碓井広義ブログ

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産経新聞で「さわやか自然百景」「人生の楽園」についてコメント

2017年02月12日 | メディアでのコメント・論評



【ZOOM】
人気の鍵は「シンプルさ」? 
隠れた高視聴率番組
「さわやか自然百景」「人生の楽園」

ドラマ、バラエティー、スポーツ中継…。これら注目分野の影で、ひそかに支持を集めている高視聴率番組がある。NHK総合「さわやか自然百景」(日曜午前7時45分)は今年度、平均視聴率12%台が見込まれ、テレビ朝日系「人生の楽園」(土曜午後6時)も12%に迫る数字を記録。情報過多の番組が多い中、シンプルで奥深い内容を求める人が増えているようだ。(本間英士)

平均で12%超へ

約15分の自然紀行番組「さわやか自然百景」は、平成10年にスタート。47都道府県の豊かな自然をテーマにした穏やかな内容だ。同番組について、伊豆浩プロデューサーは「日本には土地ごとに特殊な環境があり、そこで生きる動物たちがいる。この番組は人や動物というよりも場所そのものが主人公」と狙いを語る。

これまでの最高視聴率は昨年6月の15・7%。高知・幸島(こうしま)がテーマで、絶滅の危機にある海鳥の繁殖や巣立ちを取り上げた。近年の大河ドラマ並みの視聴率は、放送終了間際に関東地方で比較的大きな地震が発生したことが影響しているとみられるが、番組全体の平均視聴率はじわじわ上がっている。

昨年10月に放送した「屋久島」の回は14・1%を記録。今年度の番組全体の平均視聴率は、初めて12%を超える見込みだという。

「日曜朝は、基本的には情報番組が多い時間帯。そうした内容以外の、爽やかな気持ちになれる番組を見たいという心理もあるのでは」(伊豆氏)

予想外のうれしい反響もあった。鳥や小動物の映像が多いためか、インターネット上では飼い猫が同番組にくぎ付けになる動画が次々とアップロードされた。“猫視聴率ナンバーワン番組”としてひそかな話題になっている。

15%台を複数回

「今週は何かいいことありましたか。私ね、思うんですよ。人生には楽園が必要だってね…」

俳優、西田敏行の独特の語りで始まるドキュメンタリー番組「人生の楽園」は12年にスタート。主に50代以上の夫婦が田舎暮らしを始めたり、飲食店経営を開始したり、第二の人生を歩んでいく様子が描かれる。

「大切にしているのは、何気ない会話や食卓の風景など、ご夫婦の『ありのままの日常』を自然に撮ること。ゆったりと温かみのある番組なので、土曜日の夕方に見るのにちょうどよいのだと思う」。森川俊生プロデューサーはそう語る。

これまでの最高視聴率は、26年3月の15・4%。最近はドラマでも難しい15%台を、複数回マークしたことも。昨年1年間の平均視聴率は11・9%だった。

同番組ではこれまで、800組を超える夫婦を紹介してきた。森川氏は「取り上げたのは自身の努力で“楽園”をつかんだ人たち。高齢化の進展で、第二の人生をどう生きるか、多くの視聴者の関心事になっている」と語る。

大画面も追い風

なぜ、これらの番組が人気を集めるのか。上智大の碓井広義教授(メディア論)は、「週末」「引き算の番組作り」という2つのキーワードを挙げる。

「週末は気楽な気持ちでテレビを見たいもの。これらの番組は、大自然や、ゆったりとした暮らしの人たちを取り上げるので、見ていてホッとする。ネタや情報を詰め込んだ番組があふれる現在、シンプルかつ余計な情報を削(そ)いだ番組も求められている」


「テレビの大画面化も追い風になった」と語るのは、「人生の楽園」の森川氏だ。「雄大な自然や野菜の収穫シーンなどは、大きい画面で見るとグッとくる。自然番組へのニーズは高まっているのでは」

NHK総合「小さな旅」(日曜午前8時)や、日本テレビ系「ぶらり途中下車の旅」(土曜午前9時25分)など、週末は旅番組も根強い人気を誇る。碓井教授は「テレビの“大票田”である年配の人からの支持を集めているのが大きい」と分析している。(視聴率はいずれもビデオリサーチ調べ、関東地区。放送時間は一部地域で異なる)

(産経新聞 2017.02.07)
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