河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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2388- ばらの騎士、ヴァイグレ、読響、2017.7.29

2017-07-29 23:39:00 | オペラ

2017年7月29日(土) 2:00-6:00pm 東京文化会館

国内6団体 プレゼンツ
シュトラウス 作曲
リチャード・ジョーンズ プロダクション Glyndebourne Festival Opera Production
ばらの騎士 originally performed in the Glyndebourne Festival 2014
66′ 51′ 56′

キャスト(in order of appearance)
1.マルシャリン、林正子(S)
2.オクタヴィアン、小林由佳(Ms)
3.オックス、妻屋秀和(Bs)
4-1.ヴァルザッキ、大野光彦(T)
4-2.アンニーナ、石井藍(A)
5.歌手、菅野敦(T)
6.レオポルド、光山恭平
7.ファニナル、加賀清孝(Br)
8.マリアンネ、栄千賀(S)
9.ゾフィー、幸田浩子(S)
合唱、二期会合唱団

セバスティアン・ヴァイグレ 指揮 読売日本交響楽団


幕が開くと、ど真ん中奥で朝シャンするマルシャリンから始まる。衝撃的と思う人もいればそうでもないと思う人もいるだろう。壁上の劇中時計は朝の8時半を指している。そこからスタートし、第1幕が終わるころには9時40分。この70分ほどでこの劇、時間通りに第1幕を終えたことになる。パンクチュアルな進行に違和感はない。ジョンジーモードか。

印象に残ったのは、全幕通して、ドレスアップしたマルシャリンのそのドレスや動きがどうもマネキン風だなぁ、レプリカント風だよね。といったことや、3幕での全員ダンシングはスリラーの写しみたい。そういったことが目につく。奇抜なところは散見されるが想定内、添え物としては面白い。

大きく仕切られた2幕での絨毯はその模様にステージ前から奥に縦ラインが入っている。おそらく遠近法錯覚で奥に行くほど狭まっているとは思われる中、手前でゾフィーとオクタヴィアンが向き合って、ひとめぼれシーン。そして前後に揺れる。その揺れ具合が絨毯の縦ラインと非線形なゆがみとなり、それがお互いの揺れる気持ちを巧妙に後押ししている。ジョーンズの作為はこういったところまで考え抜かれているのだろう。とりあえず、サイド席からだとわからないといった話は別のところでしないといけない。

3幕、角部屋風に仕切られた居酒屋、ソファが突き出てきてベッドに早変わりするアクセント。角を中央奥に配したセッティングでは左右の壁が斜めに前方にメガホンのように広がってくるので音の通りが、1,2幕と明らかに違う。
1幕でのオックス妻屋は精彩を欠いているのか、早口なシュトラウス歌を扱いにくそうにしているように見受けられたのだが、この3幕では一変、前に声が出てきて活力が増してきた。遅きに失したところはあるものの。

この3幕の舞台はブルー系中心で大変に柔らかい感じ。暖かみさえ感じさせるもの。曲線というほどではないのだが、シャープな作りを極力排した居酒屋。音響にも相応な影響を与えていたと思う。結末の重唱が頻発するシーン、ここ、納得の舞台でした。

無料プログラムには堀内さんの解説や、ジョーンズとエリソンの対談が載っている。階級の話や男性社会の話題がある中、ジョーンズのトークはいまひとつポイントをつかめないけれども、西洋の没落はお互いの阿吽の呼吸の中に隠されているのだなといたく感じた。

ほぼオールジャパニーズのキャストのバラ。オクタヴィアン小林は冒頭から声の出具合も動きもいい。ズボン役が女装するという逆説的なあたりも含め最良な出来だったと思います。マルシャリン林は危なげないという感じ。
1幕でのオックス妻屋はさっき書いたようにあまり聴こえてこない。早口の歌過ぎるのかもしれない。
場がゴチャゴチャしてきてテノールシンガーによる歌唱が始まるが、まわりの雑然とした中に埋もれてしまい冴えない。ここはひとつ日本最高峰のテノール歌手を出して破格の斉唱を聴かせてほしい。これはそういう趣向のオペラですよ。
日本最高峰は誰なのか、とりあえず第九出演回数が最も多い方でもいいです。

3幕でのオックス妻屋は大きく声が出て動きも良くて、彼の洒落た劇も楽しめた。尻つぼみ的に去るオックス。ああだこうだと言わず全て飲み込み去る。後先を考えて規範行動をする。西洋の没落も近い。

残った女性陣による三重唱、二重唱、美しい重唱が奏でられました。あまりに綿々と流れる音楽。

ジョーンズ・プロダクションは色々と面白い。これでこの作品を終わらせてはいけない。別の角度から光をあてた演出を観たいものだ。

昨年の今頃、読響を振ったヴァイグレ。

2167- ヘーヴァー4LS、ヴァイグレ、ティル、家庭、読響、2016.8.23
2171- モツクラ協、オッテンザマー、ブラ1、ヴァイグレ、読響、2016.8.27

オペラの棒はこれまで観たことがあったかどうか今記憶にない。個別インストゥルメントへの指示はほぼ無い。舞台の上の歌い手への指示も無い。両腕で全体フレームを作っていく。既にそこに上質のオペラハウスのオーケストラがあって毎晩伴奏をしている、そのようなオケを前にしたような指揮ぶりだ。
テンポ移動は歌の変わり目で大きい。デリケートな歌唱での動きは理にかなったもので目立つことはない。自然な流れ。

オーケストラはあまりよろしくない。指揮者のせいとも思えない。2幕弱音パッセージでのティンパニのずれは頻繁で緊張感無く、他楽器にもザッツずれ感染。もう少し丁寧に演奏して欲しいものだ。指揮者のほうをまず見るべきと思います。
全体に普通の出来。ホルン日橋はじめ濃厚なフレーヴァーが欲しくもあるが、そこらあたりのことは指揮者の匙加減かもしれない。コンマスは萩原さん。
おわり







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