加薬飯

日々雑感 ときどき雑記 愚だくさん

【もはや自分で作るしかない】

2010年02月18日 | 未分類
忘れられない味というものがある。いまはもう口にすることはできないものの、かつての祖母やお袋の味が忘れ難くて、思い出しては懐かしむのであるが、懐かしんでいるだけでは再び味わうことは出来ないので、なんとか復活させたいと思うのだ。

いわゆる切り干し大根の類いは、乾物として売られているが、しかし、わたしが求めているのは、大根を丸のまま干した、丸干し大根である。
ふつう、丸干し大根は漬物(沢庵漬)にするためのプロセスであったりするが、その昔わが家では、天日で干して、とことん萎びた大根を輪切りにして(言うなれば花丸切り干しのようなものか)、よく味噌汁の具としていた。理由は極めて単純で、ただ貧しかったからというだけのことである。

しかし、噛むほどに干した大根の味が染み出てきて、赤味噌との相性も良く、わたしは丸干し大根を具にした味噌汁が結構好きだった。
今でも農家の前を通ると、大根を丸干ししている光景を見掛けることがあるが、何故かスーパーなどでは丸干し大根を見掛けない。かくなる上は自分で作るしかないと、買ってきた大根を干してみた。はたして上手く行くかどうかは、保証のかぎりではないが、なんとか懐かしの味を復元させてみたいものである。