人生ブンダバー

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3/26 紐育男声東京合唱団第23回定演

2016-04-06 05:00:00 | 音楽

音楽会評が新聞に載るのは比較的遅く、一週間以上かかることがあ
る。それにならったわけではないが、3月26日(土)(14時開演)に第
一生命ホールで行われた紐育男声東京合唱団の記事を載せるのが
遅くなってしまった。

プログラムにもあったが、この合唱団のモットーは「上手くなってやら
ない」ということだという。逆説的にも聞こえるが、なるほど合唱団は、
ワグネルのような「求心力」のある(--尊敬できる、と言ってもいい
だろう)先生がおられる場合は別だが、ややもすると、なにも政治的
な意味ではないが、「イデオロギー対立」で分解する場合がある。
そうした意味では、長く続いているのは、(あくまで仮説だが)ある種
のイイカゲンサ(?)、ユルサ(?)がこの合唱団のよさなのかもしれ
ない。

<プログラム>
1.Love and Peace for the World
(1)What A Wonderful World
(2)Deep River
(3)Ol' Man River("Show Boat"より)
(4)Serenade("The Student Prince"より))
(5)Lover, Come Back To Me("New Moon"より)
 指揮;三木宏成 ピアノ;田中理史
2.男声合唱とピアノのための「みゆき歌曼荼羅」
 作詞・作曲;中島みゆき 編曲;源田俊一郎
(1)紫の桜
(2)二つのララバイ アザミ嬢のララバイ~ララバイSINGER
(3)荒野より
(4)糸
(5)誕生
 指揮;谷田政隆 ピアノ;前田勝則
3.前田勝則ピアノコレクション
4.男声合唱組曲「柳河風俗詩」
 作詩;北原白秋 作曲;多田武彦
(1)柳河
(2)紺屋のおろく
(3)かきつばた
(4)梅雨の晴れ間
 指揮;澤口雅昭

Hさんから頂戴した指定席(2階L1-45)に座ると隣は同じくOBのO
さんだった。

以下、いつもながらつたないレポートとコメントを

第一生命ホールはどん帳がない。14時少し過ぎに下手から一人の
男性が登場。
「え~、皆さま、今日はようこそお出でくださいました(低音である)。
私、演奏会の責任者を務めております渡辺でございます。今日は一
つお願いがございます。プログラムの裏表紙をご覧ください」と言っ
て、そこに書かれた演奏会のマナーを説明された。曰く、
・演奏中はお静かに、私語はご遠慮ください。
・拍手は指揮者の手が下されてからお願いします。
・咳やくしゃみはハンカチで口を押さえてください。
・携帯電話の電源、時計のアラームをOFFにして下さい。
等々。
大切なことだな、やっぱり(山下清?)。

この日は、全ステージとも4列のフォーメーション、約65人、譜面持ち
だった。

暗譜演奏と譜面持ち演奏では、暗譜の方がいいに決まっているが、
100%暗譜できないなら、90%暗譜でも譜面持ちの方がいいとも言
えよう。譜面持ちではあったが、さほど譜面にかぶりついている印象
はなかったかな。

1.Love and Peace for the World
指揮;三木宏成 ピアノ;田中理史
(1)What A Wonderful World
(2)Deep River
 骨太の演奏で、「Deep River」らしくてよかった。
(3)Ol' Man River("Show Boat"より)
 ピアノ前奏がすてき。このステージは1曲ごとに拍手をもらってもよか
 ったのでは。
(4)Serenade("The Student Prince"より))
 「もう少し」感情を入れてもよかったかしらん。--指揮者の趣味にも
 よるので一概には言えないかしらん。
(5)Lover, Come Back To Me("New Moon"より)
 ソロが若い、いい声を出した。いい曲だ。
演奏終了後、三木さんが合唱団に手を挙げ、おじぎをしたら、合唱団
でお一人だけ一緒におじぎをされた方がおられた。もしかすると、あと
の方々がおじぎをし忘れたのかもしれない。

