河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1693- 火の鳥、ペトルーシュカ、春の祭典、ヴァレリー・ゲルギエフ、マリインスキー2014.10.15

2014-10-16 02:12:03 | インポート

2014年10月15日(水)7:00pm サントリー
.
オール・ストラヴィンスキー・プログラム
.
火の鳥 1910年全曲版 48′
Int 20′
ペトルーシュカ 1911年原典版 35′
春の祭典 14′+18′
(encore)
リャードフ バーバ・ヤガ 3′
.

ストラヴィンスキーのバレエ音楽、3曲全部全曲やるというとんでもないプログラム。正味だけで2時間、休憩やらなんやで、ほぼ3時間コンサートというのがやる前からわかっている。ゲルギエフ、マリインスキーの底なしの底力をまた見れるのか、聴くほうもそれなりの覚悟がいる。
.
ゲルギエフはライブ演奏で聴衆と結びついていくタイプの指揮者で、長い演目を自在に操りながら、だんだんとヒートしていき、最後は演奏家と聴衆が音楽芸術の共有化をはかることになる。最終的に気持ちの共有化が図れればいいので全部完璧とか、そういったことにはあまり興味が無いと思う。最初から微にいり細にいり入念にやることは大事かもしれないがそれによって双方に何が得られるのか、といったあたりに観点がありそう。ライブの一点でのつながりを双方感じることが一つのテーマになっていると思います。この強烈3連発も、まず全部全曲をやるというメインテーマが、なにがしかの意思の反映としてあるはず。そのやる気魂で作品、演奏家、聴衆の三者一体を感じ取れる、ゲルギエフにとっては、意図を成し遂げる意思、それらを聴くほうも、だからそれなりの覚悟がいるわけです。
.
火の鳥全曲版はこの4月に初めて生聴きしました。
ヤマカズ、日フィル2014.4.25、2014.4.26
前半部分を中心になにがなんだかさっぱりわからず面白みもなかった印象ですが、一度経験してしまえば今日の日のようなコンサートがあっても割と余裕で挑めそうな気になります。
そうゆうこともあり、火の鳥は50分という長い曲ですが楽しめました。ゲルギエフの駆り立てる棒はまだ穏やかなものですが、オーケストラの引き締まり具合はいい。今回の来日公演は初日からあまり芳しくない噂が流れてきましたが、だんだんと調子を上げてきたのでしょう。張りがあり例によってぶ厚いベースの響き、強靭そのもの。ロシアのオーケストラ特有の響きですね。
踊りが加われば前半部分の弱音重視の流れのあたりももっと楽しめたかもしれませんが、繊細さと後半へのアクセル、そして変幻自在の音色、圧力と音色変化、楽しむことが出来ました。クライマックスは強烈なサウンドでした。
礼の爪楊枝は前回来日のときより少し長め、串焼き棒ぐらいまで伸びてました。ケースのようなものに入れるところも確認。
.
この火の鳥で休憩。プログラムではペトルーシュカのあと休憩となっていて、変更する旨ロビーに出ていました。そのヘビーさからかマイナーチェンジとなった可能性がありますね。
前半の火の鳥は総じてゆっくり目のテンポだったと思いますが、後半はスピードアップ。
.
後半2曲は踊りが無くても十分楽しめます。ペトルーシュカは好みの曲、マリインスキーのサウンドは線が太め、細いアンサンブルが絡み合う妙とは少し違います。骨太に進行する。ソロ・インストゥルメントはさすがにきっちり決めてきます。
雰囲気的には前半の火の鳥のフィナーレをひきずっているようなところもありますね。極端な透明度があれば最高だったと思います。それでも踊りが目に浮かぶような多彩な表現にはビックリ、そして感心。
.
ペトルーシュカが終わり、指揮者が2,3回出入りして挨拶する間に位置替え、それがなんとなくまだ終わらないうちにバタバタと春の祭典が始まりました。何をそんなに急いでどこに行くという感じですが、そもそも長い演奏会ですのでいたしかたが無いところはあるとはいえ、そのバタバタそのままのような猛速ハルサイとなりました。トータルのタイミングだけ見てるとそうでもなく感じるのですが、テンポの緩いところはかなり落としています。アップテンポのところは、同じロシアのロジェストヴェンスキーに比べたら倍速ぐらいになっていた個所もあったかと思います。1拍子振りも散見されましたし。
ということで初めは少し騒々しいところもありましたが。少しずつ整ってきて落ち着きました。
最後は底力的爆発力で昇天。
.
今回の来日公演は国内10回公演ですが、プログラムの演目が13曲ありました。全く同じプログラムという日は無く、毎回変わっていく。これはすごい。ゲルギエフのライブにかける意気込みはいつもこんな感じ。めくるめくプログラムに聴衆サイドもものすごい緊張を強いられるわけです。一緒になってのめり込んでいくしかないわけです。
大変なものを経験させてもらいました。
ありがとうございました。
おわり
.
付記:この長さに加えアンコールがありましたから本当にすごい夜となりました。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。