マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

LION/ライオン~25年目のただいま

2017-05-14 08:54:47 | 映画ー劇場鑑賞

LION/ライオン~25年目のただいまーLION

2016年 オーストラリア 119分

 

監督=ガース・ディビス 原作=サルー・ブライアリー キャスト=デヴ・パテル (サルー) サニー・パワール (サルー(少年時代)) ルーニー・マーラ (ルーシー) デヴィッド・ウェンハム (ジョン)  ニコール・キッドマン(スー) アビシェーク・パラト(グドゥ) ディヴィアン・ラドワ(マントッシュ)

 

【解説】

『英国王のスピーチ』などのプロデューサー、イアン・カニングが製作に名を連ねた実録ドラマ。幼少時にインドで迷子になり、オーストラリアで育った青年が Google Earth を頼りに自分の家を捜す姿を追う。メガホンを取るのは、テレビシリーズや短編などを手掛けてきたガース・デイヴィス。『スラムドッグ$ミリオネア』などのデヴ・パテル、『ドラゴン・タトゥーの女』などのルーニー・マーラ、名女優のニコール・キッドマンらが顔をそろえる。

 

【あらすじ】

インドのスラム街。5歳のサルーは、兄と遊んでいる最中に停車していた電車内に潜り込んで眠ってしまい、そのまま遠くの見知らぬ地へと運ばれて迷子になる。やがて彼は、オーストラリアへ養子に出され、その後25年が経過する。ポッカリと人生に穴があいているような感覚を抱いてきた彼は、それを埋めるためにも本当の自分の家を捜そうと決意。わずかな記憶を手掛かりに、Google Earth を駆使して捜索すると……。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この物語が実話だということにまず驚かされます。

インドで迷子になった少年が、25年前の自分を取り戻すお話。

人間にとってアイデンティティがいかに大切か、考えさせられます。

いろんな問題が浮き彫りになるけど、最後の最後に大切なのは、果たして何なのか。

深い作品でした。

 

しかも、母を探すきっかけになったのがグーグルアースとは!

 

5歳のサルーはスラム育ちだったが、自分が貧しいとか辛いとかまるで感じずに暮らしていた。

それは、母の愛と兄グドゥの気遣いに守られていたから。

特に大好きな兄。

グドゥと一緒に走っている貨物列車に飛び乗って石炭を盗む。

石炭を牛乳と交換する。

好物の揚げ菓子をいつかグドゥに買ってもらう。

これもサルーにとっては、ヒーローように立派な生きる道だった。

 

母は石切場で石を運ぶ仕事をしていた、昼も夜も。

夜は妹の面倒を見るのだが、その夜、グドゥは夜の仕事に出かけると言った。

妹はよく眠っている。

サルーもグドゥと一緒に働きたかった。

無理を言って付いてきた。

しかし睡魔には勝てない。

駅で眠り込み、グドゥは「ここで待つように」と言って行ってしまった。

夜中の誰もいない駅で目覚めたサルー。

給水塔が見える。

「グドゥー!!」と呼べど、誰もいない。

停車中の電車に乗り込んで、またも眠ってしまう。

起きたら、電車は全速力で走っていた。

どこへも止まらず、ひたすら西へ。

インドは広い。

着いたところは大都会カルカッタ。

 

大量の人で溢れている。

ここでも「グドゥー!!」「ママー!!」と叫ぶけど、雑踏にかき消される。

言葉さえ通じない。

「どこからきたの?」

「ガネストレイ」

誰にもわからない地名。

孤児狩り、子供拐いなどの危険をなんとかくぐり抜けるが、とうとう孤児院に入れられる。

 

オーストラリアのタスマニアに住む夫婦がサルーを引き取りたいと申し出た。

 

サルーはジョンとスーの夫婦に引き取られた。

1年後、やはりインドの孤児マントッシュも引き取られたが、マントッシュは自傷行為などの問題のある少年だった。

 

それでもスーたちは二人に愛情を注いで20年間育てた。

サルーは経営学を学ぶためメルボルンの大学に進学した。

マントッシュは社会に馴染めず、人里離れたところで一人で生活を始めた。

 

サルーにはルーシーという同級生という恋人ができた。

ある日、友達に招かれてインド風のパーティに参加した。

そこであの市場にあった揚げ菓子を見つけた。

その途端、あの頃の記憶が蘇ってきた。

母、グドゥ、まだ自分を探しているのではないか?

自分を探す声に悩まされる。

 

5年経って、ルーシーとタスマニアに戻ってきたサルーだが、母が自分を探しているという思いはさらに深くなり、苦しんでいた。

グーグルアースでカルカッタから電車の時速と距離を計算して、故郷を探す作業に没頭し、ルーシーとも別れてしまった。

ジョンもスーも引きこもるサルーを心配していたが、サルーは肉親を探す作業は、スーを裏切る行為だと余計疎遠になっていく。

でも、スーは言う。

「私は、自分の子を持とうと思えば持てたが、持たなかったのだ。父親に虐待されて辛い思いをしている時に、肌の黒い少年が現れ、私はいつかこの子たちを引き取ると決心したから。私が自分の子供を生むことに何の意味があるのか。世の中には辛い思いをしている子供がいる。その子達を引き取り育てるのが私の使命だと感じた」

 

しかし、スーも苦しんでいた。

サルーもマントッシュも幸せには見えなかったから。

子育てって、愛情だけでは足りないのか。

貧しい国から養子を取って育てるというのは、とても尊敬に値する行為だと信じていましたが、本当に難しいと思いました。

マントッシュについては多くは語られていませんでしたが、虐待されて心が傷ついたというのはわかりました。

 

サルーがひるまずに故郷探しができたのは、幼い時に母や兄に愛されていたからだと思う。

スーを受け入れることができたのも、愛された幼児体験があったからでしょう。

数奇な運命を辿ったサルーですが、グーグルマップで兄と別れた給水塔のある駅を見つけ、見覚えのある川や橋を見つけ、とうとうインドへ母を捜しに旅立ちます。

 

☆ネタバレ

ネタバレになりますが、サルーは母と会えます。

「ガネストレイ」ではなく、ガネッシュ・タライという町でした。

母も、サルーがいつ帰ってきてもいいように、遠くへは引っ越さなかったのです。

妹とも再会。

ただ大好きなグドゥは、サルーと別れた駅の近くで電車に轢かれて亡くなったそうです。

 

サルーは自分の名前も間違っていて、サルーではなくライオンという意味の名前だそうです。

 

ニコール・キッドマン、この役は素晴らしい。

大女優の風格。

スーのこの崇高な思想が体現できるのは彼女だけかもしれないと思いました。

他人の子供、特に不幸な子供を育てるという困難にあえて挑んだスーの精神に心から感動しました。

その思いが、十分に詰まった作品でした。

 

みなさま、ぜひご覧ください。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはよう (ちっぷ)
2017-05-19 06:18:34
まだ観たことがないです。
マダムようさんのブログで見たくなりました。
今度近所のツタヤで借ります。     
ちっぷさんへ (マダムよう)
2017-05-19 08:48:04
おはようございます。
この作品はオススメです。

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