あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

池澤夏樹編・河出版日本文学全集28「近現代作家集Ⅲ」を読んで

2017-08-18 10:58:30 | Weblog


照る日曇る日第985回


内田百聞の「日没閉門」から円城塔の「銀河帝国衰亡史」まで18人の作家による19編が収録されている。

面白く読めたのは、野呂那暢の「鳥たちの河口」、幸田文の「崩れ」、富岡多恵子の「動物の葬禮」、村上春樹の「午後の最後の芝生」、堀江敏幸の「スタンス・ドット」、川上弘美の「神様」と「神様2011」、円城塔の「銀河帝国衰亡史」で、詰まらなかったのは金井美恵子の「月について」、向井豊昭の「ゴドーを尋ねながら」、稲葉真弓の「桟橋」であった。

有名な長編小説は読まれやすいが、短編の佳作はなかなか読む機会がないので、こういう目利きの編集者が薦めてくれるアンソロジーは貴重である。

この本で初めて知った野呂那暢と円城塔の作品を、できれば一度くらいは目を通しておこうと思った次第です。

    私が短歌をひねるその間妻はせっせと便所を掃除す 蝶人
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