碓井広義ブログ

<上智大学教授のメディア時評> 見たり、読んだり、書いたり、話したり、時々考えてみたり・・・

深夜ドラマ「怪獣俱楽部」が醸しだす“秘密結社的”な楽しさ

2017年06月15日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評



日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。

今週は、深夜ドラマ「怪獣倶楽部~空想特撮青春記」について書きました。


毎日放送制作「怪獣倶楽部~空想特撮青春記」
同好の士と語り合う、秘密結社的な楽しさ

深夜ドラマ「怪獣倶楽部~空想特撮青春記」(毎日放送制作)がスタートした。

舞台は1970年代。主人公の大学生・リョウタ(本郷奏多)は、特撮怪獣好きの仲間たちと同人誌を作っている。そこに掲載する内容をめぐって、喫茶店で交わされる熱い議論がこのドラマのキモだ。

第1回に登場したのは、実相寺昭雄監督が演出した「ウルトラセブン」4本のうちの1本、「狙われた街」だった。地球侵略をもくろむメトロン星人が、吸引すると凶暴になる薬を自販機のたばこに仕込み、社会を混乱させるという物語だ。

狙いは人間同士の“信頼感”を破壊することにあった。古いアパートの四畳半で、セブンとメトロン星人がちゃぶ台をはさんで向かい合う、実相寺監督らしいシュールな設定で知られる異色作だ。

リョウタたちは、この作品のテーマや実相寺監督と脚本の金城哲夫の組み合わせ、作曲家・冬木透による音楽などについてマニアックなやりとりを展開していく。

大人が特撮怪獣好きを公言するのが、やや恥ずかしかった時代だ。同好の士と好きなものについて思いきり語り合う、秘密結社的な楽しさがここにある。

「狙われた街」が放送されたのは67年の秋だ。今年は放送50周年、そして10年前に没した実相寺監督の生誕80年にあたる。

はるか星のかなた、“怪獣墓場”あたりで監督が苦笑いしているかもしれない。

(日刊ゲンダイ 2017.06.14)

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