河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2117- トルコ風、渡辺玲子、幻想、ラザレフ、日フィル、2016.5.14

2016-05-14 23:39:27 | コンサート

2016年5月14日(土) 6:00pm みなとみらいホール

モーツァルト フィガロの結婚、序曲  3′

モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219 トルコ風  10′10′9′
  ヴァイオリン、渡部玲子

Int

ベルリオーズ 幻想交響曲  15′7′17′5′10′

(encore)
ビゼー  第3幕への間奏曲  3′

アレクサンドル・ラザレフ 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団


日フィルの柔らかめサウンドが心地いい中、ストレートなラザレフ棒がドラマを繰り広げるかと思いきや、いつぞやの猛速ツァラが2回演奏できそうなぐらいのスローなテンポでびっくり。幻想1楽章はリピート有り、第4楽章はリピート無しの進行でしたけれども、ラザレフのもっているベルリオーズ感のようなものをたっぷりと味わいました。
みなとみらいホールに澄み切った高弦がきれいに空間を感じさせる輪郭で響き渡るさまは、いつも聴くようなベルリオーズサウンドとはちょっと違う。心身までよどみなくクールダウンさせてくれる。味わい深いもので静寂にもオーケストラを聴く醍醐味を味わえるものと実感。このオーケストラの柔らかい音の具合がいい。
テンポ設定だけでなく随所に独特なところありました。第3楽章のオーボエはしもてのドアを開けて奥で吹く、これはだいたい誰が振ってもこうだが、終楽章転がるような音型でクレイジーな宴を始めるクラリネットの短いソロ、本当に短いものですけれども、かみてのドアを開けて奥で吹く、この趣向は初めて見ました。ラザレフのこだわりなのか。グロテスクな宴は最初はおとなしく、みたいなところか。
それから、1,2,3楽章と、おとなしくしていたブラスは4,5楽章とアドレナリン全開となるが、トロンボーン、チューバをはじめトランペットまで、頭にアクセントつけてバシバシやるのではなく、レガート気味にかなり長めに伸ばし切った吹奏で、あきらかな指示。まぁ、ここらへんは、ねちっこくやにっこく感じる人もいるかもしれない。好き嫌い出ますね。他の指揮者でも同じようにやる人、いたと思います。思い出せませんけど。
幻想はロシアの指揮者が振ると結構スローになる気配はありますね。1時間かかるアーロノヴィッチ、それからロジェストヴぇンスキーもやにっこくスローだった記憶。ロシア物とだいぶ様相が異なる。とはいえ、ロジェヴェンの振るハルサイなんかもモタモタとおそい。ラザレフのハルサイも体験したくなります。
それと、同じく終楽章での鐘2個、しもてサイド、ホルンの後ろに陣取ってきれいな鳴りでした。ホルンと言えば、読響に移ったはずの日橋さんが吹いていましたね。ラザレフの時はいつも出ているような気がするのですが。

1曲目はフィガロの序曲、なんと16型編成での猛速結婚。プレイヤーたちの腕慣らしもかねてのことか、それにしても巨大なサウンドでせわしない序曲がブンブン鳴る、これもオーケストラを聴く醍醐味です。ラザレフ棒ならではの演奏ですね。

トルコ風はしなりのある艶やかヴァイオリンが魅力的。渡辺さんは年代的には少し違いますが、昔からなじみがあります、演奏家と聴衆、思いはこちらの勝手ではあるのですけれども、なにか一緒に歩んできたように感じるプレイヤーいるものですね。
渡辺さんは在住の地の雰囲気を漂わせてくれます。いい演奏でした。

幻想は全体のバランスとか構造感、対称非対称うんぬんかんぬんといったあたりのことを忘れさせてくれるアンバランス感、といってしまうとバランス想定の言葉になってしまいますけれども、デフォで持っているような些末な知識レベルではあるがそういった事を忘れさせるような大胆な力をやっぱり感じます。息の長いフレーズが断片に聴こえてくる面白さがありますね。ラザレフが色々と趣向を凝らしてくれて、結果、スローではありましたが、やっぱり、スタンスはストレートなのかなとあらためて思ってしまいましたね。

アンコールがあって、これは出番の少ないハープへのラザレフからの気遣いだったでしょうか。
楽しい演奏会でした。ありがとうございました。
おわり


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