河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

371- プレヴィンのラフマニノフ ロイヤル・フィル1 1991-17

2007-08-06 20:46:00 | 音楽

1_129

1984年リッカルド・シャイーと来日。

1989年はウラディミール・アシュケナージと来日。

今回は3度目。

アンドレ・プレヴィンとの来日ということでなんとなく一番しっくりする。

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1991

927()7:00pmサントリーホール

928()7:00pmサントリーホール●

929()2:00pmサントリーホール●

101()7:00pm昭和女子大人見記念講堂

102()6:45pm愛知厚生年金会館

103()7:00pmザ・シンフォニーホール

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●は河童潜入。

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日本では6回公演。

何故かベートーヴェンのプログラムが多かったが、それははずして別のプログラムを聴いた。

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これは必聴だろう。

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1991928()7:00pm

サントリーホール

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ベルリオーズ/序曲「海賊」

メンデルスゾーン/交響曲第4

ラフマニノフ/交響曲第2

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アンドレ・プレヴィン指揮

ロイヤル・フィル

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日本の6回公演のうちラフマニノフはこの日だけ。

プレヴィンの指揮する第2番を聴き逃すわけにはいかない。

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プレヴィンの指揮するラフマニノフは、音がグワッ、グワッと波打つようになり、ワクワクした感覚になる。

オーケストラの性能は一流どころのレヴェルには達していないが、少し歯切れの悪いマス音から太い、生きた音楽が生命力豊かに流れ出てくる。

ゴツゴツした音楽のゴツの部分が鋭くとがった音ではなく、もっと丸みを帯びている。

悪く言えばふやけた感じだが、でも見通しのよくきいた音の流れで大河のようなうねりを作っていく。

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プレヴィンの作り出すラフマニノフは綿々とした音楽というよりも、メロディーを一歩ずつ固めていき、そしてさらに先にまたメロディーがあるような。一つずつ紡いでいくような感じの楽相を作り上げている。独特の音楽作り。

滑らかさをそれほど追及しているわけではなさそうで、それまでのイメージとは多少異なるところがある。

どっちにしろ曲そのもの、スコアそのものから、ラフマニノフの表現したいものを最大にして引き出している。

2楽章の迫力ある音楽、第3楽章の夢見るサウンド、でも決してとろけるような甘さではないザラザラした太い絹のような音づくりで横幅の広い音楽を作る。

終楽章はいつまでも終わってほしくないようなラフマニノフ独特のくり返しくり返し押し寄せるフレーズが、全くしつこくなく、それでいてこれでもかこれでもかと迫りくる。迫力。

モスブルーなサウンドが限りなくラフマニノフの世界に我々聴衆を浸してくれる。

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前半のプログラムはベルリオーズの海賊、メンデルスゾーンのイタリアであったが、海賊の迫力はものすごく、ベルリオーズの奇妙なハーモニーが鋭く響き充実したものであった。かなり硬いサウンド。

そして、メンデルスゾーンのイタリアは、軽やかながら太い音づくりであり、繊細さと同居したメンデルスゾーンの気品ある音楽がこころよく響いたのである。

思えば前半最初の曲におけるオケの硬さから後半のラフマニノフにかけて少しずつサウンドは丸みを帯びてきて、かつ大胆な表現となってきたような気がする。

最後の爆発にかけてのぼりつめたようなコンサートであったかもしれない。

つづく

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