「デブ」「ブス」と小・中でいじめに遭って、高二の時に十キロ痩せて顔変わって整形疑われて避けられたけど今はモテてます。

「加藤ちゃんって、理数科の毒だよね」
穏やかじゃない人生をやり過ごした自分が綴る、フィクション風ノンフィクション日記。

💉階段アート/ドッペルゲンガー1🔪

2017-08-13 11:35:39 | âœ’第二章📘中学三年生
夏休みの宿題で、三年生だけイラストを描く宿題が出た。



一・二年生の時には厚くて大きな画用紙を渡され風景画を描くよう強要されており、絵を描くことが好きな自分でもこの課題にはうんざりしていた。

しかし今年は大好きなイラストが美術の成績に入るのだ。俄然やる気に火が点いた。だから正方形の区切りの印刷された藁半紙に、配られたその日の夜にかじりついていた。


この課題は、階段アートという文化祭の三年生だけの出し物の原画を決めるために出されたものだ。

階段アートとは、階段の蹴込みの部分に絵を貼り、遠くから見れば一枚の大きな絵に見える、遠近を利用しているアートのことだ。


原画のテーマは「絆」

背景はオレンジ色で明るい印象を与え、「クラスの出し物は演劇で、今それに向けてクラス一丸となって準備しています」という言葉で置き換えることのできる絵にした。

要にたくさんの男子や女子を描き、それぞれにペンキを持たせたり劇の練習をさせたり照明器具をいじらせたりしたのだ。

コピックで仕上げた。たくさんの色を使い、濃淡を出した。
一番苦労したのはペンキの粘っこさと艶を出すところだ。当時は漫画用のホワイトなんて持っていなかった。筆箱に入っていた修正ペンの中身をラップの上に出し、爪楊枝の先を用いた。

確かに苦労したが、イラストを描くことは好きなので全然苦痛では無かった。むしろ描き上げたときには奇妙な後悔につままれた。もっともっと凝れば良かった。



二学期に入って、原画は夏休みワークや感想文などといっしょくたにされ、班で固めたクラスメートに選別にかけられた。
自分の班は確か読書感想文の担当だった。誰が提出しているかしていないかを名簿にチェックの真っ最中、背後の班から声が上がった。


その班は、原画担当の班だった。

「この絵ヤバくね!?」
「次元が違う」

その班のメンバーが全員立ち上がり、一枚の原画をひらひらさせ、周りのクラスメートに見せつけている。
周りのクラスメートも吸い寄せられるようにその班に群がっていく。



その原画はちょうど自分から見たら裏返しだった。

鮮やかなオレンジ色の背景に、たくさんの男子や女子。

コピックを塗った紙は、面白いくらいに光を通すのだ。


紛れもない、自分の絵。

この中学校に入学し、初めて成績以外で自分が認められた瞬間だった。
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