あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

音楽の友社刊「レコード芸術12月号」を読んで

2017-01-17 11:44:35 | Weblog


音楽千夜一夜第383回&照る日曇る日第926回

三浦淳史、吉田秀和、宇野功芳両氏が亡くなってからというもの、ほとんど読むことも無くなってしまたクラシック専門誌であるが、戯れにそのページをパラパラと繰ってみると、「究極の名盤50」選定会議というのを3名の音楽ライターが鼎談していて、モザールの交響曲はマッケラス&スコットランド室内管が本命、対抗がアーノンクール&コンセルトヘボウ管だというので、マッケラスは悪くないけどやっぱベーム&ベルリンフィルに比べたら一籌を輸するだろうし、アーノンクールの糞坊主なんぞ犬にでも喰われろワンワンと吠えながら、さらにページを繰って行くと30年以上続いた「欧米4カ国の音楽評論家におる最新レポート」を終了するという告知が出ていたのでちと驚いたが、この欄では欧米と我が国の音楽についての関心のありかや価値観がずいぶん異なることを教えられてきたので、これを廃めるくらいなら前田昭男という男の旧態依然たるウイーン自慢噺を止めたらどうなんだと思ったくらいだが、前田選手に限らず大勢の人々がレコード批評やエセイ、小論文なぞを書き連ねていて、不幸なことに冒頭の3氏のような心を刻む名文章を書ける執筆者はたったの一人もいないので、おらっちは声を大にして「クラシックでもジャズでもポップスでも、音楽評論の命は、内容よりも文章にあるということがてんで編集者には分かっていないから、こういう体たらくに陥るんだ」という逆説を叫んでみたくなったのさ。

    実は捨てて柚子の皮を喰い散らす台湾栗鼠は悪い奴なり 蝶人

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