河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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2421- 神々の黄昏、新国立、飯守泰次郎、読響、2017.10.4

2017-10-04 23:50:18 | オペラ

2017年10月4日(水) 4:00-10:00pm オペラパレス、新国立劇場、初台

新国立劇場 プレゼンツ
ワーグナー 作曲
ゲッツ・フリードリッヒ プロダクション
New production for opera-palace originally based on Finnish National Opera 1996

神々の黄昏  38+77、68、80

キャスト(in order of appearance)
1-1.第1のノルン、竹本節子(Ms)
1-2.第2のノルン、池田香織(Ms)
1-3.第3のノルン、橋爪ゆか(S)
2.ブリュンヒルデ、ペトラ・ラング(S)
3.ジークフリート、ステファン・グールド(T)
4.ハーゲン、アルベルト・ペーゼンドルファー(Bs)

5-1.グンター、アントン・ケレミチェフ(Br)
5-2.グートルーネ、安藤赴美子(S)

6.ヴァルトラウテ、ヴァルトラウト・マイヤー(Ms)

7.アルベリヒ、島村武男(Br)

8-1.ヴォークリンデ、増田のり子(S)
8-2.ヴェルグンデ、加納悦子(Ms)
8-3.フロースヒルデ、田村由貴絵(Ms)

合唱、新国立劇場合唱団
飯守泰次郎 指揮 読売日本交響楽団

duration
序幕+第1幕第1場+2場3場 38+35+42
第2幕 68
第3幕 80


前3作の感想はこちら。

1999- ラインの黄金、千秋楽、新国立劇場、2015.10.17

2199- ワルキューレ、三日目、新国立劇場、2016.10.8

2358- ジークフリート、飯守泰次郎、東響、2017.6.7

序幕、ノルンたちが太い綱をもぎ、歌い終える前に被さるようにブリュンヒルデが現れる。切れかかった綱をブリュンヒルデがさらに千切る。
第3幕結末、狂ったブリュンヒルデはギービヒ家に火をつけ、それがヴァルハラのお城まで延焼。大きめの白い布に隠れたブリュンヒルデ、リング最後の一節は布を取り払い、腕を広げた彼女を音楽が取り巻きながらエンディング。
おお、何やら次がありそうな気配、と感じさせながらワーグナーの飽くなき咆哮で、とりあえず、リング・サイクルは完結したのだろうかと思わせぶり感を漂わせながらの終止。

序幕で早めに現れたブリュンヒルデに次いでジークフリート登場。ドーン&ラインジャーニーのシーケンス。ここにハーゲンが現れる。
ブリュンヒルデもジークフリートもハーゲンも、みんな早めに出てくるのだな。
ハーゲンのペーゼンドルファー、このキャラの合い具合ビッタンコです。全身、悪という感じでそうとうに濃い。
主役2人はこの序幕では声が出ておらず、頂点のひと声のみはきっちり決めるというプロならではのツボ技。グールドの倍ほど開けたラングの口は怖ろしい映画をこれから見るような気持ちとなる。

早めに現れた3人衆の展開だが、1幕への場面転換のところで一度薄幕が下りる。2場に移る前も同じく幕が下りました。あとは、第2幕の悪だくみ三重唱の前で一度下りて、その手前で歌うというところがありましたが、他では明確な場面転換は無し。
他場面にももげた綱が床にある、セッティングは基本のところは動かずでスタティックな印象。第1幕がバタバタしなくて、いいですね。


第1幕は、既にいるハーゲン、それにソファーかベッドかわからないが半月形の傍らにグンターとグートルーネがいちゃついて座っているという兄妹H愛を感じさせるもの。あとで、グートルーネにハーゲンがまたがるシーンもあるので、この3人ともあやしい関係でしょうな。そこに双子親の息子が出てくるわけだから、もはや、近親そうかんクローズアップ。
こういったワンシーンが展開に大きく絡んでくるという事では必ずしも無いと思うが、色々と舞台上に動きがちりばめられており、劇としての振幅が大きくなっている。舞台セッティング、小道具、人物の動き。特に動きへの配慮が細やかで練られた劇の面白さがよく見えるものとなっており、前3作で感じた古さのようなものを今回は全く感じなかった。刷新された印象。

キャラ決まりのハーゲンペーゼンドルファー、バスの声までに憎々しいほど冴える。そしてグンターのケレミチェフ、殊の外よくとおる声でザラッと雰囲気を醸し出す。役的には受け身のものでその細身の体躯がどことなく弱々しくて優柔不断、これまたビッタンコのキャラなんですが、出てくる声は強い意志を感じさせるもの。
グートルーネの安藤さんは周りの男どもといちゃついて欲しくないという願望を感じてしまうほどの見事な身のこなし、巨人族ぞろいのなかにあってスキニーで優雅、歌が映える。
グンター、グートルーネ、ともに印象的であとあとまで残るものでした。良かったですね。
ここでいったん、幕。

第2場はワーグナーがストーリーを展開させるところ。忘れドリンク。
ハーゲンペーゼンドルファーの悪役っぷり、見事なモノローグ。滑るように第3場へ。
マイヤーの登場なんだが、頭のひと声デカい、姿見せず天井からものすごい声、PAかけすぎだと思う。オケコンサートで聴衆席から鳴らすバンダを探す客、みたいな雰囲気になりましたから。登場後はそれもおさまって、彼女の歌をじっくりと楽しめました。ここらへん、余計な心配せず、楽しむという事がポイントですね。
序幕では声が出ていなかったラング。この第1幕ではステージの前の仕切りの前まで出て来ての熱唱、圧唱。尋常でない激しさで、狂いっぷりの先倒しみたいなモード、激しい。

第2幕、合唱とオーケストラが圧巻。声がかたまって前に出てくる合唱の圧力。読響のびっしり詰まった正三角錐音場、双方絡まり、圧巻。
悪だくみ三重唱、お三方の位置関係がいいですね。途中幕が下りその幕の前で歌う。もう一度幕が開き、カップル×カップルの構図が出来つつも、見るところは別というストップモーションがビッタンコと決まりまくり、エンド。お見事。

悪だくみ三重唱、オペラの醍醐味満喫。ブリュンヒルデのラングはますます冴えてきて、もはや、狂気に両足を突っ込んでいる。鬼気迫るラング歌唱。エキセントリックな味わいが濃厚になってきた。第2幕、急カーブ、エキサイティング。


終幕。抜けるようなホルン。そしてすぐに、尾を引く様に第2幕のフレーズ。終わりそうで終わらない。
おとなしくしていたグールド、槍を突き刺されたところで、絶品の歌。二夜ジークフリートでブリュンヒルデが起き上がるあの目覚めの動機。対をなすかのように、ここであれが出る。
グールド、ここ一点、聴きごたえありました。スバラシイ。
ワーグナーの作為のストーリー、この2場のドラマチックな展開、息をのむような見事なシーンでした。

ブリュンヒルデの狂いっぷりは理想のジークフリートの堕ちた言動、それはドリンクを飲まされたことも含めた行動批判、やりどころのない怒り。果ては悪だくみへの自己嫌悪、そしてその先にある自己憐憫も感じていたのではないか。怒りまくったまま、腕を広げたブリュンヒルデで終わるカミタソではあるのだが。
おわり

もう2回観る予定。









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