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リーバイスに学ぶ、戦略。

2014-09-09 10:18:23 | 講師亀田からのメッセージ

先日、リーバイスジャパンの齋藤社長が登壇された、リーバイスブランドのセミナーに出席してきました。その中で、印象的だった「戦略の立て方のステップ」と「プレミアムブランドの考え方をどのように社内に理解させていったか」の2点について、エッセンスをお伝えしたいと思います。

1.戦略の立て方のステップ

①    状況分析を行う

SWOT分析を行うとのことでした。SWOT分析自体はとてもメジャーな分析手法ですし、目新しいものではありません。ただし、リーバイス社では、SWOT 分析をすべて行わず、「強み」と「機会」にのみ、行うそうです。

「脅威」や「弱み」の分析を行うと、「脅威」にどう対応するか、「弱み」をどう克服するか、ばかりに目が行き、リーバイスらしさや、攻めの姿勢が無くなるから、だそうです。

②    戦略のコンセプトづくり

状況分析の結果をもとに、戦略のコンセプトを策定します。ここで大切なのは、素直に「どんな会社にしたいのか」、「どんなブランドにしたいのか」を考えることになります。

その際に重要なのは「オーナーズマインド」だそうです。つまり自腹をきって自分が出資したつもりで考えることです。

この気持ちになれば、ブランドへの愛情も最大限高まりますし、真剣さが変わってきますね。

③    戦略策定のためのロードMAP策定

ロードMAPを考える際に検討することは、「DO’S」と「DON’S」になります。ブランドとしてやるべきことと、やってはいけないことを明確にするわけです。

何も意識せずにロードMAPを書き始めると、やるべきこと、つまり、「DO’S」ばかりを考えがちです。しかし、それと同じくらい、「DON’S」も考える必要があるということです。

これを踏まえて、いわゆるマーケティングの4Pをお互いに矛盾無く、同じコンセプトにのっとって考えます。

 

2.プレミアムランドの考え方をどのように社内に理解させていったか

ユニクロに対抗するために三千円台のラインを発売した結果、リーバイスブランドは販売不振になります。回復するためにとった戦略は、もう一度プレミアムブランドにすることでした。

ただ、このプレミアムブランドとはどのようなブランドなのか、を社員に理解・浸透させるために社長は伝えたのは、以下のシンプルな内容でした。

「あなたの子どもが、お父さんもしくはお母さんが勤めている会社はどんな会社なのか、と聞かれ、胸を張っていえるブランド」

「合コンで、お勤めをしている会社は、どちらですか?と聞かれ、胸を張っていえる部ブランド」

これを伝えたことで、意識統一が図れたそうです。

 

これらの内容はリーバイスだけに通用することではなく、ブランドや業界に関係なく汎用性があります。私も早速、活用させていただきたいと思います。

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意志の力

2014-09-09 00:43:22 | 14期生のブログリレー

プロコン塾14期生の長田真由美です。

金曜日は休暇をとり、Long Weekendでシンガポールに行ってきました。往復夜行便の強行軍ですが、金曜から日曜まで丸3日満喫しました。

 

彼の地を訪れたのは1996年以来18年ぶり。

その長期間に街は変わって当然なのですが、今回とても印象に残ったのは、政府の意志の力による街の変貌、とも言うべきものでした。

五輪などの巨大イベント無しに、意志を持って街を変容させ続けているのです。

 

例えば、世界中のリゾートファンを驚愕させたマリーナ・ベイ・サンズ。55階建ての3棟のホテルタワーの上に巨大なボートのようなプールを乗っけてしまったこの複合リゾート施設は、「構想30年」と言われるシンガポール政府の都市計画の目玉だとか。

 

ここにはホテルだけでなく、300店舗以上の高級ブランドが集う一大ショッピングセンター、24時間オープンのカジノ、国際会議場に展示場までを併設しており、マリーナ・ベイ・サンズの国際会議場オープンの効果により2011年にはシンガポールは国際会議開催件数が世界一となりました。

 

