『2020年の日本』 美点凝視で閉塞突破
谷川史郎 東洋経済新報社 2012/12
<「強い非晶質構造の日本」への挑戦>
・20年間続いてきた閉塞感を打破して、世界のなかで後退気味の日本を再び成長軌道に乗せようとする政府の動きがある。それが、「構造改革」である。
構造改革のなかでも、最重要課題が4つあると筆者は考えている。財政の均衡、道州制の導入、内なるグローバル化、そして雇用対策である。
財政の均衡については、そう簡単に解消されるものではない。破たんの火種がくすぶるギリシャ、スペイン、イタリアなどをはるかに超える借金大国、日本の債務残高の対GDP比率は、2012年で219.1%、しかしながら、2013年度から段階的に消費税を上げていくことで、バランスを回復させるための第一歩を踏み出した。
<日本でも地方が独特の産業基盤を持ち、地方分権を成立させることが急務>
・道州制導入の議論も、少しずつ進みつつある。単に日本をいくつかの道と州に分けるだけでは意味がない。それぞれの道・州に、それなりの規模の企業の本社が置かれるような産業を育てていかなければ、本来の目的である地方活性化にはつながらない。
・内なるグローバル化とは、海外、主にアジアの成長を国内に取り込もうとする動きを指す。政府が2010年に発表した新成長戦略では、「グリーン・イノベーション」「ライフ・イノベーション」「科学・技術・情報通信」など7つの戦略分野の一つに「アジア」を挙げている。そこに掲げられている国家戦略プロジェクトは、「パッケージ型インフラ海外展開」「法人実効税率引下げとアジア拠点化の推進等」「グローバル人材の育成と高度人材等の受け入れ拡大」「知的財産・標準化戦略とクールジャパンの海外展開」「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の構築を通じた経済連携戦略」である。
同時に「ライフ・イノベーション」の領域では「国際医療交流(外国人患者の受け入れ)」、「観光・地域」の領域では「訪日外国人3000万人プログラム」などが掲げられ、グローバル化への志向が強く打ち出されている。
<量よりも質に着目し、若者の雇用を生み出す>
・確かに雇用創造について言及している。その中身は、グリーン・イノベーションで140万人、ライフ・イノベーションで284万人、アジアで19万人、観光で56万人、合計で約500万人の雇用を創出しようとしている。しかし、これはあくまで「量」の議論にとどまっている。
重要なことは、これを「質」の議論に転換することだ。
・次世代が誇りを持って働ける、質の高い仕事。これをしっかり作っていかなければ、日本が元気を取り戻すことはない。本書の本質的なテーマは、ここにある。
<「次世代が誇りをもって働ける仕事」「若者を鍛える場」の創造が急務>
<置き去りにされた若年層の雇用対策――正規雇用比率が年々低下>
・正規雇用比率は年々下がっている。厚生労働省の労働力調査を見てもよう。25歳から34歳の層における正規職員、従業員の比率は、1988年、バブル期には89%、それが2010年には74%と、15%もダウンしている。すなわち2010年には正規雇用されない割合が約25%となっている。
正規雇用が増えるほうがいい、悪いという議論はさまざまあるが、確かなことは、有期雇用で、基本的には正規雇用よりも賃金水準が低い、非正規雇用という不安定な状況に置かれている若者が増えていることだ。
15歳から24歳の次世代を担う層は、各年齢で100万人から120万人いる。合計すると、1200万人程度いる。今後、正規雇用されない割合が現在の水準と同等の25%程度だと試算すると、少なくとも300万人の正規社員としての雇用が足りないことになる。
・つまり、構造的に7、8%の非正規雇用が社会のなかに常に存在するとしたら、問題は25%の非正規雇用のうち、増えた十数パーセントという数字だ。1200万人のうちの十数パーセントと考えれば、概算で150万人から200万人。仕事に対する意識の多様性が進み、正規雇用を志向しない人が増えたととらえて、控え目に考えたとしても、10年間で100万人程度の良質な仕事が必要になるのではないか。さもなければ、若者たちが自らを鍛える場に身を置けず、せっかくの可能性の芽をつぶし、「根ぐされ」する可能性は否めない。
・先に、政府の施策は「量的」な施策にとどまっていると述べた。政府の新成長戦略で試算した創出すべき雇用は500万人、量的には十分な数のように見える。しかし、質という概念を入れた時点で、果たしてそれは十分な議論がなされているだろうか、と疑問を持たざるを得ない。
<着眼点を変え、ニッチな領域の積み上げで良質な仕事を創造>
・では、どのようにすれば良質な仕事を実際に作っていくことができるのだろうか。
100万人を10年で割れば、1年に10万人程度。これを一つの産業で吸収しようとしても、どだい無理がある。これだけグローバルな競争が激しくなった今、日本企業が向かう先は、既に終わってしまった。例えば、フェイスブック社、世界のユーザー数が10億人を超え、時価総額はゼネラルモーターズ社並といわれる同社の従業員数は、たった3200人である。
