あるタカムラーの墓碑銘

高村薫さんの作品とキャラクターたちをとことん愛し、こよなく愛してくっちゃべります
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『土の記』 つらつらダラダラ雑感。

2016-12-09 00:39:24 | 土の記 雑感
多少、内容のねたばれがあるかもしれませんので、ご注意願います。


・読書期間、11/26~12/7(11/27除く)

・登場人物に「 」(かぎかっこ)の会話がないのがお見事。

・音や声の、繰り返しの効果の凄さ。
前に挙げた「うふふ。」の他に、「かっぽれ、かっぽれ」 「ランラン、ラーララン」 「サ―――」 などなどの繰り返しがもたらす、不思議な効果。

・私の体験ですが、高熱を発したときに、ちっとも脳が休んでくれなくて、意味のない言葉が、何度も繰り返しグルグル回って、浮かんでくることがあるんですよ。
その疲労度といったら、「しんどい」の一言。それと同じような感覚を味わう。

・認知症を患い始めた伊佐夫さんの、その感覚とイコールなのかもしれない、と思う。

・「新潮」では数か月後とに掲載、合計15回分の連載でしたが、数か月毎に読むと、前回の内容を忘れてしまう。
それが、認知症になり始めた伊佐夫さんと同様の状態、感覚を、そっくりそのまま疑似体験しているかのような効果があったんだなあ、と今さらながら気づく。
高村薫、恐るべし。

・近鉄特急に乗って難波へ出て、地下鉄で大阪城公園へ・・・って、逆に遠回りじゃないの? と素朴な疑問が浮かぶ、大阪市民の私。鶴橋駅も特急止まるんじゃあ・・・? それとも焼肉の匂いがつくのがイヤだったのか、久代さん。

・「新潮」での最終回の初読時に味わった、あの突き放し具合の衝撃は、今回はあまり感じなかったのは、もうしょうがない。
「初めて」の衝撃の感覚は、そのときだけのものだから、ね。
『照柿』文庫版で追加された、アレとかソレとかコレとか。
『太陽を曳く馬』の初回で、貴代子さんのことを知った衝撃とか。
同じく第2回で、加納さんが検事辞めて判事になったきっかけらしき出来事とか。(書籍では削除)


以上、だらだらつらつらと、あまり内容のない雑感を述べてみました。


それではおやすみなさいませ。
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『土の記』 第四回 (「新潮」2014年4月号) の雑感

2014-03-16 23:27:20 | 土の記 雑感
この季節はダメだ・・・。花粉症のせいで目頭がかゆくて、本を読むのもパソコンの画面を見るのも、目がしょぼしょぼして辛い。
ハナミズもズルズルだし、かみすぎて血管切れて出血するのもしばしば。
鼻の周囲の肌荒れもひどい。

・・・毎年同じような愚痴をこぼしてるな。

来月から消費税8%に上がるせいで、今月は買いだめ期間中。私の場合は、大半は本に限るんですけど。
買いそびれていた、読みたい本・本・本・・・。

『平家物語』『とはずがたり』などの古典。

皆川博子さんの 『ペガサスの挽歌』に、<皆川博子コレクション>全5巻。(当分の間、文庫化は望めないだろう・・・)

笠間書院の<コレクション日本歌人選>で、好きな歌人、気になる歌人、面白そうなテーマの本・・・。
『万葉集』『古今和歌集』『新古今和歌集』以外の勅撰集や、源俊頼の『俊頼髄脳』、藤原良経の『秋篠月清集』、藤原定家の『拾遺愚草』、源実朝の『金槐和歌集』は、手軽な文庫版で新訳で出してほしかったが、叶わなかった。

そうそう、文庫版『晴子情歌』の予備も買っておかねばならぬ。
全部買ったら破産寸前だわ(苦笑)

残念ながら消費税5%のうちに、高村薫さんの単行本・文庫は発売されませんでしたね~。


それでは遅くなりましたが、今回分の雑感です。順不同なのでごめんなさい。

・今回新しく出てきた寺社 「宇太水分神社」 (「奈良の寺社」 より)
宇太水分神社のホームページ もありました。

・フンヌエスト・ガーマエスト・エコエコ・ズンダラー・ラムラム王  
武井武雄の『ラムラム王』 近代デジタルライブラリー で、実物が読めます。 目の調子が良くなったら、私も読む予定。

