ービフォア・ミッドナイトーBEFORE MIDNIGHT
2013年 アメリカ 108分
監督・脚本・キャラクター原案・プロデューサー=リチャード・リンクレイター
脚本=イーサン・ホーク / ジュリー・デルピー キャスト=イーサン・ホーク(ジェシー)ジュリー・デルピー(セリーヌ)シーマス・デイヴィー=フィッツパトリック(ハンク)ジェニファー・プライアー(エラ)シャーロット・プライアー(ニナ)ゼニア・カロゲロプーロ(パトリック)ウォルター・ラサリー(ナタリア)アリアン・ラベド(アナ)ヤニス・パパドプーロス(アキレアス)アティーナ・レイチェル・トサンガリ(アリアド二)パノス・コロニス(ステファノス)
【解説】
イーサン・ホークとジュリー・デルピー主演の『恋人までの距離(ディスタンス)』『ビフォア・サンセット』に続くラブロマンスのその後を描く第3弾。風光明媚(めいび)なギリシャの海辺の街を舞台に、熱烈な恋に落ちて人生を共にするようになった男女のその後の現実を、小気味いい会話を通して映し出す。前2作同様リチャード・リンクレイターが監督を務め、再び主演の二人と強力タッグを組む。恋人から家族になった主人公たちの本音満載の内容が、観る者の共感を呼ぶ。
【あらすじ】
パリ在住の小説家ジェシー(イーサン・ホーク)と環境運動家のセリーヌ(ジュリー・デルピー)は、双子の娘を伴いギリシャでバカンスを過ごすことにする。同時にシカゴでジェシーの前妻と暮らす息子ハンク(シーマス・デイヴィー=フィッツパトリック)も呼び寄せる。彼らは共に海辺の町で夏休みを過ごした後、ジェシーはハンクを空港まで見送るが……。(シネマトゥデイ)
【感想】
私はこのシリーズが大好き。
第1作は18年前の1995年、ウィーンの列車の中で偶然出会ったジェシーとセリーヌ。
なぜか別れがたくウィーンの町を歩き回って語り合い、結局そのまま別れてしまった二人が(ビフォア・サンライズ)、その9年後の2004年にニューヨークで再会した(ビフォア・サンセット)。
そして、また9年後の二人のお話です。
劇場に見に行きたかったけど、タイミングが合わず、DVDでの鑑賞となりました。
見始めると、ずいぶんおじんになってしょぼくれたイーサン・ホークが、息子らしい子供と空港にいる。
違う映画を見てるんじゃないかと、わが目を疑いましたが、間違いありませんでした。
息子を送って建物を出ると、ジュディー・デルビーが待っていました。
40代に入ったジェシー(イーサン・ホーク)とセリーヌ(ジュディ・デルビー)。
9年前の再会で、二人の恋心が再燃し、その結果として、双子の女の子を授かったのです。
でも、その前に障害が。
ジェシーはそれ以前にニューヨークで作家として成功し、結婚し、ハンクという息子がいました。
9年前のセリーヌは、ジェシーの本が出たのを知って、ニューヨークへ会いに行ったんだものね。
すったもんだの末、ジェシーは前妻と別れ、ハンクの親権も争いましたが、認められず、今はセリーヌと結婚して双子の娘と一緒にパリに住んでいます。
この夏休みは知人に招待されてギリシャで休暇を送っていて、ハンクも呼び寄せたのです。
一足先にハンクをニューヨークに帰すため、空港まで送り来たのでした。
思春期を迎えようとしている息子の複雑な胸の内を聞いて、ジェシーはなんとか近くにいてやれないものかと思い始めます。
父親の自覚というやつですね。
セリーヌは、環境保護団体のNPOで活躍していましたが、組織的にうまく運営できなくなったようで、ある政治家の事務所に所属して働く道も考え始めているところでした。
それには、パリ在住が不可欠。
いつものように会話の洪水で楽しませてくれますが、リアルで厳しい現実があり、やがて二人の会話も刺々しいものになって、最後にはバトルとなります。
「離婚」の二文字も出て、相当険悪です。
セリーヌは現実的で正論です。
ジェシーは甘い。
ジュディー・デルビーが半身裸で論戦するシーンは迫力がありますよ。
男性はたじたじでしょう。
でも、ハンクのことや元妻とのことは、セリーヌの言うことが正しい。と私は思う。
積年の恨みの部分は、女性としてとても胸のすく思いですが、言ってもしょうがない。
終わったことだからね。
この映画で素敵なのは、やはりジェシーだなあ。
怒りが治まらないセリーヌに、優しい言葉をかけにいきます。
謝るのではなく、本当にセリーヌが大切ということが伝わる感じです。
そして、セリーヌも折れて、二人はまた前を向いて生きていくのでしょうね。
一目惚れして、この人が一生の人と思い、結婚する。
それだけではおとぎ話です。
結婚は現実で、自分では解決できないことが押し寄せてきます。
それをどう乗り切るか。
この二人の人生を見せてもらって、最終的には、一番好きな人と結婚するのがやはり人生の幸せなのだなあと思いました。
一番好きな人だから、年を取ることも受け入れ、意見が合わないときも歩み寄る努力ができるんじゃないかなあ。
シビアな作品でしたが、ある意味、おとぎ話の一コマでもあると思いました。
ふつうは、ここまで行ったら乗り切れないよ。
ジェシー、偉い。
脚本が素晴らしい。
人生経験を積んだ女性にお勧め。
男性も見て、学んで欲しい。
でも、二作目はニューヨークではなくて、パリで再会したのではなかったでしょうか?
また、見直してみなくっちゃ。
コメント、ありがとうございます。
今後とも、よろしくお願いします。