たまごのなかみ

毎日 元気に機嫌良く♪

歌舞伎座で 金メダル情報☆

2008年08月16日 22時15分31秒 | 観る
熱戦が繰り広げられている北京オリンピック。レスリング48kg級の伊調千春選手、悲願の金メダル成らず。...さぞ悔しい思いをしていただろうと思うのに、表彰式では 爽やかな笑顔を見せてくれました。トーナメント戦での銀メダルには 複雑な思いがあって当然ですが、暗い表情で表彰台に立つ日本人選手を なんとなくすっきりしない思いで見る事もある中、本当に素敵な笑顔でした。伊調千春選手、苦しい試合を戦い抜いての銀メダル です。
少々遡りますが、14日 北島康介選手の二つ目の金メダルを知ったのは、歌舞伎座。『女暫』の舞台番役 勘三郎の口からでした。

さてさて...
オペラ『アイーダ』を翻案した 野田秀樹演出の『愛陀姫』が上演される第三部が話題の八月納涼歌舞伎(歌舞伎座)ですが、その出来はともかく 福助演じるエセ降霊術師‘細毛(ほそけ)’が 実にいい。チケットを取っていたのは 第三部だけだったのだけど、福助がもっと観たい!! 最前より気になっていた 第一部の『女暫』を観ようじゃないかと、急遽 三階席を押さえ歌舞伎座へ。

結論☆ 今年の納涼歌舞伎、お薦めは 第一部です♪
(第二部は観てないけど...ネ)


第三部(八月十二日 一階一等)
『紅葉狩り』(舞踊劇)
竹本、常磐津、長唄、紅葉を全体に配し 中央に幹のうねった松と 華やかな舞台です。
勘太郎の更科姫 ─実は 鬼女の変化(へんげ)である─ は、長身ながらも凛とした気品がある。本性を現し鬼女の姿で舞う終盤とのギャップも見所。
従者の高麗蔵・亀蔵、局の家橘も それぞれにコミカルに踊ってみせる。
山神を演じる 三津五郎の長男:巳之助が、フレッシュ。

野田版 愛陀姫』
『紅葉狩』が終わり 休憩時間の間に定式幕は捌けて 緞帳に変わります。
緞帳が上がると、ペーパークラフトの様な蛇腹の背景画。表は市井の風景、裏は金屏風。斬新な装置に 期待で胸がときめきます。合戦の様子を影絵風にスクリーンに映し出す演出には 会場も沸き立ちます。

が、NODA-MAPの『贋作 罪と罰』を観た時と似た違和感を感じるのです。おそらく原因は、原作が日本の物ではなく 文化や精神といった点で相違点があるにも拘わらず 案外そのまま設定を活かした内容になっている というところにあるのではないかしら...。今回は特に オペラに原作を摂ったということで、アリアの内容をセリフに置き換えている辺りが、元々‘立て板に水’的なセリフを得意とする野田芝居からしてみれば 案外うまくいく試みであったにもかかわらず、どこか説明的でぐっと来ない。内容的にも 終盤に向かってしんみりしていくので 観客の高揚感にも繋がらず、見所は色々ある割に なんとなくもったいない...「おもしろかったけどねぇ...」で 終わってしまった。オペラなら 歌声で生まれくる感動を セリフに置き換えた時 果たして何で補えば良いのか...、大きな課題を残したのではないでしょうか。

キャラクターとしては、扇雀と福助の祈祷師コンビ 荏原&細毛(エハラと来たら ミワと来るのかと思いきや、さすがに演劇人として ちゃかせる相手ではないらしい)、七之介の愛蛇姫が際立っていた。福助については、ちょっとクセのある役を演らせると 本当に伸び伸び演じる。賛否あるみたいだけど、一癖ある役で使っている域の声が たまらん好きです。山田五十鈴の様な哀川翔の様な...。分かる?

この日は、最後の最後の場で アクシデント発生。暗転がなかなか明けないと思っていたら、どうやら大セリにトラブルがあったらしく タイミング通りに上がらなかったらしい。やがて 徐にセリが上がるやいなや 慌てて定位置に倒れ込む橋之助の姿を目撃することとなり、観客としては 面白い日に当たったというところだけど、当事者は さぞ慌てふためいたことだろうと察します。なにしろ、セリが上がってこそのラストシーンでしたから。幕引き後、再度 緞帳が上がり 主要キャストによるお詫びの一幕となりました。

私はさぁ...夢の遊眠社時代の作品『贋作 桜の森の満開の下』を歌舞伎にするってのを ずっとずっと楽しみにしてるんだけどなぁ...。あれなら、歌舞伎座にピッタリなのにサ...。


