カヤックと過ごす非日常

大人は水辺で子供に返ります。男は無邪気に、女はおバカに。水辺での出来事を通してそんな非日常を綴っていきます

846.遠いようで近い島(1) ― 答志島への漕ぎ

2017年06月19日 | Weblog

「梅雨入り」とは「連日の晴天」と言う意味だったと、最近になって知った。梅雨時に、連日の晴天の中、念願の島渡りをした海の記録。

 

朝、集合場所の松林にはもう「ブラッキー」さんが着いていた。夕べは途中の高速で車中泊して来たとのこと。 

      久しぶりですねぇ  
      最後に会ったのはいつだったかなぁ 
      どこの海だったかなぁ
      

1年前であろうと半年前であろうと、元気そうな顔は益々黒くなっていた。「クマから」さんも登場し、
      皆さん今回もよろしく!

 

二見の海を漕ぐのはこれで3度目。 

初めて漕いだのは9年前。あの石積みの道で、サングラスを海に落とした人がいて、それを拾うため2メートルほどの高さの石垣を下りて上っていた人がいた。 ボルダリングなんて、今では当たり前の光景となったが、当時の私には2メートルの石垣を登るなど、神技としか思えなかった。(今でも私には不可能な事だが)

石登りの人、元気かな・・

ソックスさんが、あの岩の傍まで漕いで行って、岸の人に怒られたと言っていた。「立ち入り禁止・通り抜け禁止」とは書いてないのに、と不満そうに言っていた。しかし、それはだめだろう。あそこは神様の領域。

ソックスさん、どうしているかな・・

 

 

 夫婦岩

 夫婦岩は他にもあるけれど
 これが本家?

 

 

 

 

 

2度目は8年前。はるばる熊野本宮から漕いで来て、あともう少し、あとほんの少しで終着地と言う時に、もうクタクタ、もう漕ぎたくない、もうどうでもいい、早くカヤックから降りたいと、ただただパドルを動かすふりをしながら、遠くからこの岩を見た日。

今回は念願の島を目指して、ハツラツと漕ぎ進む。 

 

まずはあの島の赤い灯台を目指して漕ぐ。次々に変化する岸を横目に見ながら漕げば遠くに見えていた島も程なくして着く。

ここから先、小さな島が点々と並ぶ。1つ1つの島に名前があるのか知らないが、誰言うともなくまとめて「飛島」と言っている。 あるいは、この辺りに緑がかった青い石があるので「青島」とも言うらしい。確かに翡翠石 のような岩が多い。

 

島の灌木は、風のせいか陸側になびき、不思議な形を作っている。覚えておいでだろうか「編み込み島」。 9年前に初めてこの島を見た時に、なびいた木々がまるで編み込み模様の頭のようだから「編み込み島」と名付けた島だ。編み込みの毛は少し伸びたようだ。

 

 編み込み島さん

 お久しぶりです
 お元気そうで何よりです

 これからちょっと
 向こうの島まで行って来ます

 

 

 

 

地図は持っているが、目を瞑って1回まわると、もう自分がどこにいるかわからない。 ほんの一漕ぎすれば島の家々に手が届きそうなのだが、我らが目指す所は島の一番端、まだ6キロも先だ。

 

 まだ、と言うと先が長く辛いように聞こえるが、名のある島、名のない島。港の見える湾、崖の岸。次々に場面を変える舞台はパドルを休めるのももったいない。

行くべき岬と別の島の岬と、遠くには伊良湖の岬も重なり合って、縦に伸びるのか横に広がるのか、この海が大きな環の中に閉じ込められたように錯覚する。

穏やかな海は、空の青さ山の緑を浅く深く映し出す。 島の先端、目指す浜はあと少し。

13キロ程を漕いで昼をだいぶ過ぎてから今晩の宿の浜に着いた。 遠いように思っていた島だが、次々に登場する景色を追って行くと、いつの間にか着いていた。

 

島に着いてさっそく島内散策へ。 今日は祭りとのことで、港では大勢の人が集まり、太鼓の音がして、巫女さんも何人か見える。法被の子供が走って行く。行って見たかったのだが、今回の島渡りでは、島の食堂でランチをする。と言うのがミッションの一つだった。この時間、食堂へも急がなくては。

1軒の店で、夕食にしては早過ぎるという時分に、昼食にしては遅すぎるという食事をとる。
13キロを一気に漕いで来て、この時間にこの達成感。当然ビールが、続いてお酒も、進む。 今日は祭りでいつもは料理を作る若い人が出払っているとのこと。突然思わぬ時間に現れた私たちのため、87歳と言うおばあさん(いや、大女将と言うべきだろうか)がおもむろに料理してくれる。どれも旨い。 

次々に出す注文に、島の皿には刺身、煮付け、天ぷら、佃煮、とりどりの料理が並べられた。よく食べ、よく飲み、だいぶ長居をしてからその店を出た。

買い物に寄った店先で、気になる物を見つけた。何だろう。

 

 ヒューカデンドロン

 1度では覚えられません

 

 

 

 

 

 

高さは70~80センチ程の切り花。大きなつぼみだと思ったが店の人の話によれば、「これは墓用の枝で、膨らみはつぼみではなく葉っぱ。上手くいけばこのままで1年近くもつ」とのこと。 

えっ? 1年? 生花で1年なんて、まさか・・ と半信半疑で聞いていた。 後日調べるとなるほど、上手くいけば1年近く枯れないようだ。 私の街で墓用の花と言えば、菊が主で後は季節の色花。この植物が墓にあるのは見たことがない。「所変われば花変わる」なのか。

夏至も真近なこの頃、 遠くから漕いで来て、あんなにゆっくり食べて飲んだというのにまだ明るい海辺でやっと今夜のテントを立てる。

 小石の岸はキャンプをするのに快適な居心地を提供してくれる。 遅い日没が伊勢湾の遠くで沈み、夕暮れと共に星が現れる。

何を話しただろう。覚えておく必要もない話だが、微かな波の音と共に、話は尽きなかった。 では、そろそろ、と言ってシュラフに入ったのは何時だっただろう。

        答志島、意外と近かった。

 

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