碓井広義ブログ

<上智大学教授のメディア時評> 見たり、読んだり、書いたり、話したり、時々考えてみたり・・・

週刊朝日で、朝ドラ「ひよっこ」 視聴率上昇について解説

2017年07月16日 | メディアでのコメント・論評



有村架純のNHK朝ドラ「ひよっこ」
視聴率上昇のワケ

NHK連続テレビ小説「ひよっこ」が、好調だ。

集団就職で上京した有村架純演じる谷田部みね子の成長物語。4月の第1話の視聴率は19.5%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)で20%を割ってのスタート。6月に入ってじわじわ上昇し、6月26日からの第13週は6話すべてが20%を突破した。

朝ドラに造詣(ぞうけい)の深い上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)は、「ようやく正当に評価されるようになってきた」という。

「舞台が赤坂に移り、登場人物の厚みがぐっと増した。みね子が働く洋食店『すずふり亭』では、宮本信子さんや佐々木蔵之介さんら、右肩上がりの世の中で地に足をつけて生きる大人の世界を見せてくれる。一方でアパートの『あかね荘』では、シシド・カフカさんや漫画家を目指す若者ら、多彩な青春像が描かれる」

近年の朝ドラで多かった実在の人物の一代記ではないことも、特徴の一つ。

「実在の人物をモチーフにした作品は、物語の着地点をある程度把握した状態で見てしまう。今回は全く先が見えない」


朝ドラウォッチャーで、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』の著者、田幸和歌子さんは、岡田惠和さんの脚本に注目する。

「みね子の日常の積み重ねを丁寧に描いています。視聴者の多くが知っている時代ならではのディテールに細やかさがある。一方で、登場人物どうしのやりとりが意外と今風だったりする。当時風に再現すると退屈なやりとりになってしまいそうなところを、そうさせないうまさも感じます」

第13週のサブタイトルは、「ビートルズがやって来る」だった。

「ビートルズ見たさに上京した峯田和伸演じる『宗男おじさん』の存在感が大きい。ロックミュージシャンの彼だからこそ出せる説得力に加え、周りとの関わり方もよかった」(田幸さん)

碓井教授も、

「わからないままだったお父さんの消息の一端が知らされた。ビートルズ来日という社会的なテーマと、個人的なテーマの両方が並んだことも大きかった」

という。


ビートルズは去り、物語は後半戦に突入した。気になる今後の展開だが、

「成長をゆっくり描いているので、70年の大阪万博あたりで終わってしまうかも(笑)。または、みね子は2017年時点で71歳という計算なので、たぶんご健在なはず。一気に時間が進んで現代につながる可能性もあります」(碓井教授)

先の読めない展開で、好調は持続しそうだ。

(週刊朝日 2017年7月21日号)

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