生涯を完結させるまでに歌いたい歌、最近始めたヴァイオリンとフルートはどこまで演奏できるようになるか、と時々ワンコ

死は人生の終末ではない。 生涯の完成である。(ルターの言葉)
声楽とヴァイオリン、クラシック音楽、時々ワンコの話。

らららクラシック  もう一度みたいBest10

2015-03-28 23:17:37 | その他
 年度の変わり目ということでしょうか、私のお気に入りの番組であるNHK教育の「らららクラシック」でこれまでの一年分なのか半年分なのかは判りませんが、過去の放送分からもう一度観たい(聴きたい)曲の人気投票の結果を放送していました。番組のHPで再確認すると

  1位 ラフマニノフ     ヴォカリーズ
  2位 パッヘルベル     カノン
  3位 ラフマニノフ     ピアノ協奏曲第2番
  4位 サン・サーンス    白鳥
  5位 ブラームス      ハンガリー舞曲
  6位 リスト        ラ・カンパネルラ
  7位 ボロディン      だったん人の踊り
  8位 ドビュッシー     月の光
  9位 マスカーニ      カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲
 10位 シューマン      トロイメライ

という結果でした。

 2位のパッヘルベルですが、今から300年前に生きた人とのことでした。300年の時の経過を経て今もなお人気を保っているカノン。ある意味十分すぎるほど手垢の付いた曲と言うこともできると思いますが、それでも聴くたびに素直に感動できる名曲ですよね。さてMCの石田衣良氏も言っていましたが、意外なことに1位だけが器楽曲ではないラフマニノフのヴォカリーズなんですよね。人類にとって音楽の起源は声楽に始まりその後器楽に展開していったと思っています。そういう点では2位から10位が全て器楽作品であるのに第一位が歌曲作品であることもある意味納得出来るように思います。ところがその1位の声楽曲が歌詞のないヴォカリーズであることにもう一度考え込んでしまいます。歌詞のある声楽曲ではどうしても歌詞の内容によって制限される範囲が生じてしまいます。ところが歌詞の無いヴォカリーズでは聞き手の想像力が無限に広がります。ヴォカリーズだからこそ1位になったとも思えます。

 歌詞のある歌を歌う場合、オペラのアリアであっても歌曲であっても、歌詞に歌われている世界を再構築するように歌います。歌詞を分析して、あるいは曲の構成なども分析して作曲家が歌い手にどのように歌わせたいのかまで解釈して歌おうとします。聞き手により具体的なイメージが伝わることを目指します。ところがそれが唯一のアプローチではないということなのでしょうね。作品の個別的な側面のイメージをより具体的に構築することももちろん重要ですが、更に普遍性に通じる道の存在を示唆することでより高いレベルでの感動が得られるということなのでしょう。自らの意思で音楽を聞こうとする人にとっては、具体的なイメージを提示されるだけよりも、自らの想像力を働かせて音楽を受け止めることで得られるより高い感動を求めていると言えるのではないでしょうか。具体性と普遍性、相反する特性のようにも思われますが、表現するものとしては具体性と普遍性・抽象性を同時に表現する演奏を追及したいと思います。

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