川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
★自分用メモは、新聞・Webなどのノート書きです。

「生きていること」ほど尊く幸せなことはない

2005-08-21 21:30:33 | Weblog


朝日新聞8月21日投書欄から転載します。

◇「生きていること」ほど尊く幸せなことはない(福岡県・山内さん 男性23)
父が急逝した。世界中の名峰を制覇してきた父は、最後は小学生でも登れるような山で熱中症に陥り、そのままあっけなく帰らぬ人となった。

医学生の私はこれまでたくさんの患者さんに出会い、その「死」も何度となく見てきた。初めてのときは衝撃だったが「慣れ」とは怖いもので、今ではどんな患者さんに出会おうが、たとえ目の前で亡くなろうが、驚きもせず何も感じなくなった。

いつの間にか私は、「死」や「命の大切さ」に対しての感情、つまり、医師になる者として一番大切な「心」を失っていた。今回、私自身が大切な人を失い、残された家族の悲しみや苦悩を初めて知った。そして分かった。「生きていること」は当たり前ではないということが、これほど尊く幸せなことはない。


コメント