・上田秋成の『雨月物語』の一編・『仏法僧』
木原敏江さんのマンガにはあったかな? なかったかな? 『雨月物語』といえば、やっぱり木原敏江さんだよねえ。

・伊佐夫の3歳年上の兄・佐野由紀夫。その妻・晴美。 一人息子・茂樹は交通事故死。
ということで、上谷伊佐夫になる前は「佐野伊佐夫」と判明。
名字と名前に同じ漢字が入ってるのはどうよ、とツッコむまい(←ツッコんどるがな!)
これを言い出すと『レディ・ジョーカー』の久保っちの名前(久保晴久)など、キリがない。

・由紀夫、七十五歳で死去。元・公務員。「へんな宗教」にはまったせいで、妻・晴美は苦労したらしい。

舟和の芋ようかん は、初めて東京地どりをした際に、家族から土産で買うように頼まれた思い出がある。あまりの行列にビックリしたわ。ついでに会社への土産にも買った。重かった・・・。
今では、大阪の主要百貨店でも買えますね。

・我が家で ユーハイム といえば、やっぱりバウムクーヘン。なので、今回出てきた フランクフルタークランツ(このページの下の方にある)は、初めて知った。

・伊佐夫と昭代の娘・陽子は、大手銀行系シンクタンクの上席研究員。
娘の名前は彩子。夫は仁史。

・昭代・久代の両親の名前は、芳彦とシズヱ。芳彦は伊佐夫同様、婿養子。
曾祖父母は、義一郎とタヱ。 高祖父母は、宗三郎とソヱ。
これもあえてツッコむまい・・・。こういう名前が、高村さんがお好きなのだと達観すべし。

高野山 奥之院 燈籠堂
若い頃、伊佐夫が昭代と訪ねたことあり。
こちらの記事 で『空海全集』を読んでいるとの発言があったのを思い出す。


次回は6月発売の7月号に掲載予定です。

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『土の記』 第三回 (「新潮」2014年2月号) の雑感 (余談もあり)

2014-01-11 22:56:30 | 土の記 雑感
来月の「歌劇」に「やしきたかじんさん、逝去」と1ページでもいいから追悼記事が載るかどうか、気になるところです。

なぜって? ツレさん(鳳蘭さん)が宝塚大劇場でリサイタルしたときに、同じステージに上がってトークや歌をデュエットしたのが、じんちゃんだから。
星組のショー「パパラギ」で歌われている、「心はいつも」 の曲を作曲したのが、じんちゃんだから。(もちろん本人も歌っている) どちらもまだ、名が売れる前の出来事です。
証拠 → 元星組娘役・そんちゃん(秋園美緒さん)の記事 秋園美緒オフィシャルブログ
私が知った限りでは、今のところ元タカラジェンヌで記事にしてるのは、そんちゃんだけか・・・? さみしいな。

ツレさんとの映像も、かなり昔の「たかじん胸いっぱい」で流れていた。 その時のゲストの朝丘夢路さん、真矢みきさんも「宝塚の舞台に男性は立ったらダメなんですよ」と驚いていたっけなあ。 つまり「男性で宝塚の舞台に立った唯一の男性」になる。

そのご縁なのか、「たかじんnoばぁ~」の第一回ゲストの一人がツレさんだった。
「宝塚の舞台に立った男が、こんなところで、終わるわけがないと・・・」と語っていたのが、今も鮮明に思い出されます。

***

前置きが長くなりましたが、2014年、最初の連載分です。
今回はほとんど伊佐夫さんメインだったので、その点では楽、でしたね。

そうそう、作品に出てくる寺社を紹介しているブログを見つけました。

「奈良の寺社」

連載1~3回に名前が出てきた、「三十八神社」  「額井十八神社」  「戒長寺」  「屑神社」 も掲載されています。
写真と丁寧な説明付なので、想像の手助けになると思いますよ。


・今回から梗概が添えられている

・軽四輪が壊れたことで、過去の出来事を思い出す伊佐夫

・娘の陽子は東京の大学を出た後、コロンビア大学に留学  すごいなあー!

・松野  自動車修理工場の三代目、伊佐夫と同年代

・野萱草(のかんぞう)  新婚時代に、この酢味噌和えが気持ち悪いと言うと、翌日天麩羅になって出てきた思い出

・修理のついでに、鯰(今回は花子の名は出てこず)を半坂へ移す

・《歩く電柱》  陽子曰く、伊佐夫のこと

・トミさん  半坂にいる、昭代の茶飲み友だち? 故人?

