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「決断力」を読んだ所感。

2017年01月17日 23時41分09秒 | 読書


決断力

羽生善治 著

定価(686円+税)
角川oneテーマ21

2015年7月10日発売


羽生名人についてはいろんな書籍でそのインタビューを読んできて、
いつか読みたいと思っていた書籍の一つでした。
例えば、最近では博報堂の出版している雑誌「広告」でもそのインタビューを見たし。

以前見たこのインタビューはずっと心に残ってて、自分の選択肢の基準の一つになっています。

決断力と銘打ったこの本は、羽生名人がどのような気持ちで普段将棋を指しているか。
それをどのように生き方につなげられるかが紹介されています。

読んでいて思うことなんですけど、文字や文章に抑揚がないんです。
淡々と語られている。
感情の起伏がそこには感じられても、
文章のテンポが均一で波の立っていない水面のようなのです。

そこにパッと花が咲く時があります。
淡々と語られている中に、その人の意思がスッと入ってきて、
通り過ぎてから感じる風のような、さわやかな気づきがあります。
それは勝負事と生き方を重ねているからなのかなと読み終わってから気づきました。
羽生名人の生きることへの真剣さは将棋の試合のそれと同じで。
ピタッと重なり合ってて、だから机上の話とは感じにくく、
自然に感じられるのかなって思いました。

とても僕には気づけなかった着眼点があるのに、
サラッと書かれているものだから見落としがちになってしまっていましたが(笑)
そういう意味で、また羽生名人の本は読んでみたいと思います。

最後に、勝田が気に入った文章をいくつか紹介します。

・経験を積んでくると、たくさん読むのではなく、パッと見て、
 「この手の展開は流れからいってダメだ」「この手しかないから見通しが立つまで考えよう」と
 ピントを合わせられるようになる。

・直感力は、それまでにいろいろ経験し、培ってきたことが脳の無意識の領域に詰まっており、
 それが浮かび上がってくるものだ。

・すでに過ぎ去ったことは仕方ない。実践中は振り返らないことが大事だ。
 私は、意識的に先のことを考えるようにしている。反省は勝負がついた後でいいのだ。
 極力、前向きな気持ちを保ちたい。

・私は、将棋を指す楽しみの一つは、自分自身の存在を確認できることだと思っている。
 人生は食事をして眠るだけのくり返しではない。「こういうことができた」
 「こういうことを考えた」というぶ文がある。それは楽しさであり、人生を有意義にさせてくれる。
 私は、将棋にかぎらず、何かに打ち込んでいる人には、そういう発見があると思っている。 

・以前、私は、才能は一瞬のきらめきだと思っていた。しかし今は、十年とか二十年、
 三十年を同じ姿勢で、同じ情熱を傾けられることが才能だと思っている。

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