か ら け ん


ずっと走り続けてきました。一休みしてまわりを見ます。
そしてまた走ります。

「祖先」(イタリア語)という名前のディナー店

2017年07月14日 22時37分51秒 | 食・レシピ

人生に一区切りついてやっと振り返る余裕ができた。

僕にとっては、人生というものがちょっときつすぎたなと思う。それでも僕より幸せな人が、要領よくこそこそ利権にしがみつく中、できる限り卑怯者、悪人をたたいてきたつもりだ。

そこで僕はプレゼントをもらっていいのではないかと考えた。人生のプレゼント。僕からのプレゼント。

僕はお店の紹介屋ではない。よくない店は皆さんが被害に遭わないよう詳しく書くが、美味しかったところは自らの努力で探すのが良い。いいとこどりをして食べログを見てどこか行こうというのは下賤の民のタダ精神、生活保護の不正受給と同じだ。

なあに、食い物屋ぐらいそんなにムキにならずともみんな美味しいところを紹介しあって…ばか。そんな酩酊した脳ではよい店に行きあたりもしない。

とんでもないことを考えるな。コース料理を考え商品、材料を選別し原価計算、仕込み、客をこっそり見て総合的に好みを判断し…と大変な作業をしているのだ。ところが、食堂のほとんどがいつの間にか消える。それは上の行に書いた研究心が足りないからだ。伝統とやらに甘んじ、独りよがりのおいしさに甘んじ、のぼせ上がった奴は私の味を理解しない客が悪いと言い出す始末。バカもここに極まる。

思い付きの、独りよがりの、悪い頭で始めた店もネットに載ると何とかなる。ただし半年ぐらい。生意気にも値段だけは一人まえだ。

そんな店をたまの休みに慌てて検索をかけ、いってみて失望する。バカはやめて自分の目と舌と足で探るべきだ。

確かにこの手の高級店は、気絶するほどのカネを取る。それがなんだ。うまくないラーメン200杯より、イタリアのディナーがいい。安いもんだ。

人のカネで交際費とかで料亭に行くやつらの舌に負けたくないものだ。現役時代は年を増すにつれ誰でもそうだが、お呼ばれの席が増える。それは卑怯な飯だ。どんなに高級でも乞食飯だ。退職してうれしかったのはもう乞食飯を食わなくてもよくなったことだ。

 

魚はイッサキが出た。ソテー。タイも少し。色合いを考えソースを考え皿に描かれている。野菜に隠れる姿は海藻の中にいるイッサキそのものだ。ライスボールはイカ墨で包んであった。いい発想だ。

日本料理は写実が基本であるのに対し、イタリアはデフォルメされシュールになり、そのものの姿はないがなぜか海やヒマワリや夏を感じた。一回二回じゃなく毎日盛り付けの発想を変えるには相当の修練がいる。

コースも半分を過ぎると、イベリコだ、とっておきのハムだ、黒毛何とかだと言われても、満腹中枢のAlartのが鳴り出した。マルゲリータはよしてパスタでよかったかも。

またどっさりのデザート。チョコが本物だ。粉っぽいし甘くないチョコはしばらくすると鼻腔に高級感を教えてくれる。皿が浅いのはゆっくり見て楽しんで食べるためだ。

 

貧乏人は食うのが早く、器も食いやすいように深く、炭水化物でごまかす食事は悲しいかな量が単調に多い。ここアンテエナートの皿はほぼ平面だがカトラリーは音を立てない。食堂はコンサートと似ている。みんなで作るものだ。だが個室はもっといい。夜がいい。僕は楽しみの半分ぐらいは帰りにいただくおみやげだ。

昼間の方も上品だ。見ただけで佐賀県の人ではないことが分かる。よい服と着こなし。両者を佐賀県でそろえることはできない。佐賀県が得意なのは当て逃げだ。

 

店の向かい側にある雑貨店は安売りの品があり女性には楽しいはずだ。old noritakeやルーマニアの花瓶があった。チャウチェスクの時代だ。僕は買わない。赤と緑のセットのコーヒーカップがあった。クルマの色もそうだが、絶妙な色は日本車にはない。永遠に無理だ。なぜなら違いが見えてないから。

食堂も同じだ。どんなにまねしようと思っても見えてないもの、味の違いを感じてないものはまねできない。

だからそこらのラーメン屋の婆がテレビを見ながら作ったラーメンが上品な空間のビシソワールをしのぐはずがない。

カップルで行けば万札では足りないが、それが男の甲斐性というもんだ。

静かだ。つまようじシーハシーハもいない。そこらの場末のモーテルに行くよりちゃんとした服を着てちゃんとした車で出かけるのはいかがかな。

 

 

 

 

 

 

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