カヤックと過ごす非日常

大人は水辺で子供に返ります。男は無邪気に、女はおバカに。水辺での出来事を通してそんな非日常を綴っていきます

835.トウロクユウケイブンカザイ ― 隧道も敷石も

2017年03月30日 | Weblog

発電所の峠道を歩いた日の続き。

久しぶりの店で昼食をし、午後は以前から気になっていたトンネルを探検しに行く。

紀伊長島、この辺りに来ることはめったにないが、来たとしても高速か海沿いの道を使うので、国道を通ることは、とんとご無沙汰していた。

久しぶりに走った道は、標識が変わっていたり、新しい店ができたり、前はあった店が閉まっていたり、時が流れて行ったことを感じる。 その道の傍らに、例の気になるトンネルがある。

トンネルの入口に、何やら、あまりマジマジとは見たくない生き物の気配がする。

見たくない、と言ったがなぜが気になり、マジマジと、見てしまうと、

なぁんだ、ヤシャブシだろうか。 しかし、不意に目の前に出されたら98%の人が、ギャ! と言ってのけ反るだろう。 植物と分かっていてもこれが足元に広がっている中に立つのは落ち着かない。

 

その「虫」を踏んでいく先に旧隧道がある。 入口がレンガ造りの素朴なトンネルだが、中は照明が施され、意外と明るい。今も歩道として使われているからだろうか。

 

 海野隧道

 (古里歩道トンネル)

 

 

 

 

 

 

レンガ造りとは言うものの、内部は殆ど手掘りを吹き付け処理した状態だった。大きく小さく波打つ壁面は砂漠の砂山のようで、不自然な形が、それも又面白い。

入口近くにこんな物がある。

「登録有形文化財」の銘板。入口の積まれたレンガと「 隧道 」の文字が、自分が生きた時代ではないのに、なぜが懐かしい。 

隧道の脇に古道の上り道がある。この道は、正真正銘に懐かしい。熊野古道のルート上の道だが、すぐ先に思い出の展望所がある。ちょっと行ってみよう。少し上ると、こんな光景と再会する。

この場所に来たのは2回目、と言っていたのだが、あとでよく考えるとこれで3回目だった。1回目は11年前にナイアードさんと、2回目はその2年後に家族と、そして今回。

 

 11年前のある日

 風が海を走りまくっていました

 途中で漕ぎを断念し
 古道を歩いて戻った日です

 

 

 

 

 

 先日の海

 やっぱり風が走っています

 最初から漕ぎを諦めて
 古道歩きに出かけた日です

 

 

 

 

展望台の東屋は少し変わっていたが、海は、島も風も変わらずにあった。変わらずにあることを確認して、今回はこの道を戻る。この日、行くべきは道は他にあったからだ。

 

では本道に入ろう。これも旧隧道

 

 道瀬隧道

 (道瀬歩道トンネル)

 

 

 

 

 

 

こちらの隧道は内部にもレンガの壁面がある。これは、一部レンガが「残っている」と言うのか、「造ってある」と言うのか。 

 

 ここはレンガの部分

 これは何積みと言うのでしょう

 

 

 

 

 

 

中は上には照明、横には防犯ブザー。世俗的な設備だが、これは「土木遺産」と言うより、「生活道路」だからなのだろう。ここに立ち、トンネル全体がレンガだったらその価値は更に上がっただろうにと思うが、それはそれで他の問題が出て、自由に出入りができなくなったかもしれない。 ちょうど良い残り具合なのかもしれない。

こんな物もある

 

 まるで

 マントルピース

 もしかして収納庫?

 

 

 

 

 

それにしても洒落た作りだ。 明治、大正の頃のレンガ建造物は、単に実用性だけでなく、装飾性にもたけている。偉そうに言えるほどの知識も眼力もないが、見て美しいと思える物が多い。 煙突や橋脚や堰堤や蔵や倉庫や。 私が美しいと思うそれらの多くが土木遺産になっている。 やはり私の 「 目 」 は良いのだろうか・・

近江の国に、ホフマン窯がある。今は使われていないがかつてはレンガ製造に活躍していたとのこと。煙突は今も高くそびえて往時を偲ばせる。いつだったか、八幡堀を漕いで、カヤックからこのホフマン窯を見上げた日があった。

 

 ホフマン窯

 これも国の 登録有形文化財

 あ、カヤックは違います

 

 

 

 

 

 

 

そう言えば、 デ・レーケ なんて名前を知ったのも、レンガからだった。 煉瓦、この文字にもどこかしら懐かしさが湧く。日本人の(私の?)郷愁センサーが古い漢字に反応するのかもしれない。

 

何だかんだと時間が経ち、今日の古道巡りの旅はお開きとなった。 帰り道、道の駅でめはり寿司を買い、久しぶりの温泉に入り、敢えて遠回りをしてマンボウたちに会いに行く。

 

 

 マンボウたちは今日も元気に
 空を泳いでいました

 遠くに見える海を泳ぐのは
 いつの日でしょう

 

 

 

 

あとでわかったのだが、この日行った二つの隧道の近くに、もう一つあったのだった。今回は急に思い立って行った隧道だったので、下調べができていなかった。失敗した。 次にこの海を漕いだ日に、もう一つの隧道も行ってみよう。 その日にまたマンボウに会いに来よう。

 

高速の馴染みのパーキングで、いつもの行動。ご当地牛乳プリンを買う事と、この石を見る事。

ここを作った人が、意識してハートの石を埋めたのか、たまたまこんな形の石がここにはまったのか。誰言うともなくここが「恋人の聖地」だとか。 しゃらくせぇ、と思いながらも、この道を通る時はいつもこのパーキングに入り、この石を見る。

この石は私にとって、「登録有形文化財」なのかもしれない。

 

さて、土産も買ったし、あとはまっしぐら、家に帰ろう。

 

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