
2009年3月16日、ノンフィクション作家の沢地久枝氏や元毎日新聞政治部与党担当キャップ西山太吉氏ら25人が、沖縄返還前に日米両政府交渉実務者らが交わしたとされる秘密文書の情報公開請求に対し、「開示を拒んだのは不当」だとして、国に処分取り消しや1人当たり10万円の慰謝料などを求めて東京地裁に提訴した。
吉野文六元外務省アメリカ局長の陳述書
ベトナム戦争によりアメリカの財政危機が拡大するとともに、このとおり、日米繊維交渉が暗礁に乗り上げるという予定外の出来事に翻弄されることになったわけです・・・
日本側が「沖縄返還」の交換条件として化学繊維の輸出規制を実現したこと、ニクソンの電撃訪中・ドルと金の交換停止は、ベトナム戦争で特需を謳歌していた日本に対する報復的な意味合いもあったと思うのです。
吉野文六元外務省アメリカ局長の陳述における「アメリカの報復説」は、いわゆる「アメリカの陰謀説」であり、日本人の被害妄想の類による印象論と受け取っていいだろう。同氏は1971年1月に外務省アメリカ局長就任。沖縄返還交渉の最終局面を担当した。米議会は、基地関係の支出を可決しない可能性が高く「土地補償費」(400万ドル・本来は米国が負担)などについて日米の負担割合などが焦点となっていた。
このように戦勝国が「補償金」を敗戦国に支払うというのは異常なのである。戦争が、そのような異常さをもったものだと人類が気付いたのは、早い人で第一次大戦後、第二次大戦後は多くの人がそう思うようになった。勝っても、負けた国の何らかの対象に「補償金」を支払う。これで人類は戦争に対して懐疑心を抱くようになった。少なくとも「賠償金請求」のために戦争は行えなず、むしろ「賠償しなくてはならない」のであり、どのような口実を設けられても戦争を回避するのが得策である。
米軍が接取した軍用地を「更地」に戻し地主に返還する際の現状回復措置のための経費は、第二次大戦までの常識では「日本が負担」すべきものなのである。一方、日本側は第二次大戦後の常識を持ち出して反論するだろう。その常識や倫理観をもって陳述書を読み解くことに意味はない。従って沖縄における米軍施設返還後の「更地」に戻し地主に返還する際の現状回復措置のための経費は、地主か自治体の負担とするのが妥当である。
「沖縄密約訴訟」公判 吉野文六元外務省アメリカ局長陳述書を読み解く
livedoor ニュース 2009年08月28日
2009年3月16日、ノンフィクション作家の沢地久枝氏や元毎日新聞政治部与党担当キャップ西山太吉氏ら25人が、沖縄返還前に日米両政府交渉実務者らが交わしたとされる秘密文書の情報公開請求に対し、「開示を拒んだのは不当」だとして、国に処分取り消しや1人当たり10万円の慰謝料などを求めて東京地裁に提訴した。
09年8月25日に東京地裁(杉原則彦裁判長)103法廷で開かれた口頭弁論では原告側が吉野文六元外務省アメリカ局長の陳述書(甲21号証)を提出した。陳述書は「沖縄返還交渉の概要及びその背景」や「合意の存在を認めたことについて」など9ページにわたる。
「沖縄返還交渉の概要及びその背景」では、「ベトナム戦争によりアメリカの財政危機が拡大するとともに、このとおり、日米繊維交渉が暗礁に乗り上げるという予定外の出来事に翻弄されることになったわけです」(同3ページ)と述べ、日本側が「沖縄返還」の交換条件として化学繊維の輸出規制を実現したことに触れ、ニクソンの電撃訪中・ドルと金の交換停止は「ベトナム戦争で特需を謳歌していた日本に対する報復的な意味合いもあったと思うのです」(同3ページ)と「解説」している。
同氏は1971年1月に外務省アメリカ局長就任。沖縄返還交渉の最終局面を担当した。米議会は、基地関係の支出を可決しない可能性が高く「土地補償費」(400万ドル・本来は米国が負担)などについて日米の負担割合などが焦点となっていたことが分かる。
「土地補償費」とは、米軍が接取した軍用地を「更地」に戻し地主に返還する際の現状回復措置のための経費。繰り返すが本来は「米国が負担」すべきもの。
「ところが、予算を出す大蔵省の柏木雄介財務官から、日本側が負担することで処理をしてほしいと要請されたのです。」(同4ページ)
佐藤栄作総理は「無償で沖縄返還を実現させる」と公約していた。「土地補償費」は日本側が負担することはできない。
「アメリカ議会を秘密会にして開催し、実際には、日本が負担することを説明するということになりました。」(同4ページ)
米国は日本側が負担することを文書にするよう要請。ところが国会では「無償で沖縄が返還される」と答弁していた。
答弁との整合性が問われる事態となった。愛知揆一外務大臣が文書に署名することで落ち着くかに見えたが、実際には吉野氏が「外務省本省の局長室で署名したと思います」(同6ページ)。陳述書のなかで「確認文書」と述べているものの「密約文書」に他ならない。
陳述書は「相手国が公開した文書まで秘密にする必要はない、そう考え事実をお話ししています」(同9ページ) と結んでいる。
次回公判は10月27日(火)。吉野文六氏の証人尋問(13:30〜17:00)は12月1日(火)に行なわれる予定。「沖縄返還協定偽造」の経緯の一部が明らかになるだろう
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