碓井広義ブログ

<上智大学教授のメディア時評> 見たり、読んだり、書いたり、話したり、時々考えてみたり・・・

バカリズムの脚本が冴える「黒い十人の女」

2016年10月13日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評



日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。

今週は、日本テレビのドラマ「黒い十人の女」について書きました。


脚本バカリズムが
今どきの“ギョーカイ”を巧みにデフォルメ

面白い題材を掘り起こしたものだ。ドラマ「黒い十人の女」(日本テレビ系)である。ベースは1961年に公開された市川崑監督の同名映画。9人もの愛人を持つドラマプロデューサーが、裏で手を組んだ女たちに命を狙われるという物語だ。

主人公であるプロデューサー・風松吉役は船越英一郎。愛人たちの間を遊泳する姿が実にハマっている。55年前の映画では、父・船越英二(「時間ですよ」で銭湯の番台に座っていた姿も懐かしい)が飄々と演じていた。

また愛人たちのキャスティングも、このドラマの見どころのひとつだ。水野美紀(舞台女優)、佐藤仁美(ドラマAP)、MEGUMI(脚本家)、成海璃子(テレビ局受付嬢)、そしてトリンドル玲奈(若手女優)もいる。これから登場する愛人も含め、船越P、モテすぎだろう。

脚本のバカリズム(写真)は、原作の設定を生かしながら舞台を現代に移し、今どきのテレビ界・芸能界の生態を巧みにデフォルメして描いていく。

先週も、水野美紀演じる舞台女優の活動を「情熱大陸」風に見せて、思いきり笑わせてくれた。また、愛人の立場に不満をもつ成海とトリンドルが、それぞれに若い男との浮気(?)を敢行。特に成海は、相手がまたもや妻帯者で大騒動となった。

午前零時近くの深夜ドラマであることを踏まえ脚本も演出も、一層ディープに攻めていい。

(日刊ゲンダイ 2016.10.12)

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