ブログ「かわやん」

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金曜インタビュー I(アイ)女性会議なら事務局長垣渕幸子さん(下)

2010年02月26日 09時42分37秒 | Weblog
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 ――奈良県では今年は男女共同参画社会推進奈良県条例制定10年の節目の年です。その10年間を検証し、これから10年の計画策定のために行動計画見直しがされますね。
垣渕さん そうです。この2月9日に発表された奈良県意識調査では、県内女性の就業率は30年近くも全国最下位を続けています。県は背景を探るために昨年8月にアンケート調査を行いました。その結果、「奈良の女性は『家庭に入って満足している』と思われてきたが、そうではなく、働きたいと思っている」と、男女共同参画課は調査結果を分析しています。この調査結果に対し、奈良大学の宮坂靖子教授は以下のように分析しています。

「自宅近くで育児・介護をこなせる職場を持つのは難しい。職場環境整備が不可欠。ただ、育児や介護は女性の役割という意識変革が必要だ」

教授の指摘のように、雇用政策や、子育て支援事業、介護の社会化、そして何よりも、あらゆる場でのジェンダー平等教育や意識づくりなど、多くの課題が山積しています。ならば、女性センターの縮小ではなく、女性のエンパワーメントの拠点でもある女性センターは拡充を、そして県は、女性政策の強化こそが重点的な課題ではないでしょうか。

 ――縮小という話しが出るのはおかしいですね。
垣渕さん 多くの女性たちは、女性差別撤廃条約や、男女共同参画社会基本法、同県条例に励まされ、女性センターの各種講座や事業に参加し、エンパワーメントしてきました。そして、ジェンダー平等の社会を願うようになっているのです。節目の年である今年は、なんとしても行動計画見直しに積極的にかかわって政策提起をし、この10年の事業を検証しながら、向こう10年の県行政の女性政策づくりにコミットし、センターの将来像、内容について女性の声を直接届けるようかかわっていきたいと思っています。
 
 ――今回の対応を人権の観点からどうとらえられますか。
垣渕さん 女性センターをしょうがい者施設に転用さす施策は、被差別者同士を相対立させる施策としかいいようがありません。私は、しょうがい者と共に暮らすことを否定はしていませんし、ノーマライゼーションの社会実現を願っています。しょうがいを持つ子どもの介護を担うのは多くの女性(母親)です。しょうがい者問題は女性問題であるととらえ、微力ですがしょうがい者問題に向き合ってきました。
山下力県議が、12月議会でこの件について知事の態度を質問しました。山下県議は「女性問題の取り組みの拠点にしょうがい者施設を割り込ませ、被差別者相互の利害を対立させかねない行政の手法は、差別行政だと断罪するしか評価のしようがない。同立地条件でしょうがい者施設の場所を探すべき。知事の所見を求める」と質問されました。知事は、「女性としょうがい者が対立することのないよう慎重に検討したい」と答弁しましたが、現実には何ら改善はみられず、当初予定通りに着々と計画はすすんでいます。
 こうした県の態度は、奈良市の男女共同参画センター・あすならにも飛び火し、2010年度であすならも廃止となり、女性センター機能を他の市の施設に移行する予算案が3月議会に提案されています。3月議会はそうした意味で山場です。市議会議員へのロビーングや市長との直接対話を模索しています。
 2010年は奈良の女性にとって大変厳しい年となります。男女共同参画社会の実現には大きな変化が必要です。変化を妨げている大きな力を変える力は、小さな変化の積み重ねです。一人ひとりは弱いですが、共感を求めて多くの人とつながり、「女性政策は、人権政策のバロメーター」と、小さな力ですが、その輪を今年もまたボチボチ広めていきたいと思います。

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