碓井広義ブログ

<上智大学教授のメディア時評> 見たり、読んだり、書いたり、話したり、時々考えてみたり・・・

ドラマ「砂の塔」は、本邦初の“階層サスペンス”!?

2016年10月19日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評



日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。

今週は、TBSのドラマ「砂の塔~知りすぎた隣人」について書きました。


TBS系「砂の塔~知りすぎた隣人」
本邦初の“階層サスペンス”か!?

すごいな、タワマン。金曜ドラマ「砂の塔~知りすぎた隣人」(TBS系)の舞台であるタワーマンションのことだ。

引っ越してきたばかりの主婦・亜紀(菅野美穂、好演)は、高層階に住むセレブ主婦たちの言動に戸惑っている。上の階ほど部屋の値段が高いから、住んでいる階数でその家庭の年収や生活レベルも分かるというのだ。

特にリーダーである寛子(横山めぐみ)の選民意識がすさまじく、低層階の住人は「私たちとは民度が違う」と言い放つ。地位や財産や職業などで区分される「社会階層」と、建築物の階数を指す「階層」を重ねて見ているのだ。

背景には格差社会、階層社会といわれるこの国の現状があるが、これって、本邦初の“階層サスペンス”か!?

一方、タワマンの周辺では幼児の連続失踪事件が起きている。いずれも子育てをおろそかにした母親の子供が被害者だ。

ドラマの冒頭、いきなり犯人かと思わせるような描写で登場したのが弓子(松嶋菜々子)。謎めいたアルカイックスマイルと、何もかも知っていそうな黒幕風たたずまいが結構怖い。例の家政婦を彷彿とさせて、松嶋、久方ぶりのハマリ役かも。

このドラマは、「黒の女教師」や「アリスの棘」などを手がけてきた池田奈津子のオリジナル脚本だ。ダークヒロイン物を得意とするその腕前、大いに期待したい。

(日刊ゲンダイ 2016.10.19)

『テレビ』 ジャンルのランキング
この記事についてブログを書く
« 【気まぐれ写真館】 秋なの... | トップ | 書評した本: 春日太一 『... »
最近の画像もっと見る

あわせて読む