あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

中公版「谷崎潤一郎全集第22巻」を読んで

2017-07-15 10:02:03 | Weblog


照る日曇る日第979回


本巻では昭和30(1955)年から32(1957)年までに発表された4冊の単行本を収めているが、その中心はなんというても「鍵」と「夢の浮橋」でせう。

後者では、愛妻に先立たれた父が、非常によく似た後妻を迎える。さうして父親同様瞼の母への愛もだしがたく、われらが主人公は、彼女の乳房から赤子のようにごくごく乳を飲むシーンがものすごい。圧倒的な迫力の変態だが、誰にも文句を言わせない文学の力である。

「鍵」はもっと凄い。女盛りの妻は、うわべは奥手で、いっけん性的に潔癖な女性なのだが、その実は淫蕩にして素晴らしい名器の持ち主なのだ。

高血圧でもはや長くないと知った初老の男は、娘の婚約者に擬せられた若者の肉体を利用して、激愛する若くて妖艶な妻との文字通り命がけの性交に溺れていく。

そして自分と妻の願いどおりに死んでいく。パチパチ。

市川昆の映画では、主役の3人が色盲の下女のバアさんのミステークで毒入りのサラダを食って死んでしまうが、原作は大違いで、妻と娘と若者は酒池肉林の快楽の園にラリラリランンと入っていくのであったああ。

  民進はどうしようもないダメ政党反原発党として新たに出直せ 蝶人

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