第一部(八月十四日 三階A席)
予算を考えると 幕見の通し(2000円)だけど...、10時半開場の第一部に余裕を持って並ぶとなると 遅くとも8時半にはうちを出なくちゃならない 頑張って並んだ末 立ち見にでもなったら それも辛い... 料金表とにらめっこ。そうか 三階B席でも 2000円か♪ よし! 三階B席だ!! ところが、第一部で唯一残っていた三階席ってのが 14日のA席(3500円)のみだったのです。が、ケガの功名。お陰様で 三階席ながら二列目で、肉眼でも お顔バッチリでした。
料金の落差が大きいのも 歌舞伎座の特徴。ひとりでふらっと行くには 嬉しい料金設定です。

『女暫』
良かった。実に良かった。頑張って行った甲斐がありました。
元来の『暫』すら、歌舞伎十八番の内の一本であるにも拘わらず、正直あまり良く知りませんでした。中村屋も成駒屋も やりませんものね。そもそも、納涼歌舞伎にこれまで‘歌舞伎十八番’が掛かった事は ないそうで...。

『暫』...どうやら、顔見せの要素があるらしく、華やかな顔ぶれが舞台上に連なり 台詞も均等にあったりする。なるほどなるほど...。

で、『女暫』は というと、鎌倉権五郎景政を巴御前に置き換えているというだけでなく、最初からパロディとして楽しむ作品になって居るんですね。いやぁ〜洒落っ気がある♪ だから、台詞の中にも「今の『しばらくぅ〜』は、聞いた事のない声だ」とか、「いつもの『暫』なら...」といった遊びがあったり、女を追い返すには 女が相応しかろうと宛がわれる女鯰の照葉(七之助)との会話も...

照葉 「これはこれは、どなたかと思えば 成駒屋のおねえさん」
巴御前「おや、これは中村屋の七さんじゃないか」
...なんてあるもんだから、客席も大ウケです。
忘れちゃならないのが、三津五郎演じる手塚太郎光盛。若い!

『女...』ならではの演出は、巴御前の痛快な救出劇が見事解決し 定式幕が引かれた後も続きます。一息ついた巴御前ならぬ福助は「このような大役を勤め上げる事が出来たのも 皆々さまのお陰...」と挨拶し、「早く楽屋へ帰ってこの重い衣装をを脱ぎたいものだけど、どうもこの太刀が重くてねぇ...。誰か! 誰か おいででないかい?!」と舞台袖に声を掛けると 登場するのが舞台番の勘三郎。
「お暑い中 皆さんこうやって 劇場まで足を運んでくださってるんですから、ここは 六方踏んで行かなくちゃぁなりませんョ」と嗜める。
「だけど、あたしゃ やったこともないし...」と尻込む福助。
「北島だって 二つ目の金メダル取ったんですから、あなた やらなきゃ☆」
湧き上がる会場

勘「みなさん 北島の金メダルを見逃してまで 来てくださってるんですョ」
爆笑

福「それじゃぁ、お兄さん 教えていただけますか?」
 「お兄さんの方が よくご存知だから」
勘「いや、私も 観るのは良く観てますけどね、やった事はありませんから」
 「こういうのは 青葉台の目の大きい方が お得意なんですョ」
またまた、爆笑

引っ込みを手解きする勘三郎...
勘「あなた、ホントは ご存知なんでしょ?」
ウケるっ

意を決し、六方を踏むも「この辺でご勘弁」と、恥じらいながら揚げ幕の奥へと姿を消すという寸法。
もう 最高


成駒屋に縁の『女暫』巴御前...
福助 文句なしの嵌り役です。

『三人連獅子』(舞踊)
親獅子(橋之助)、子獅子(国生)、母獅子(扇雀)という取り合わせの 親子獅子。幕開きは、獅子の姿ではなく 毛卍文(けまんもん)の装束に身を包んだ人間の親子の姿で揚幕より仲むつまじく登場。舞台は、牡丹の花咲く立体感のある作りが美しい。

我が子の力を試す親獅子と心配する母獅子という ストーリー性が全面に出た舞踊になっていて、子獅子が実際に谷に落ちる振付があり 大変分かり易いと同時に 舞踊の質の高さという点で「堪能」とはいきませんでした。橋之助親子の共演という事で かなり楽しみにしていたのだけど、なんとなく物足りない感じ。見せ場の毛振りも 何処か思い切りが足りない。橋之助が 焦っているのか、なにか先走っている様に見えました。

