碓井広義ブログ

<上智大学教授のメディア時評> 見たり、読んだり、書いたり、話したり、時々考えてみたり・・・

ドラマ「LEADERS リーダーズ」と“強いリーダー”

2014年03月26日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今回は、TBSの2夜連続大型ドラマ「LEADERS リーダーズ」を
取り上げました。


社会の閉塞感が安易に強いリーダーを
求める傾向を生んでいないか

先週末、TBSが「半沢直樹」の福澤克雄ディレクターと伊與田英徳
プロデューサーを投入して、2夜連続大型ドラマ「LEADERS リーダーズ」を放送した。

トヨタ自動車を興した豊田喜一郎(豊田佐吉の息子)がモデルの
「史実に基づいたオリジナル作品」だ。主演は佐藤浩市。

まず、大作であり、力作であることは確かだ。「国産自動車づくりに
人生を賭けた男」を正面から描いていた。

戦前に、やがて日本が自動車社会になることを予見し、敗戦後も
自動車産業が国の復興の中核になると信じて歩み続ける。

特に印象に残ったのは、主人公の「社員は家族」という姿勢だ。戦死した社員、病没した社員に涙する“熱い家父長”がそこにいた。

ただ、見ていて不思議に思ったことがある。

なぜこんなにいい会社が、70年代にはノンフィクション作家の鎌田慧が「自動車絶望工場」で描いたような姿に堕したのか。

「工程を細分化し再構成した合理化は、人間の能力を細分化させ、人格さえ企業に都合のよいように再構成する。それはロボトミーの
手術にも匹敵する」という過酷な現場を見ないで亡くなった喜一郎は幸せだった。

百田尚樹『海賊とよばれた男』もそうだが、過去のリーダーを称揚する作品が目につく。社会の閉塞感が安易に強いリーダーを求める
傾向を生んでいないか、気になる。

(日刊ゲンダイ 2014.03.25)


・・・・ずらっと並んだスポンサーですが、さすがにトヨタ自動車は加わっていませんでしたね。

メインバンクの三井住友FGは、しっかりありましたが(笑)。

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