2012年6月23日(土) 2:00pm オペラシティ、コンサートホール
コリリアーノ 音楽に寄せて(日本初演)
コリリアーノ ヴァイオリン協奏曲第1番レッドヴァイオリン(日本初演)
ヴァイオリン、ララ・セント・ジョン
グルーバー フランケンシュタイン!!
バリトン、宮本 益光
下野竜也 指揮 読売日本交響楽団
コリリアーノご本人登場。1938年生まれだから74ぐらいになったのか。時の流れは早い。
2時スタートの演奏会だが冒頭にコリリアーノのミニトーク。下野の紹介に続きコリリアーノがこの日演奏される曲の解説。最初ちょっと下野の話しが長すぎた。これまで演奏してきたコリリアーノの曲のことを話していたが、それはちょっと横に置いて、まずはご本人の話しを聞かなくては、ね。
トータル15分ぐらいのトーク。
コリリアーノの曲はアルタード・ステーツあたりから(この映画どう思います)、割と多く知っているので、一曲目は日本初演らしいがもっとインパクトのある曲をやって欲しかったというのが本音。例えば、このCDにある別の曲をね。
ジョン・コリリアーノの息子はジョン・コリリアーノ
この日の一曲目「音楽に寄せて」はタイトル通り引用の曲、小規模バンダあり。オーケストラに向かって右2階にホルン2、左2階にトロンボーン2、正面は席位置の関係で見えませんでした。トランペットだったのかしら。
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レッドヴァイオリンは本当に協奏曲なのかというぐらいオーケストラが強烈な曲。数奇な運命の主役がヴァイオリンだったのでその楽器のコンチェルトにしただけと思えなくもない。シリアスで非常にインパクトのある曲。下野が共感の棒だったのが光る。オーケストラの能力が高く音楽そのものにどっぷりとつかることが出来ました。
コリリアーノの場合、引用の曲の場合も表現がシリアスなものだが、このレッドヴァイオリンも相当深刻というか生真面目な音楽、何事にも面と向かっているコリリアーノの真摯な芸風が心地よい。つんざくサウンドに負けぬソリストはあのくらいの体躯の人が楽器を奏でるというより草木をなぎ倒すような弾きっぷりで合っているのかもしれない。巨人族のような女性でした。
とにかくこの曲はこのような音響だったのかと実感できた。このホールの音響は拡散系だと思うが、聴衆の観る位置の窮屈なところがたくさんあるホールで音響的にも落ち着きがないもの。シリアスな音響はオーソドックスな上野で聴きたいという願望があったのだが、いざこうやって生に接してみると、広がりのある音響音楽はこの拡散系のホールに相応しいような気もした。
プログラム後半のグルーバーのフランケンシュタイン。
こうゆうことは30年前に終わっていたのではなかったのか、でも聴く人たちも違ってくるわけだし悪い話ではない。音楽は明るく、全く尾をひかないあとくされのないフレーズが切れ切れと続く。コリリアーノが同題で作曲したらアルタード・ステーツなみになっていたに違いない。