医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

歯科医切りつけ医大生が逆上した「婚約者のInstagram」

2017-05-16 23:11:02 | 医療界
 白衣に身を包んで病院内に侵入し、両手の刃物で医師をメッタ刺しに──5月9日、東京医科歯科大学歯学部付属病院内で歯科医の男性・A氏(41)を切りつけ逮捕された日本医科大学医学部の4年生、渡邊祐介容疑者(30)。千葉県我孫子市にある彼の実家付近は、特に大きなショックに見舞われた。一家をよく知る近隣の女性が、涙ながらに語る。

 「ゆうちゃん(渡邊容疑者のこと)の家は広大な田んぼを持つ旧家なんだけど、事件が起きる10日ぐらい前、お父さんが嬉しそうに『息子の結婚が決まった』と報告してくれたんです……」

 その婚約者が、被害者であるA氏と同じ医科歯科大勤務のBさん(28)だった。

 「4月に歯科医になったばかりで、指導医がA先生だった。AKB48の渡辺麻友似で、美人で明るいと評判だった」(医科歯科大関係者)

 順風満帆だったはずが、なぜこんなことに……。この医科歯科大関係者が、事件の背景を語る。

 「Bさんのインスタグラムに、A先生と一緒に写っている写真が載っていて、それを見た渡邊さんが、『指導医ということは知っていたが、一緒に写真を撮るのはおかしい』と言い出し、大揉めしたそうなんです」

 インスタグラムとは写真を投稿する女性に人気のSNSで、A氏と写った写真は4月29日、こんな文章とともに投稿された。

 〈私の師匠の誕生日♪素敵な後輩とお祝い♪仕事量多いけど毎日楽しいです〉

 しかし、職場の先輩との他愛もない写真に、なぜ渡邊容疑者は激高したのだろう。ましてA氏は既婚者だ。

 Bさんは翌日には東京ディズニーリゾートでウサギの耳のかぶり物をつけた写真を載せ、〈GWだし、天気も良いし、清々しいのでウサギになりました。健全なほうの〉と投稿している。左手の薬指には指輪が光っており、渡邊容疑者と婚約していることが窺える。

 このわずか9日後に「婚約者」が「師匠」を刺すことになるとは、夢にも思っていなかったのではないか。渡邊容疑者の知人が言う。

 「彼は前の大学で薬学を専攻していて薬剤師の道もあったのに、子供の頃からの夢である医者をあきらめきれず、今の医学部に入りなおした。歯科医として働く彼女に対し、自分がまだ学生であることの焦りもあったのではないか」

 Bさんのインスタグラムは、すでに閉鎖されている。

2017年5月16日7:00配信 NEWS ポストセブン
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