katydid's blog

ハネナガキリギリスが住んでいるところに生息しています。

安らぎと幸せと

2011-10-01 18:36:08 | 2011
10月 札幌では冷え込みが厳しくなってきました。

キリギリスの声が秋の到来を覚えさせてくれます。

私は1週間前に後ろの右足が無い♀のキリギリスを見つけました。

お腹は薄緑色になっていて、長くは生きられないだろうと思いました。

小一時間草原を行ったり来たりしていると

また彼女に出会いました。

美味しいものを食べさせてあげたら、幸せな生涯となるだろうかと思い始めて

家に連れて帰りました。

ミルワームをあげるととても喜び、ブドウをあげると7~8㎜の塊を飲み

彼女のお腹は漸く普通のキリギリスのお腹の大きさになりました。

片足では生き餌を捕らえるのも難しかったものかもしれません。

動きが俊敏になり元気になったことを喜び

腕や手に乗って気持ちよさそうに休んでいる彼女を見て私は安らいでいました。



でも

草原に帰しました。

これだけ元気になれば子孫を残せるかもしれない

でも飼育ケースの天井を歩くのは大変そう

飼育ケースに♂を連れてきて

年老いた身体で体制の辛い交尾を試みさせるも可哀想

でもここで生涯を終えることが彼女の幸せなのか

文章のとおりです。でもばかりで答えが見い出せなくなって

私は自然に帰したのです。


その代わり私は安らぎを失いました。

身体に指で触れても驚いたり怖がったりしない、私の手で静かに眠る彼女を

自らの意志で草原に帰したがために。



もう5~6回、連れて行った場所に行っては帰ってを繰り返しています。

♂と並んで私の前に来てくれはしないか

彼女だけでも私の声を聞いて顔を見せてくれはしないか

ある訳がない。

分かっています。

でも

私は♂の鳴き声がしなくなるまで

その場所に行くでしょう。


この写真は3年前のめっすんです。

キリギリスはとても警戒心が強いですが

安全と分かるとここまで気を許してくれるようになります。


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ガンコさんをもう一度

2011-08-29 22:23:35 | 2011


この人-じゃない このキリギリスさんはとにかくスゴいので

今一度載せておきます。

自分が逞しく丈夫なことを分かっているのか

猪突猛進タイプで好奇心も度胸もハンパではありませんでした。

カメラを向けるとカメラに跳び移り

じっくり見たいなと思い顔を近づけると顔に跳んできます。

ケースの掃除をしようとしたら

中から「出ーせー出ーせー」とフタの内側でガチャガチャするし

出したら跳ぶわ底なしで食べるわ飲むわ しまいにゃ噛むわ

やりたい放題やってくれましたが


僕はそんな彼女が大好きでした。





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告げたくない言葉

2011-08-11 16:56:59 | 2011
そろそろ君達を自然に帰してあげようと思う。

♂君

君は3年前のめっすんに似ていた。

手の温もりが好きな優しいキリギリスだった。

家にいる間、不自由させたかも知れないが

自然の中でガンコさんみたいなタイプと結ばれることは

難しかったと思うよ。

ガンコさんのような稀な生命力を持つ女性と

命を繋げられた幸運に君は気づいてくれるだろうか。




ガンコさん

ひょっとすると君はもの凄く頭が良くないか?

家に連れてきた時にケースの中で外にいる僕の顔に近づいてきて

5秒くらい僕を見て、そしてゆっくりと歩いてケースの中を物色しだした。

僕が呼んだり♂が近づいてきた時には「首」をその方向に曲げていたよね。

そんなキリギリスは僕は見たことがない。

君は理解を超える行動がいくつかあった。

警戒を解くことが出来ない不器用さは野生で生き抜いてきたせいだが

手の上で1時間くらい休んだ日はケースに戻っても暫くボーッとしていたね。

そういう時間も世の中にはあるんだよ。

君に何かしてあげられたとしたら、その僅かな安らぎだろうか。

でも君は自然に帰って生まれ持った強烈な生命力を後に繋いでほしい。



ただ君達のいたところは8月下旬から9月初旬に草を刈られてしまうようだ。

故郷に戻してあげたいが、君達が生き残る可能性は低い。

なので草が刈られない少し離れた場所に連れて行こうと思う。

この狭いケースの中で一生を過ごすな。

いたとしても僕は外的な脅威から君達の身を守って

飢えさせることなく出来るだけ延命させて

最期を手の温もりの中で看取ってあげることしか出来ない。

飢えながら他の外敵に身を晒すが自由を得られるのと

どちらが君達の幸せなのか

実は今も僕には分からずにいるのだが


ああ 別れを告げたくないな


でも自然の中で生まれたのなら

自然の中で生きるのがきっと一番なのだろう。

これからも元気で幸せにね。
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神秘の域に達した時

2011-08-06 22:20:39 | 2011



ガンコさんの産卵時の表情です。

自分の限りある命を削りながら

こんな小さな身体で繰り返し繰り返し卵管を土に挿します。

この時の空気、表情の凄まじさが伝わるでしょうか。

安易に踏み入れてはいけない領域のような気がして

僕は今もその全身の姿をブログに載せられずにいます。

ガンコさん

家に来てくれてありがとう


本当に

本当にありがとう





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仲良くごはん

2011-08-04 22:53:36 | 2011


仲が良いなあ 君達

せっかくこれだけの良い絵が撮れたのだから

この後♀ガンコちゃんが♂君を踏んづけて歩いていったことは内緒にしておくよ。


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