雑感2011~軽井沢高校校長室から

校長の視点で書いた折々の感想や校内外へ寄稿した文章を掲載します。ご愛読ください。

 6月14日(火) 40周年、今年もグアム生が来校 11

2011年06月14日 | エッセイ

 今年もグアムから高校生5人が本校にやって来ました。
 昨年は5人とも女の子でしたが、今年は1人男の子がいます。

 11日(土)に成田に到着して、軽井沢ロータリークラブの会員のお宅にホームステイをしながら、町長訪問やFM軽井沢での収録など、様々な行事に参加し、21日(火)に帰国の途につきますが、そのうち、今日からの4日間、朝から夕方まで終日本校で過ごすことになっています。
 この5人は、公立・私立、男子校・女子校・共学など、グアムにあるすべての高校の中から、日本語力も含めた数回の選考を経て選抜されたメンバーです。
 最大でも1校1人までとなっているようですので、全員が違う高校に在籍していますし、年齢もバラバラです。

 今日の2時間目には、教頭さんと、この事業を担当してくれている英語科の長嶋先生と一緒に、5人の生徒が校長室に表敬にやって来ました。
 英語と日本語を交えて話し、楽しい時間を過ごしました。

  

 軽井沢高校の校章と校歌が印刷された、他では手に入らない特製の手ぬぐいを全員にプレゼントしました。
 思った以上に喜んでくれました。

  

 前向きで明るい、すばらしい生徒たちです。 

 3月にグアムに派遣していただいた本校の3年生5人は、グアムに行ったときに、その時点での「派遣候補生」たちと、現地で一緒に行動していたので、今回来日した生徒たちとも親しくなり、その後もメールのやりとりなどを続けてきたといいます。
 本校での過ごし方は、基本的には、本校生5人が世話係になり、それぞれ1人ずつとマン・ツー・マンで行動を共にし、校内を案内したり、(英語以外の授業も含めて)自分の授業に一緒に参加したり、昼食を一緒に摂ったり、(グアムでは行うことのない)掃除を一緒にしたりします。
 
 しかし、これだけだと3年生としか交流ができないので、1年生や2年生の授業にも出たり、放課後は英語クラブやその他のそれぞれが興味のあるクラブにも参加したり、職員会議の冒頭でも自己紹介をしてもらったり、晴れれば4日目の金曜日は強歩大会にも参加してもらったりして、学校全体でグアム生と関わり、交流をするように計画を立てています。
 (今日の放課後の英語クラブとの交流会は「クラブ員以外の生徒も多数参加して大盛況でした」と先程3年生が報告してくれました)

 帰国前日の20日(月)には、軽井沢とグアムのロータリークラブの合同例会に、グアム生と本校生、10人全員が出席します。
 3月に引率者としてグアムに行った英語科の青木先生、担当の長嶋先生と一緒に私もその例会に招待されています。
 毎年この会では、グアムの高校生が一人ずつ軽井沢のホストファミリーと一緒に壇上に上り、日本語でお礼のスピーチをします。
 この例会には、グアムからロータリークラブの会員や引率の先生なども出席しているので、進行内容を英語に訳すことが必要になります。
 これまでその通訳は、軽井沢かグアムの引率者が務めたり、年によっては通訳をしなかったりということもあったようですが、今年は、初の試みとして、グアム生が日本語で話した内容を本校生が英語で話すことになっています。
 事前にそれぞれペアの生徒同士がスピーチの内容について検討することで、グアム生の日本語力と本校生の英語力の向上が図られるというわけです。

 グアムとの生徒相互派遣は、軽井沢ロータリークラブと軽井沢町のご厚意で、1972年に始まり、今年でちょうど40周年を迎える、本校にとっても一大行事です。
 この間、軽井沢高校から187人の生徒をグアムに派遣していただき、グアムからは243人の生徒が軽井沢を訪れています。
 第1回目に派遣された生徒は、今では私より年上、60歳近くになっているはずです。

 上述のように、グアムからは、グアムにある高校の中から選抜されたメンバーが来日するので、学校ごとにみていくと、その年に誰も選ばれない学校がいくつもあることになります。
 しかし、こちらからグアムに派遣していただくのは軽井沢高校生だけで、しかも毎年5人。
 本当にありがたいお話で、どれだけ感謝しても感謝し切れません。

 本校から派遣生に選ばれた生徒は、出発までの間、英会話やグアムに関する学習、スピーチの練習などを重ねますし、実際に何度も人前でスピーチをします。
 出発前と帰国後、軽井沢ロータリークラブの例会でスピーチをするほか、もちろん現地でも数回のスピーチを行いますし、今年は、校長室で出発前決意と帰国後報告を、さらに帰国後に職員会議でパワーポイントを用いた報告をしています。
 スピーチが上達するのはもちろん、話す態度も堂々としていて自然なものになっていきます。
 様々な人との交流を通じて、初対面の人を含めた、他者とコミュニケーションをする力や気配りをする力も確実に向上しています。
 グアム生との触れ合いは、派遣生以外の本校生にとっても国際交流の絶好の機会になっています。

 このようなチャンスを毎年いただいていることが本当にありがたく、心から感謝をしています。  

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