 2.男声合唱とピアノのための「みゆき歌曼荼羅」
 作詞・作曲;中島みゆき 編曲;源田俊一郎
 指揮;谷田政隆 ピアノ;前田勝則
(1)紫の桜
 fのピアノ前奏。中島みゆきの曲からの選曲にもよるだろうが、第1
 ステージより「一人ひとりの曲への共感」が強いように感じられた。
 指揮棒を持たない、手による大きな、打点のハッキリした指揮。

(2)二つのララバイ アザミ嬢のララバイ~ララバイSINGER
(3)荒野より
 パート間のメロディーの受け継ぎはなかなかよかった。
(4)糸
 「ささくれ」という言葉の表現にグッと来た。最後のrit.がややそろわ
 なかったかしらん。--楽譜持ちの場合、テンポが変化するところ
 はよほどの注意が必要、かな。
(5)誕生
 トライアングル、マラカスがお世辞抜きでうまかった。--リズム楽
 器(と言えばいいのかしらん)は難しいけれど。

客席の源田さん--編曲者が紹介された。
 
~休憩~
下田さんとしばらくおしゃべり。

3.前田勝則ピアノコレクション
前田先生が下手からマイク片手に登場。「え~、本日演奏するのは
・・・・・・」というお話があり、ガーシュインの「ラプソディー・イン・ブルー」
が演奏された。
この曲は1924年に作曲、初演されているが、最初はピアノとジャズ
バンドによる演奏だったという。
タッチと響きがすばらしい。下手な人が弾くと、(音大を出た人でも)
ガチャガチャになるだろう。
アンコールは、「からたちの花」のピアノ編曲版。これみよがしでない、
何というか、誠実な響きだった。

4.男声合唱組曲「柳河風俗詩」
 作詩;北原白秋 作曲;多田武彦 指揮;澤口雅昭
合唱団に続き、澤口さんがマイクを持って登場。この曲は、1992年
にNYのブロンクスビルの教会と2015年にマンハッタンのEthical
Culture Concert Hallで歌っているが、日本で歌うのは初めてだ
という。いつの日かカーネギーホールで演奏するのが夢!だそうだ。

(1)柳河
 澤口さんは暗譜の指揮。さほど速くないテンポの歌い出し。歌い
 込まれているのか、楽譜の細かいところまで、徹底されていた。
(2)紺屋のおろく
 一体感のある「語気の鋭さ」がよかった。
(3)かきつばた
 この曲は子音のさばき方がポイントかしらん。なかなかすばらしか
 った。
(4)梅雨の晴れ間
 ほとんどインテンポの曲だが、やはりrit.のところが合わなかった
 かな。とはいうものの、この曲の演奏としては、上位の出来栄えだ
 った、のではないかしらん。

演奏後、渡辺氏による客席アンケートは、自由席や座席券交換より
指定席の方がいいということだった。なるほどである。

アンコールは、連弾のピアノ伴奏で、恒例の「You'll Never Walk
Alone」。北村先生が編曲したものだという。
演奏後、ピアニストの前田先生、小野村先生にぎこちなく(?)花束
贈呈がなされた。


<演奏会の経済学>
何でもないことのようだが、演奏会を毎年開催するということは大変な
ことだ。練習は無論、プログラム、お客様集め、収支・・・・・・等々。

第一生命ホールは客席数760あまり。
会場費、基本料金は、第一生命Hの場合、午後(マチネ)の演奏会とし
て、リハーサル~コンサートで400,000円。
ピアノ(スタインウェイ)等々で+α。
先生への謝礼で○万円。
プログラム、チラシの印刷代で○万円。
これらを仮に単純に60(人)で割ると、当日、一人あたりのチケット枚数
や費用が出てくる。

マネージャーさん、お疲れ様です。



チラシ


プログラム


13:33 トリトンスクエア


13:35 第一生命ホールは4F


13:37 入口の混雑緩和のため、少しずつ入れていた。


13:40


13:46 花束受付


13:46 座席より


15:14 休憩中


15:24


16:29 終演後


16:31 高層マンションが立ち並ぶ。


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