2010年に誕生したこの魅惑的な施設だけでなく、その隣に2012年にオープンしたのがこれまた壮大なスケールの新しい植物園ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ。

 

総面積100haを超える広大さ。大量の植物を群生させている2つのガラスドームの形もモダンなら、高さ50メートルの人工木「スーパーツリー」やそこにかかる地上20メートルの空中遊歩道、空中に浮かぶ男の子の巨大彫刻など、見どころ満載の観光名所。その構想力は素晴らしいものでした。

 

たった2年の間隔でこれだけの巨大施設を次々とオープンさせる「腕力」は並大抵のものではありません。

 

夜も「ワンダー・フル」ショーが楽しませてくれます。マリーナ・ベイの海の上に忽然と現れるレーザーと噴水と光の祭典。噴水で作る高くて大きくて薄い水の銀幕に、数色のレーザーで映し出す映像・写真の連続や、ホテルタワー上を交差するレーザービームの帯は、ほれぼれするアートでした。 その後はホテル屋上のスカイバーで心地よい夜風に吹かれながら、シンガポールの夜景を見渡すという贅沢が味わえます。

 

これらは全て前回訪問時以降に出来た広大な埋立地の上に作ったものですが、なんとここ数十年で埋立てによって国土面積を20%も増加させたとのこと。更に埋立地を増やして次は何を仕込もうかと政府が構想を練っている最中なのだそうです。 確かにマリーナ・ベイ・サンズを1回訪れ、次の訪問でガーデンズ・バイ・ザ・ベイに行き・・・  ディズニーランドが次々とアトラクションを新設するように、シンガポールでは国家規模で次々とアトラクションを仕込んでいかねばならないのでしょう。

 

マリーナ地区という一大新街区を誕生させ、これだけの大規模娯楽施設開発を行えば、そりゃ観光客が来るよね、と思わせるに十分な空間演出。それが上記に紹介したマリーナ地区だけではないのでした。

 

1972年以来、政府によって開発が進められてきたセントーサ島。長期滞在型コテージやプライベートプール、ユニバーサルスタジオやカジノを備えたアトラクション満載のリゾートアイランド。シンガポール本土から800メートルの橋でつながるアクセスの良さが魅力です。高さ35メートルの展望台を備えたマーライオンタワーも唯の箱モノではありません。ほんの5分の「シンガポール建国モノガタリ」のアニメが心をほっこりさせる出来。そして少し大ぶりなマーライオンメダルのお土産。ちょっとしたソフトの工夫が魅力の元と感心しきり。

 

街中に変わったデザインの高層ビルがあふれ、彫刻もたくさん、アートごころにあふれた街づくりへの意志が感じられました。

 

1963年にマラヤ連邦に組み入れられてからシンガポール自治州と連邦政府の意見対立が絶えず、1965年に独立したシンガポール。

今では独立したくても出来ない地域が世界には沢山ありますが、当時はマラヤ連邦から追い出される形で独立を許されたのだとか。

 

まだ誕生から49年しかたっていないこの小さな国家は、現在は水消費量の30%を占めるマレーシアからの水の輸入契約が切れる2060年までに何とか水を自給しようと、海水の淡水化や使用後の水の再生化にも熱心に取り組んでいます。世界的に成長が見込まれる水ビジネスを戦略的な産業として育てる意図も含んで、何十年もこつこつと技術開発を続けてきているのでした。ここにも長期的な政府の計画が見て取れます。

 

 

帰国前にまた感動させられたのが、チャンギ空港の出発ロビーにある「レインドロップ」アート。 思わず道行く足を止めずにいられない素晴らしいパフォーマンス。

http://m.changiairport.com/terminal1/

 

こんなところにまでこんなにお金と気を使って、訪問客増加を目指し続けている長年の地道な努力を思うと、そこに政府の強い意志の力を感じるのです。

資源も人口も少ない国であっても世界最高レベルの生活・教育水準を達成することが出来るのだと、リーダーシップの大切さが身に沁みた旅でした。

 

 

コメント (3)
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