碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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「流星ワゴン」香川照之が演じる“昭和のオヤジ”は絶品

2015年01月28日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評



日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今週は、TBS「流星ワゴン」について書きました。


TBS系「流星ワゴン」
香川が演じる“昭和のオヤジ”は絶品

脚本の八津弘幸、演出の福沢克雄、プロデューサーの伊与田英徳といえば、「半沢直樹」や「ルーズヴェルト・ゲーム」を手がけた剛腕トリオ。そこに西島秀俊&香川照之という「ダブルフェイス」「MOZU」の強力コンビが加わった。「流星ワゴン」(TBS系)はドラマ好きにとって見逃せない1本だ。

主人公の一雄(西島)は最低の状況にある。会社はリストラ、息子は家庭内暴力、妻からは離婚届だ。ふと乗り込んだ不思議なワゴン車で過去へと向かうことになる。人生の分岐点に立ち戻り、未来のために“修正”しようというのだ。しかも同伴者は若き日の父・忠雄(香川)である。

後に長年の確執が続くことになる忠雄との二人三脚。一雄は自分が知らなかった過去の事実や父の意外な側面を垣間見る。同時に、息子の気持ちを分かっていなかった自分にも気づいていく。とはいえ、過去を変えるのは容易なことではない。

また、ワゴンを運転する橋本(吉岡秀隆)も気になる存在だ。彼は交通事故で息子を死なせたが、抱えているモノはそれだけではないだろう。このドラマは、そんな3組の父子再生物語なのだ。

西島と香川が向き合う場面は、やはり見応えがある。特に香川が演じる“昭和のオヤジ”は絶品。SFチックな設定に抵抗のある人も、一見の価値は十分にある。

(日刊ゲンダイ 2015.01.28)

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