医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

睡眠薬飲ませ交通事故 殺人未遂容疑で准看護師逮捕 佐倉署特捜班

2017-07-12 20:33:15 | 医療界
 老人ホームの同僚らに睡眠導入剤を混ぜたお茶を飲ませ、交通事故を起こさせて殺害しようとしたとして、佐倉署特別捜査班は11日、殺人未遂の疑いで准看護師、波田野愛子容疑者(71)=印西市大森、傷害罪で逮捕=を再逮捕した。お茶を飲んだ夫婦の車は実際に交通事故を起こし、3人が重軽傷を負っていた。特捜班は、睡眠導入剤を飲ませて車を運転させれば死亡事故となるかもしれないという認識があり「未必の故意」があったとみて、動機などを詳しく追及している。

 再逮捕容疑は5月15日、同市瀬戸の軽費老人ホーム施設事務室内で、施設職員の女性(69)=千葉市稲毛区=とその夫(71)=同=が乗用車で帰宅することを知りながら、睡眠導入剤を混ぜたお茶を飲ませ、夫が運転する車に女性が同乗し、同日午後6時ごろ、佐倉市下根の市道を走行中、睡眠導入剤の影響による意識障害などにより、建築業男性(56)=印西市内=のワンボックス車に衝突する事故を起こさせ、殺害しようとした疑い。

 女性の車が対向車線をはみ出し、建築業男性の車と正面衝突した。女性が肋骨(ろっこつ)の骨を折り全治約1カ月の重傷、夫が全身打撲で全治約10日間、建築業男性が首に加療約3週間の軽傷を負っており、特捜班は3人に対する殺人未遂事件として立件した。波田野容疑者は、お茶に睡眠導入剤を入れたことは認めているという。

 特捜班によると、先月15日に同施設職員の30代女性から「飲み物に混入され体調不良を起こした」と相談があり、県警は同月21日、30代女性に対し、施設内で睡眠導入剤を混ぜた飲み物を飲ませたなどとして、傷害容疑で波田野容疑者を逮捕していた。これまでに、施設入所者で睡眠導入剤入りのお茶を飲まされたという報告はないという。特捜班は睡眠導入剤の入手経路や動機などを追及する。

 一方、地検は11日、波田野容疑者の傷害容疑についての処分を保留とした。

◆「真面目」「明るい人」上司、住民に衝撃

 「真面目でおとなしい」「明るい人」-。

 波田野容疑者の人柄や仕事ぶりを知る人は、突然の逮捕に驚きを隠せなかった。

 波田野容疑が勤務していた軽費老人ホームの男性施設長(44)によると、波田野容疑者は2015年10月から勤務し、施設唯一の看護師として週5日常勤していた。

 「真面目でおとなしい感じ。仕事面では面倒見が良く、よくやってくれていた。(入所者からも)信頼されていたと思う」。それだけに「(逮捕は)まさかという感じ。被害を受けた職員も、『思い当たるふしはない』と話している」。

 ただ「がんや脊椎損傷といった大きな病気を持っていて、休みの日は通院していた。推測に過ぎないが、病気がちだったので、物事をネガティブに考えるところがあったのかもしれない」という。

 施設長によれば、先月中旬、事務室内で30代の女性事務員が持参した飲み物の容器に、波田野容疑者が何かの液体を入れているのを目撃。警察に相談したのが事件の端緒に。「睡魔に襲われたり、めまいがあったりと、体調不良になっていた職員が(今回の殺人未遂被害者と、傷害被害者の)ほかに2~3人いた」という。

 波田野容疑者の自宅近くの主婦によると、波田野容疑者は70代の夫と2人暮らしで「夫婦仲は良く、さっぱりした明るい人で近隣トラブルなどはなかった」という。「病気になったらしく複数の薬を飲んでいた。約1カ月前に会った時は『ご飯が食べられない』とこぼしていた。(事件を知って)びっくり。何かの間違いでは」と驚いた。

 近くのパート女性(67)は「旦那さんが職場まで毎日送迎していた。1~2週間前に会った時は働いていることを『(自分の)病気のお金もあるし』と話していた。仕事のストレスがあったのかも」。

 近くの無職女性は「以前個人的に町内会でトラブルがあった。事件はうなずけるけど、そこまでするかな」と顔をしかめた。

◆報告受けアドバイス 千葉県高齢者福祉課

 老人ホームを指導監督する千葉県高齢者福祉課によると、同施設から6月中旬に「職員の飲み物への異物混入らしき事案があり、警察に相談している」との報告があった。県は、職員と入所者に対する安全確保や心のケアに努めるようアドバイスし、状況を見守っていたという。

 逮捕を受けて同課は「県警の捜査を注視して状況把握に努め、運営法人の管理体制にもし問題があったのなら、指導し改善を求めていくことになる」とした。

 同施設は以前、印旛郡市広域市町村圏事務組合(印西、佐倉など7市2町で構成)が運営していたが、2015年4月から現在の社会福祉法人の運営に切り替わった。

2017年7月12日05:00 千葉日報
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