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【日本取材ツアー⑮】環境保護における親子の関係

2017-04-19 12:22:26 | 日記
環境保護における母親の役割は強調しすぎても、強調しすぎることはない。学生たちは、一般家庭への取材を通じ、それを体感した。

北九州市八幡西区のある老夫婦家庭。すでに孫も2人いるという76歳の女性が取材に応じてくれた。早朝、われわれは家の勝手口に置かれた、ごみ置き場に案内された。燃えるゴミ、缶・ペットボトル、プラスチック・ビニールのごみ分別に加え、自宅でネギやダイコン、パセリ、ミカンを育てる菜園のために生ごみを作っている。残ったヨーグルトや納豆は発酵に有効なのだという。

「主婦はいつも家事の中で、分別だけでなく、どのごみを捨てるか、どのごみは使えるかを考えている。すごく身近な問題だから。そしてそれをそばにいる子どもに伝える」
「道を歩いていても、ごみを見たら拾って捨てる。子どもはそれを見て学ぶ」
「私は小さいころ、他人の家に行ったら、ごみは持って帰りなさい、と教えられた」

彼女の話にはそのまま母親の役割が語られている。彼女の言葉一つ一つが学生たちにとっては驚きだった。







また、リサイクル工場やごみ処理場の視察を通じ、学生たちは先端技術だけでなく、それが子どもたちの環境教育の貴重な場となっていることを感じた。彼女たちの目を引いたのは、あちこちで掲示されている参観者の感想だった。



興味深かったのは、一部学生が「まだまだ聞きたいことがある」と、2回にわたり北九州市の環境ミュージアムを訪れ、中薗哲館長に取材した内容だ。同ミュージアムは、北九州における公害克服の歴史や、地球規模の環境保護について学ぶための施設だ。





学生たちの質問は、同ミュージアムを訪れる子どもたちの反応に集中する。子どもたちはどんな質問をするのか。この施設での学習がどんな影響を与えているのか。中薗館長がわかりやすく答えてくれる。

「子どもたちの質問には驚かされます。公害の歴史を説明しているときに、『どうしてこんなに海が汚くなるまで放っておいたのですか』と聞かれたことがあります。また、下水処理をして海や川に流していると説明すると、『そんなにたくさんのお金をかけてきれいにしたのに、どうして捨ててしまうんですか。再利用すればいいんじゃないですか』と問いかけが返ってくる」

子どもの素朴な疑問は、時に核心をついている。だからこそ、中薗館長はこう付け足す。

「このミュージアムの役割は、環境保護の理念を次の世代に伝えることなのですが、子どもたちが学んで家に帰ってから、親たちに教えることもあります。大人はえてして自分の生活習慣を変えにくい面がありますが、子どもの言うことにはかえって素直に従いますので、効果があります」

なるほど。私も、新鮮な学生たちと歩いていて、逆に学ぶことが多い。すっきり納得できた。

(続)
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