生涯を完結させるまでに歌いたい歌、最近始めたヴァイオリンとフルートはどこまで演奏できるようになるか、と時々ワンコ

死は人生の終末ではない。 生涯の完成である。(ルターの言葉)
声楽とヴァイオリン、クラシック音楽、時々ワンコの話。

フルート(に限らず楽器)の音色について 骨伝導の寄与

2017-08-10 23:39:42 | 器楽・楽器

 このところ、フルートに限らずヴァイオリンなどの楽器を含めて、高価な楽器と安価な楽器との違いや素材が音色に影響する可能性などについて、思いつくままに勝手な内容をアップして来ました。その中では今日の内容は説得力がある方かなと、一人で納得しています。

 フルートの音色を考えます。一方で20世紀後半のフルートの名手、サー・ジェームズ・ゴールウェイ氏が16種類のフルートを吹き比べて、素材などの違いは判らないと言っています。一方で私ごときの初心者でも、ムラマツフルートのDSモデルとSRモデルとPTPモデルとを吹き比べると、何となく違いを感じます。

 で、今日、会社からの帰り道、自宅にそろそろ着こうかと言う生活道路の路地で思いついたのが、「骨伝導」です。フルートを吹くとき、演奏者は自分が鳴らしたフルートの音色を耳からだけ聞いている訳ではありません。両手の左右の10本の指先からも振動は伝わっているとは思いますが、聴覚中枢からの距離で言えばリッププレートに押し付けている下顎から骨伝導を通じて楽器の音を同時に聞いている筈です。空気の振動を介して耳の鼓膜の振動を耳小骨で骨伝導の振動に変換して、人(哺乳類)は空気中の音を聞いている訳ですが、自分自身の身体に密着した楽器からは、楽器表面の振動を鼓膜を介さずにダイレクトに骨振動を経由して聴覚中枢に送り込んでいます。

 フルートに息を吹き込んで鳴らした瞬間に、管体自身も振動しているものの、管体の振動が再び空気を振動させて音として聴衆に届く音量は、歌口付近で空気を振動させて聴衆の耳に届く音に比べれば1%以下程度のものと思います。なので、管体の素材が音色に与える影響は1%程度以下、と大雑把には仮定することには根拠があります。詳しく述べれば、音の媒体・媒質となるものには音響インピーダンスと言う振動に対する抵抗の程度を示す値があります。異なる素材はそれぞれ固有の音響インピーダンスを持っています。そして音響インピーダンスの値が近い素材ほど、音が効率良く伝わります。異なる素材であっても固体同士をくっつけた場合は効率的に音が伝わりますが、固体と液体、固体と気体、気体と液体等と素材の存在形態が異なる場合には音が伝わりにくいということです。

 そうすると、他人が演奏した場合は聞き手は骨伝導を介して聴くことは出来ないため、聞き手が認識する演奏者の音は全て空気の振動として聞き手の鼓膜を振動させた音に成ります。ところが、演奏者自身が認識する音は、空気の振動として演奏者の鼓膜を通じて聞く音と同じかそれ以上の強度で骨伝導を通じて楽器のボディの振動を聞いている可能性があります。となると、同じ総銀製と言っても管体の厚みがノーマルのものとヘビーのもの、あるいはトーンホールが引き上げかはんだ付けかで管体の総重量が異なれば、音色が変わる可能性はあり得ると思います。さらには銀の表面にプラチナをメッキしたムラマツのPTPモデルであれば、演奏者ではない聞き手にと手は音色の相違を認識でくなくても無理はないと思いますが、演奏者自身には音色が異なって聞こえる可能性は十分にあると思います。

 ヴァイオリンでも、〇億円のストラディアリウスと〇万円の入門器で、聴衆には聞き分けられないとしても演奏者自身には異なる音色に聞こえる可能性はあり得ると思います。骨伝導で聞くヴァイオリン固有の音がオールドヴァイオリンとモダンヴァイオリンとでは全く違うという可能性を直ちに否定することは難しいと思います。骨伝導の観点からストラディバリウス等のオールドヴァイオリンの魅力を誰かが解明してくれないかなと思います。

 いかなる楽器とまでは言えないまでも、殆どの楽器について、演奏者は楽器からの骨伝導音をかなり強く聞いている訳で、聴衆が聞いている骨伝導による直接音を含まない音はどう頑張ってもリアルタイムで演奏者が聞くわけには行かないということですね。逆に聴衆がどんなに頑張っても演奏者が聞いている自らの骨伝導音を含む音もまた聞けないということです。

 といっても、演奏者が骨伝導音を含まない聴衆が聞いている自らの音を聞きたいと思えば、録音して聞けば良いだけの話ですね。そうか、やはり自分の演奏を録音して聞くことは演奏家にとって極めて重要なことですね。フルートにしろヴァイオリンにしろ、今まで自分の演奏を録音して聞いたことがないので、さっそくこのお盆休みの間に自分の演奏を録音して聞いてみようかと思います。

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