河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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2106- フィリップ・グラス、ヴァイオリン協奏曲第2番「アメリカの四季」、ドミトリ・マフチン、2016.5.3

2016-05-03 14:39:58 | コンサート

2016年5月3日(火) 11:45am ホールC、東京国際フォーラム

フィリップ・グラス  ヴァイオリン協奏曲第2番「アメリカの四季」
プロローグ  2′
第1楽章   6′
ソング1   3′
第2楽章   9′
ソング2   2′
第3楽章   7′
ソング3   2′
第4楽章   6′

ヴァイオリン、ドミトリ・マフチン
リュー・ジア 指揮 マカオ管弦楽団


これまでLFJ公演は見たことがなく今年が初めて。ごみごみした印象がありましたが勝手知った丸の内~有楽町、ゴールデンウィークの真ん中5/3,5/4,5/5、時間もとれたので出かけてみることに。ピックアップ公演はおまかせではなく、お好みで。
初日のこの日はいろいろ聴きたくて4公演参加。4公演といっても1公演は通常のコンサートの半分ぐらいの長さで、前半か後半だけ聴く感じ。気持ち楽だが、かなり割高。コンサート専用会場でもないと思うので音響はどうなのかなと。以前、会社がらみでこのフォーラムのホールに集合したことがありましたが、その日は雨で、雨が当たる音が聞こえていました。どのホールかは覚えてないのですが。だからかどうかあまりいい印象はないです。

と言うことで初日の初聴き公演はフィリップ・グラス。
2009年の作、最近のものをこうやって生で聴くことができるのは最高です。内容も最高でした。グラスがあまり気張らず作曲の技法に余裕があるというか自由自在に、あまりてんこ盛りせず、ゆるりと作り込んでいる。
何やら、最初から最後までずっとヴィヴァルディの四季が譜面のどこかに潜んで鳴っている気がする。ヴィヴァルディの明るくて躍動的なリズムとグラスのやや柔らかいボンネット風なミニマルなリズムが融合して調和している。ベースとチェロが支えるグラス・リズムが充実していて、オーケストラのサウンドもわくわくと魅惑的。
曲は楽章が進むごとに明るくリズミカルになる。春夏秋冬は好きに判断してくれとの作曲家の意があるようですね。聴くほうとしては副題、アメリカの四季を感じながら探り当てるというよりもシーズンのフィーリングを楽しむ感じで。
マフチンのヴァイオリンサウンドは体躯に比して殊の外、厚みのあるもので隙間なく濃い。室内楽編成のオケサイズですので音がかき消されることもない。自己主張とオケとの融合、両方ともにうまくバランスとれている。また、弾いている時もそうでないときもマフチンの動きはグラスのミニマルに乗った感じで、派手ではないが身体ノリノリのリズミックな雰囲気がジャストフィットしています。このノリで弾くヴァイオリン、最高でした。

曲構成は4楽章。間にプロローグとソングが挟まります。これはヴァイオリンのソロで、それぞれ次の楽章への前出しイメージで楽章へはアタッカで入るので、最初のプロローグはこれがソング1という感じですね。
ソング1+第1楽章、
ソング2+第2楽章、
ソング3+第3楽章、
ソング4+第4楽章、
こんな風に聴きました。 
楽章が進むにつれミニマルが浮き出てくる。リズミックな強調が積分的に滲み出てくる。気がつけばグラスの世界にどっぷりとはまっている。最後までヴィヴァルディの四季が鳴っていましたね。

指揮者は一見、横柄な風情ですが、棒の方は割とストイックといいますか、小さな動きにもオーケストラが倍ぐらいの幅で反応していましたので、相応のやり手だと思います。オーケストラのアンサンブルもいいものでした。

ホールCは1494席。小振りながら3階まである。横幅があまりないのが良いですね。1階席前方で聴きました。締まったいいサウンドで、焦点も出ている。良かったと思います。
おわり


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