医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

術後死亡 新たに9人 うち2人を検証対象に追加 県がんセンター腹腔鏡下手術問題

2014-10-25 20:05:25 | 医療界
 県がんセンター(千葉市中央区)で腹腔(ふくくう)鏡下手術を受けた患者が術後短期間に死亡するケースが相次いだ問題で、県の第三者検証委員会の第3回会議が24日、千葉市内のホテルで開かれ、県病院局は同様に死亡した患者が新たに9人いたことを明らかにした。同委員会から各手術の医学的な検証の依頼を受けている日本外科学会は、このうち2人について調査する。調査対象は従来からの9人に加えて計11人になった。

 会議は非公開で行われ、終了後に委員会の多田羅浩三座長=日本公衆衛生協会長=らが会見した。県病院局によると、2006年から13年までに同センターの消化器外科で同手術を受け、入院中や、退院後を含め術後30日以内に死亡した患者が9人いたことが判明。日本外科学会に9人の手術についての検証の必要があるか確認したところ、2人について調査を行うとの回答があった。

 新たに対象になる2人は、いずれも同手術で肝臓の一部を切除した当時72歳の男性と同74歳の男性。72歳の男性は11年8月に手術を受け同年11月に死亡した。74歳の男性は昨年1月の手術後、同年4月に亡くなった。県病院局は同学会が2人を検証対象にした理由や執刀医を公表しなかった。年内としてきた同学会からの報告が来年に持ち越される可能性があるという。

 会議では、同センターのインフォームド・コンセント体制についても詳しく検証。治療で患者の主体性を尊重するとした指針があるものの、職員への周知が不足しており実際は医師の裁量に委ねられていた。多田羅座長「患者は医者の意見に同意してしまう傾向がある。治療方法の決定には患者の主体性の確保や第三者の参加が必要」と話した。

2014年10月25日 千葉日報

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