悪事を働く人間を却って助長する様を見ると、頭が錯乱しそうになる。年よりのように昔は良かった、とか言いたくは無いが、その気持ちがわかるようになった。これも信じられないだろうが、大学時代にアパートに鍵をかける学生など殆どいなかった。電話も無く十円玉を集めて公衆電話でかけたが、それも長距離だと直ぐに電話機の中の十円玉が一杯になり、そうすると切れてしまうので気が気でなかった。百円では釣りが戻らないので利用する人はまずいなかったが、最近は公衆電話のかけ方を知らない若者が殆どで、待ち合わせや遅れる連絡などどうしていたのか、と疑問に思い、電話でらちが明かなければ伝言板に書いておいた、というとてつもなくアナログな手段等語ると、ぽかんと口を開ける、と言う。確かに不便で確信のない手段だが、それが為にその思いが他人にも伝わり、いたずらに伝言メセージを消したり、長電話をしたりする人間は少なかった。それ以前たとえば戦地から書状を送るなどつくかどうかもわからないが、ひたすらそうなることを念じてしたためる。そんな状況下がほど遠くない時代にあった。アウシュビッツで捕虜が持ってきて残されたバイオリンがあるという。また収容所に入る直前にユダヤ人からバイオリンを託され保存していたドイツ人が提供したバイオリンと共にマイスターに修理されて、その楽器達でリサイタルを開く試みがドイツであるとニュースで知った。どんな音色だろう。持ち主もまずいないだろうし、探すことは殆ど困難、それでも締め付けられるような思いは関係の無い私たちの胸にしっかり届く。スマホ片手にポケモン追っかけシルバーシートに足を投げ出し、無表情な人を見ると、別な溜息をつきたくなる。これが今のこの国の実態。

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