・年10万人の仕事を作り出すためには、製造業だのみの固定的な視点を捨てて、ニッチな分野に目を向けたり、既存の産業を異なる視点から見たりする努力が必要であろう。それはあらためて日本のいいところ、日本の新たな可能性を探す、「美点凝視」という作業である。
これによって、一つの産業で年に1万人程度、それが10個集まって10万人の雇用を生み出す、というような発想の転換が求められる。
・本書では、「美点凝視」によって筆者が見つけてきた「質の高い仕事の創造」の萌芽を紹介する。農業、漁業、ロボット、植物工場、サービス業など、その領域はさまざまである。衰退産業と言われる第一次産業は実は魅力にあふれ、最近は凋落が目立つ第二次産業もまだまだ力があり、すそ野の広い産業構造を作っていけるかもしれない。
・長期雇用によるサラリーマンが安定していた均一社会は、もはやそこにはない。大きさも異なるさまざまな分子が同居し、ある種の強靭さを持つ「非品質」のような社会の到来を、筆者はイメージしている。
<「だらしない成熟」をする日本に迫る社会の変質>
・次世代のために、「失われた20年」を「失われた30年」にしてはならない。次の10年何もしなければ、生産人口が大きく減少し、日本社会は本当に復活できない凋落の道を歩む可能性は否めない。われわれに残された時間は、10年である。
・このとき、重要な意味を持つのが第1章で触れた「ある程度の企業の本社が州都にある道州制」である。特徴的な産業を持ち、一定の人口規模がある町が、日本全国に興隆していくイメージだ。その産業に雇用が生まれ、プロが育っているという状況が望ましい。
・日本を再生するには、「次世代にとっての質の高い仕事の創造」が欠かせない。それが若者の将来の希望になり、少子化の改善に結びつくはずである。
「質の高い仕事の創造」のためには、われわれが発想を転換し、日本にある「美点」をあらためて「凝視」することが重要である。
そうして発見した「美点」に挑戦する若者をたくさん作り出さなければならない。シニアは彼らのサポーターになり、若者たちは旧来の「安定」を求める志向を捨てて、多様な生き方を楽しめるようになってほしい。
■■■ 私が思うこと、聞いたこと、考えること ■■■
・「人口減少社会」「少子高齢化社会」の大きな流れにおいて、日本の経済社会のネガティブな予想が増えています。過去において、「経済の奇跡」はありましたが、今後は難しいようです。簡単に排除できないネガティブな要因があまりに多くあるようです。国際的な「比較優位」性もなくなりつつあります。「失われた20年」といわれますが、各分野でサバイバルのための必死の努力がなされてきました。しかし、結果として「失われた20年」となったといわれています。このままではサバイバルをかけて必死の努力、創意工夫を向う10年間継続しても「失われた30年」になる確率が高いようです。そして社会の閉塞感がこれからも続きそうです。社会のあらゆる部門は、既に作成されたシナリオで努力していることでしょう。労働者派遣法の問題もあり、雇用についても今まで経験したことのない社会がくるようです。
・「次世代にとっての質の高い仕事の創造」という概念は「言うは易く行うは難し」ということのようです。官民一体となって「日本の再生」の計画がなされています。今まで以上に、政府にはベスト&ブライテストを一層、結集しなければならないようです。ベスト&ブライテストのテクノクラートの英知を結集した「国家改造計画」が求められているそうです。政治家は選挙民の対応に追われて、勉強ができないそうです。社会の遅れた面、非近代性、後進性、頭の古い面が予想以上に増えてきています。改革の速度も大変遅いようです。本当に優れた官僚や政治家が登用されてこなかったからでしょうか。なぜ改革が遅れているのでしょうか。それにしても、私たち一般人には、理解不能なことが多いようです。
・世界経済が、ギリシャ危機を境に悪い方向の流れを加速しつつあるようです。発展途上国や旧共産圏の経済もすでにうまく回っていません。特に、中国経済が不調になりつつあります。投資や輸出だけでは、かつての勢いを取り戻せないようです。世界の注目を浴びているギリシャ危機も、どちらの方向にいっても、ギリシャ国民には難儀で厳しい時代となるようです。それこそ凋落の道をたどるかもしれません。
・道州制も「それぞれの道・州に、それなりの規模の企業の本社が置かれるような産業を育てていかなければ、本来の目的である地方活性化にはつながらない」ということで、道州制も言うは易く行うは難しのようです。大企業の雇用拡大、中堅企業の雇用拡大も必要で、道州制も税収入やコストの観点からも検討されなければならないようです。
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