カヤネット会員のNさんから、「ヨシの葉が編まれたようになっているのは、誰の仕業でしょう?カヤネズミの作りかけの巣とも違うようだし・・・」との質問があった。
写真をみてああ、と思ったのだが、実は私も、何度か同じ状態のヨシの葉を見つけたことがある。
最初に見つけたのは修士のフィールドワークを初めて間もない5~6月頃、京都の宇治川流域で、一帯のヨシ原に点々と作られていた。記事の写真はそのとき撮影したもの。
当時はカヤセンサーα版だったので(笑)、もしかしてカヤネズミの巣の作りかけ?と思っていたのだが、今はそのセンはないと思っている。
というのは、そのあと完成して巣になったものはひとつもなかったし、第一に、カヤネズミの体のサイズで、ヨシの固い葉をこのような状態に絡めることは不可能だからだ。
もちろん、通常の作りかけの巣とも明らかに違う。
ちなみに、カバキコマチグモの仕業と書かれた本もあるそうだが、それも違うだろう。
カバキコマチグモの巣。毒グモなので、さわったりしないように。
で、何となく、もう少し体の大きな鳥が遊んで作ったのかなと思っていたのだが、先日C博のOさんからも「カヤネズミって、ヨシの葉をはしご状に編んだりします?」と尋ねられて、なんでしょうねーと話をする機会があった。
ヨシの地上から高い位置に営巣する動物(カヤネズミ、ヨシキリ)は、このような編み方はしないということと、この状態のものがよく見られる時期が、ヨシの生育期にあたる5~6月に多いことから、結論としては、「ヨシが成長する際に、葉がよじれて絡まってしまった状態」ではないかということで落ち着いた。
まあ、100%断定はできないが、消去法で考えて、妥当かなというところ。
同じような質問を以前にも受けていて、きっと不思議に思う人は多いのだろうと思ったので、参考までに。
今はやりませんが、子供の頃は、よくこれを引っ張って中のクモを出して遊んでいました。
そのクモは、私の記事で紹介したカバキコマチグモだと思います。
写真のような草の巣の中にひそんでいます。