あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

半蔵門の国立劇場で「一条大蔵譚」をみて

2017-07-14 13:52:42 | Weblog


蝶人物見遊山記第251回



半蔵門の第92回歌舞伎鑑賞教室で「鬼一法眼三略巻 一条大蔵譚」をやっていたので見物しました。
というても「檜垣茶屋の場」と「大蔵館奥殿の場」の2幕だけですから、圧倒的に物足らない。

やはり歌舞伎は通し興行で演じ、見物しないと役者も勉強にならないし、観客も歌舞伎の本当の面白さに目覚める機会を失う。いま松竹がやっているアラカルト物はいずれ行き詰ってしまうに違いありません。あるいは半蔵門が基本的に通し公演をやっているからかろうじて成立している仇花興行でありましょう。

それはともかく、今回の配役は一条大蔵卿長成が尾上菊之助、常盤御前が中村梅枝、吉岡鬼三郎が坂東彦三郎、女房お京が尾上右近、八剣勘解由が尾上菊市郎といったところですが、やはり菊之助の長成の馬鹿殿振りがなかなかの役者ぶり。

されど平家の回し者、八剣勘解由を成敗する段取りがこの中村吉右衛門の演出ではかったるくて、最後の盛り上がりを阻害している。次回の全幕通しまでにはぜひとも再検討してほしいものであります。

ところで今は亡き池宮彰一郎の「平家」では、確かヒロインの常盤御前が先天的なマゾという設定になっていて、打擲されると全身が朱に染まるというその特異なキャラゆえに、清盛に激愛されたという、まさに小説ならではの真に迫った設定になっていました。

たぶんダメでしょうけど、なんかそこらへんも吉右衛門選手が取り入れてくれると、おらっちワンワンわ喜んで、また半蔵門に見にゆくことでしょう。

なお本公演は来る7月24日までにぎにぎしく公演ちう。

  ともかくも俺に触れるな近寄るな俺は国家が大嫌いなのだ 蝶人


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