河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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2366- ベトソナ11,23,30,31、6変、エロイカ変、浜野与志男、菊地裕介、田部京子、2017.6.18

2017-06-18 23:02:09 | リサイタル

2017年6月18日(日) 2:00‐5:40pm 一橋大学兼松講堂

オール・ベートーヴェン・プログラム

ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調  6-9-4-6′
ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調 熱情  10-7+5′
  ピアノ、浜野与志男
(encore)   2′

Int

創作主題による6つの変奏曲ヘ長調  13′
≪プロメテウスの創造物≫の主題による15の変奏曲とフーガ変ホ長調 23′
  ピアノ、菊地裕介
(encore)   5′

Int

ピアノ・ソナタ第30番ホ長調  4-3-14′
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調  7-2+11′
  ピアノ、田部京子
(encore)  3′

ナヴィゲーター、インタヴュワー、西原稔


ベートーヴェン6曲を有名どころ3人で2曲ずつ、アンコールそれぞれ1曲ずつ、このエキスだけで2時間半近く。ナヴィゲーターによるショート解説と3人へのインタビュー、それに2回の休憩含め、3時間40分ロングのリサイタルとなりました。お話も含め大変に充実した内容でした。ガラス窓から外の小雨模様が見えるホール。カーテンを閉めることなく外から緑の明かりが入り込む。

浜野さんのベトソナ11,23からスタート。
11番。ソナタ強固でヘヴィーな曲。全体的に明るい曲、非常に充実した手応え十分なものでいきなり大曲からスタートで聴く方も構えがいる。
浜野さんは息を整えて、終始落ち着いた演奏で技もさえる。粒立ちの良いフレーズがきっちりと弾かれてゆき構造が照らされる。素晴らしい。後半2楽章はさらにさえ渡る。
3楽章のキラキラするメヌエット、終楽章ロンドのデリケートな中にきらりと光る鮮やかな響き。光沢、フレッシュ。

熱情も同じスタイル。終楽章は攻めきれずのところがありましたけれども、この楽章は正確な流れが快感。2拍子16分音符の正確な流れ。突進力、勢いよりも自然で正確なスタッカート気味の粒立ちが上回る。
第1楽章の谷から山へのクリアな動き、一歩抑えた運命動機。アダージョ楽章のコラール風味のきれいなハーモニー。全て音符のクリアな響きが心地よい。

2月にオペラシティのリサイタルホールでB2Cの企画で弾いたのを聴いたばかり、今回はベートーヴェンで、なるほどあのような切り口でのベートーヴェンかと納得。

2279- 浜野与志男 ピアノ・リサイタル、2017.2.21


二人目は菊地さん、黒の軽装。お初で聴きます。
既にベトソナ全の録音もしていて、力んだところが無くて自由自在な気持ちで作品にあたっている。一仕事やり終えた達成感からくる視野の広さというか広がりの実感が心に余裕をもたらし、幅広な視点に立ったプレイが出来るのだろう。変奏曲2曲果てしも無く続く妙技。
プロメテウスはソナタ1曲分の規模になる大掛かりなものでストレートな進行の作品ですね。変奏曲、大スケールのフーガ。圧倒的な演奏でエロイカの突進力が目に浮かぶ。徐々に大きくなっていくその傾斜が見事なプレイで表現されて圧巻でした。素晴らしい演奏でベートーヴェン満喫。
6つの変奏曲は各ピースが3度ずつ下がっていくもので、それに他の変化もあって創作料理のようなものか。そんな感じで聴けば興味は色々とつながっていく。ガラスの窓のホールの響きの良さが実感される作品と演奏でした。

それにしても2曲で40分近く。本当にデカい曲。こちらの気持ちも緩みません。


三人目は田部さん。最近の記憶はありませんが、以前聴いているはず。
30番31番。まずは鮮やかというしかない。きれいな指使い、きれいな音。全てがピュア。それに姿勢が凄く良くて、なにか正しさの極みを見ているような気持ちになってくる。
31番は終楽章のフーガのあとのフィニッシュの仕方が人間技を越えていると思う。2回目の嘆きの歌の直後にコラールの響きが始まりフォルテまでもっていき、技を駆使したところで極限フィニッシュ。唖然とする素晴らしさ。ベートーヴェンの閃きここにあり。
第1楽章の頭、なにか、途中から始まったようなその冒頭、ここで既に嘆きの歌は感じられる。それが田部さんの指使いで美しくも枯れたような押しで開始される。ピュアな響き。
スケルツォは30番と31番ともに短くてすっと始まってすっと終わるのだが、鍵盤の叩き強調のようなフシは最後まで、やっぱりベートーヴェン、ですな。
30番終楽章は変奏曲でこの作品の中核。きれいなタッチで次々と現れてくる変奏、田部さんは姿勢が良くてぶれがない。演奏にもそういうところがきっちりと出ますね。端正というのではなくて華麗というあたりが、やっぱりいいですね。
31番終楽章はフーガ、最初に書いた通りですけれども、音を確かめるように弾く田部ピアノは心の落ち着きが見ていてわかる。ジワジワとくる高まり。鮮やかな弧を描いてフィニッシュ、素晴らしすぎる。


各ピアニストのプレイ前にナヴィゲーター西原さんの解説、そして2曲終わってアンコール前にピアニストにインタビュー。すっきりしたもので中身の濃いもの。4時間近くの公演でしたけれども全部楽しめました。充実のリサイタルありがとうございました。
おわり







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