三人での連獅子は、ドキュメンタリー番組で 中村屋の厳しい稽古を観たことがあるだけに「う~~ん こんなもん?」と思ってしまいました。もちろん、演目自体別のものだし 単純には比べられないと思うけどね...。

眠駱駝物語 らくだ』
いやぁ〜笑った☆ 爆笑 爆笑、また爆笑♪
元は上方落語で、昨年「鶴瓶のらくだ」としても話題になった作品です。
勘三郎と三津五郎の掛け合いも小気味いいし、死人を演じる亀蔵もセンスがいい。一言も喋らない役で 会場を沸かせるとは、難役且つ なんともオイシイ役。殿が観たら 大喜びしそう。

‘紙屑買久六’という役は、勘三郎が最も得意とするタイプの役柄だろうし 楽なポジションで労せずして演じられることと思います。さすが、そりゃあ見事なクズ屋さん振りでした。でも、今回の納涼歌舞伎の中で言えば、第二部の舞踊劇『大江山酒呑童子』の様な 身体を使う役も もっともっと見せて欲しいと思います。狐忠信なんかも また観たいなぁ~。


しっかし、三階席って ひとりで来る人も多いってことは 個性的な方が多いのか...? 斜め前の男性は、趣味なのか 仕事なのか、上演中 しきりにノートを取っている。お隣の若い女性は、休憩に入るなり パッと立ち上がって席を外します。『三人連獅子』では、役者の姿を見るなり 溜息混じりに「太ってる...。太りすぎだ...。デブ...」とぼやいておいででしたョ。


因みに 第二部は...
『つばくろは帰る』---新派の演目より。母子の生き別れ 再会の物語。
『大江山酒呑童子』---先代勘三郎の為に書き下ろされた 中村屋に縁の作品。
          串田和美に依る美術が話題。

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4 コメント

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mayumiさん (れこりん)
2008-08-18 20:39:15
歌舞伎三昧ですやんかぁ~
いいなぁ~
何処にも行かず、いや、行けず(笑)
家でオリンピックばっかり見ていた
わたくしと比べ、いやなんと、優雅ですなぁ。
でも、いいんだぁ~
北島選手の金メダル獲得のライブが見られたから
(^_^)v
巴御前の暫、面白そうですね♪
れこりんさんへ (mayumi)
2008-08-19 10:52:44
わたしだって、100Mの金メダルなら ライブで見たもんね!
(なにを張り合ってるんだ...

でもね、マジな話...
私が 入れ込んで応援すると ろくな事はないので、
出来るだけ 誰にも肩入れしない様 少し引いて応援する様に
してるんですョ。
100M平泳ぎも、金の確証が持てるまでは 心の中の声援も、
しない様に しない様に、冷静に 冷静に って見てたの。


歌舞伎は、もう年がら年中 上演してるでしょ?
当然 観たいものも沢山あるんだけど、時間的にもお財布的にも
好き勝手 観放題って訳にはいかないので、セレクトしてセレクトして...
なんですよ。

みなさん、誰かと連れだって行く時は一階で、ひとりで行ったり
リピートで行く時は 三階や幕見席で...なんて、上手に
使い分けてらっしゃるみたいです。
幕見席は、通しだと 2000円くらい掛かっちゃいますが、
一本だけだと 600円くらいで観られるものもあるから
外国からの観光客の利用も多いみたいですョ。
ほぃ (siu)
2008-08-20 22:09:48
丁寧なレビューが嬉しいわ。
mayumiちゃんの予想通り、野田版はちょっとアレな感じだったのかしら。
これはひとつのチャレンジなのね、きっと。
「女暫」は私も機会があったら観てみたい演目。

本当に最近は歌舞伎初心者の友達にお付き合いして、飛び道具的な歌舞伎ばかりが続いたので、次回は普通に古典が観たいな、っていう気持ちが強いデス。

「デブ」って、勘三郎のことを言ってたのかな・・・。
siuちんへ (mayumi)
2008-08-20 23:46:44
> 勘三郎のことを言ってたのかな・・・。
ううん。
橋之助んちのご長男のことなの。
まぁ 確かに ちょっぴりね。

「女暫」ね...
衣装に入ってる紋も、成田屋さんの『暫』だと 当然 三升なんだけど
成駒屋だから 祇園守とか、古典なりの面白さってあるよね。

野田歌舞伎も 面白いんだけど、題材を海外に取るなら
もっと大胆に翻案した方が いいんだと思う。
原作に沿いすぎて 窮屈になってる気がしたな...。

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