・近藤  松野の弟の同級生で車のディーラーをしていた。 故人。


伊佐夫の知らない昭代の一面が、また今回も・・・。

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『土の記』 第二回 (「新潮」2013年12月号) の雑感

2013-11-10 15:57:14 | 土の記 雑感
隔月ごとのお楽しみ、『土の記』の雑感です。

今回の分、読んでいて混乱しませんでしたか? 私は混乱したぞ。「えっ、これ誰? 誰の視点?」と1~2ページ前に戻ることがしばしば。
文学用語でいうところの、「信用できない語り手」とでもいうのでしょうか。そんな感覚?
「信用できない語り手」どころか「複数の信用できない語り手たち」、人物の視点と語り手が次々変わっていく。

読み手に混乱・困惑をもたらせるのが、高村さんの今回の小説のたくらみなのか? 本文にもある「1/fのゆらぎ」を、小説という手段で起こそうとしているのか?

今回分を読み終わって「曼荼羅の世界にいるみたい」と感じました。神仏の曼荼羅ではなく、人間世界の曼荼羅。


・万能鍬(まんのうぐわ)とルビがあったのでちょっと調べてみた。「万能」は「ばんのう」と「まんのう」の読み方では、まったく意味が違うのか!

・久代が遭った事故は国選弁護人曰く「おかしな事故だった」
この事件の裁判・・・加納さんが担当したらと想像しかけたが(笑)、加納さんは「民事裁判」の担当でしょう。だからこの想像は成立せず、却下。

・山崎邦彦 一九四三年生まれの67歳で死亡。

・山崎のおばあ 山崎邦彦の母。事故を起こした邦彦を案じ続けた挙句、気がふれた。 故人。

・戒長寺 真言宗御室派のお寺。 婚約時代の伊佐夫と昭代が訪れている。

・おん、ころころ、せんだり、まとうぎ、そわか。 薬師如来の真言。

・上谷隆一 「りゅういち」と読んでおく。県庁の河川課に勤める公務員。 昭代は従伯母(じゅうはくぼ)にあたる。 

・倉木吉男 昭代の妹・久代の夫。倉木建設の経営者。 「よしお」と読んでおくが・・・またよしおか、とツッコんだらダメよね(苦笑)
二人の孫の名前はアリサと判明。 またアリサか、とツッコんだらダメよね(苦笑)
(『冷血』読んだ人なら分かるね? このツッコミ)

・栂野 倉木吉男の従弟。土木会社の経営者。

・伊佐夫、前回とらえた鯰を「花子」と適当に命名。

・なぜ昭代はあのときあの場所にいて、事故にあったのか? この謎は解かれるのか? 


余談ながらラストから2ページ目の下段に、『太陽を曳く馬』の広告が挿入。


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『土の記』 第一回 (「新潮」2013年10月号) の雑感

2013-09-15 22:04:39 | 土の記 雑感
若干名のみなさん、大変長らくお待たせいたしました。
新連載『土の記』の雑感を脈絡なくつらつらと綴ります。

いやー、それにしても予定が狂った。一昨日の金曜日にアップしようともくろんでいたんですが、昨日の土曜日、いきなり休日出勤になりましてね。まったく、悪天候の今日でなくてつくづく良かったんですが。


どういう形式でやろうかとあれこれ考えたんですが、連載初回で物語は始まったばかりですし、隔月連載のようですし、それでも1~2年は続くかもしれないし・・・。
こちらが気負ってもしゃあないので、新しい高村薫作品の世界に身を委ねてまいりましょう。
いつものように、箇条書きで淡々と。


・まるで漆を何度も何度も重ね塗りして作り上げたかのような、丁寧な文章と表現の積み重ね。

・就寝前に読んだら瞬く間に眠気に襲われるほど(苦笑) 不眠で悩んでいる人にはおススメ(←ちょっと!)

・『太陽を曳く馬』連載時もそうでしたが、「新潮」の他の掲載作品と比べても文字フォントは小さいし、ページにびっしりと文字が埋められている。

・場所柄、読み始めてからふと頭に浮かんだのが、約2年前の奈良・和歌山の台風の被害。 そして中上健次の作品か(中上健次は読んだことはない)

・主人公・伊佐夫、(多分)72歳。 婿養子。 地質学部出身、縁故で葛城のシャープに就職。

・伊佐夫の名字は「上谷」でいいのか? ルビが振ってないので不明だが、私は「かみや」と読んでおく。 皆さんはどう読んだ?

・今回の高村さんの「苦手なもの、興味のないもの」は、地質学関連なのだろうか? 「土壌モノリス」「B層、C層」「10YR7/1、もしくは7/2」・・・。

・妻・昭代は故人。 一人娘・陽子は結婚して東京在住、夫婦仲は良くないらしい。高校生になった孫娘がいる。

・妻・昭代の妹・久代。 アリスかアリサという名の孫がいる。

・山崎邦彦。 昭代をダンプカーで轢いた男の死。

・他のキーワード  垣内(かいと)  鯰


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