カヤ日記

活動する研究者、かやちゅ。@カヤニストの行動記録
カヤネズミの研究&保護活動や野生生物の保全に関する話題をつれづれに

誰のしわざ?

2011-09-25 | フィールドノート

カヤネット会員のNさんから、「ヨシの葉が編まれたようになっているのは、誰の仕業でしょう?カヤネズミの作りかけの巣とも違うようだし・・・」との質問があった。

写真をみてああ、と思ったのだが、実は私も、何度か同じ状態のヨシの葉を見つけたことがある。
最初に見つけたのは修士のフィールドワークを初めて間もない5~6月頃、京都の宇治川流域で、一帯のヨシ原に点々と作られていた。記事の写真はそのとき撮影したもの。
当時はカヤセンサーα版だったので(笑)、もしかしてカヤネズミの巣の作りかけ?と思っていたのだが、今はそのセンはないと思っている。

というのは、そのあと完成して巣になったものはひとつもなかったし、第一に、カヤネズミの体のサイズで、ヨシの固い葉をこのような状態に絡めることは不可能だからだ。
もちろん、通常の作りかけの巣とも明らかに違う。

ちなみに、カバキコマチグモの仕業と書かれた本もあるそうだが、それも違うだろう。

カバキコマチグモの巣。毒グモなので、さわったりしないように。

で、何となく、もう少し体の大きな鳥が遊んで作ったのかなと思っていたのだが、先日C博のOさんからも「カヤネズミって、ヨシの葉をはしご状に編んだりします?」と尋ねられて、なんでしょうねーと話をする機会があった。

ヨシの地上から高い位置に営巣する動物(カヤネズミ、ヨシキリ)は、このような編み方はしないということと、この状態のものがよく見られる時期が、ヨシの生育期にあたる5~6月に多いことから、結論としては、「ヨシが成長する際に、葉がよじれて絡まってしまった状態」ではないかということで落ち着いた。

まあ、100%断定はできないが、消去法で考えて、妥当かなというところ。
同じような質問を以前にも受けていて、きっと不思議に思う人は多いのだろうと思ったので、参考までに。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (全部假的)
2011-09-25 13:49:50
名前までは知りませんが、クモの仕業です。
今はやりませんが、子供の頃は、よくこれを引っ張って中のクモを出して遊んでいました。
Unknown (かやちゅ。)
2011-09-25 14:44:29
全部假的さん、
そのクモは、私の記事で紹介したカバキコマチグモだと思います。
写真のような草の巣の中にひそんでいます。

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