すべてのことがらに『感謝』

生きるということについて日々想うおっさんのつぶやき

海は誰のものでしょうか…

2012-08-14 12:33:57 | 生きるということ
お盆前から雨が降るようになり、やっと朝晩の涼しさをチョッピリですが感じられるようになりました。

酷暑に負けないくらいの熱戦が繰り広げられたロンドンオリンピックも閉幕しましたが、日本国中に勇気と感動を与えてくれた日本選手に心より感謝したいですね。
ありがとう!

今回は毎年、恒常化している海のごみについての現状報告です。
毎年、梅雨末期には各地で被害が出るくらいの豪雨で、大量の流木、草木、泥などの自然ゴミ及び空き缶、ビン、ペットボトル、プラスチック製品、レジ袋その他もろもろの人間の活動で発生する生活ごみなどは一気に川や排水路を通じて海に流れ込みます。

今季の梅雨では、九州北部豪雨災害と名付けられたほどの甚大な被害が発生し、海にもこれまで経験したことがないほどの大量の流木が流れ込みました。
いつもの場合は、海岸に打ち上げられたり有明海の反時計回りの流れの中で、少しずつ少しずつ有明海の外に出ていくのでしょうけど、今回はその量は半端でなく、また、山の木がそのまま根こそぎ流されてきたような大木が数多く流れ込み、災害からひと月経った現在も漁港や周辺海岸にそのまま放置状態です。





通常はある程度のごみの大きさや量なら自力でどうにかするのですが、今回のごみは平均して4~5mの丸太を中心に長いものでは10m位の根っこがそのままついたものまでありお手上げ状態です。

また、最近では諫早湾の締め切りから深刻な不漁続きで、廃業者が相次ぎ山間部で『限界集落』という言葉があるように海辺では『限界漁村』という言葉が当てはまる状況で、様々な緊急事態に遭遇しても即対応できない状況になっています。

大雨からひと月の間に海上での流木との接触事故はもちろんのこと漁港内においても同様のありさまで、漁船の修理代はもとより出漁見合わせなどかなりの損害が出ました。

島原半島沿岸は、諌干の調整池からの汚濁水の通り道になっているうえに、今回のように有明海のごみが流れていきながら海岸に打ち上げられる地域で、一番不利益を受けているのは島原半島の漁民ではないかと思っています。

漁民が、通常活動するエリアは海上および漁港ですが、海の管理やごみの取扱いについて県とか市とかの行政の区別がされています。
海そのものは国がかかわると思いますが、漁港とか海岸についてはそれぞれ市や県で管理が分かれているようです。

今回の豪雨災害による大量のごみ処理についても漁港及びその周辺海岸は地元の自治体で、それ以外の海岸は県ということで、長崎県の方は海岸のところどころに集積だけはしましたが、未だに処理はされておらず台風や高潮が来た場合は再び海上に流れ出す恐れがあります。

一方、漁港及びその周辺については予算がないということでかなりの期間放置されていましたが、一応先日業者に処理の依頼をしたとかという話でしたが、お盆ということもありいつから作業にかかるのかは不明です。

漁協もこの大量のごみ処理をするにしても多くの人手、回収用の船、ごみを運搬するトラックなどが必要なので何とか実費だけでも助成してもらえるように市と交渉していましたが、担当者レベルでは判断できず回答待ちの状態です。
(つづく)



漁民が生き残るために…

2012-07-29 01:20:36 | 生きるということ
1か月ぶりの更新です。この間、様々な出来事がありすぎ頭の中が整理できずにいたのかもしれません。

季節は各地に大きな被害をもたらした梅雨も明け、夏休みに入ったとたん早朝より蝉の大合唱の日々が続いています。
先ずは大雨により多くの犠牲者や被害を受けられた方々へのご冥福とお見舞いを申し上げます。

この一月の間にも様々な出来事があり、簡単にですが紹介したいと思います。
6月22日、漁協の通常総会のあった夜,島原市主催の市長を囲む懇談会が有明であり、新庁舎建設についての説明を聞くために参加しました。



この時、市議11名による大手広場を活用した新庁舎建設案を市民に説明した有明の議員、なんだか非常に都合が悪いような遠慮した説明が気にはなってはいましたが、まさか議会最終日採決において名前まで出して賛同していた議員が3名も裏切るとは予想もしていませんでした。

やはり世の中とは甘くはないということがつくづく分かった次第で、本当に大事なことについてはお互いに退路を断つくらいの覚悟をもって臨むことも必要ではないかと思いました。
昔の武士の血判状を書く覚悟がそうかもしれませんね…

27日、島原半島の体験観光をコーディネイトするNPO法人がまだすネット総会。



このがまだすネットも昨年度あたりから島原半島観光連盟の傘下に入っての活動で、結局これからどんな活動をしていくのかなど、非常に内容がわかりにくくなったと感じているのは私だけかもしれませんが、観光連盟の平成24年度予算約8千7百万円が島原半島の観光振興に活きる使い方をしてほしいですね…

28日、漁協として長崎県議会宛に陳情書を提出した事業内容について、農水委員会で審議があるということで組合長と私が参考人として委員会に招致され質疑を受けることになり急遽出席しました。



この農水委員会の山田博司委員長は五島出身ということもあり、地元の漁民からも有明海漁民を何とか助けてほしいといつも言われているということで、先の委員会においても潮受け堤防排水門の開門調査について賛成、反対の関係者を参考人として招致し双方の意見を聞いたこともあり、今回の招致についても通常ではあり得ない事案にも関わらず、有明海の漁業不振においての漁業振興のための事業ということで、特別に山田委員長の取り計らいで委員会の承認を得て実現したようです。

委員会での質疑については、組合長も私も初めてにも関わらずスムーズに受け答えができましたが、この質疑の冒頭で山田委員長が本日の質疑については諌干の開門の是非についてではないと念を押しながらもわざわざ『開門』という言葉にこだわっていた様子で、逆に自分たちが遠慮してなるべく触れないような表現をしてしまい、あとで冷静になって考えたときに、せっかく山田委員長が作ってくれた機会だったのでもう少し突っ込んだ表現をしておけばよかったなあと今になって反省です…(汗)

30日、佐賀市内において4県漁民の集い。



諫早湾が閉め切られて16年目に入り、4県の漁民もそれぞれの生活に日々追われ、なかなか集会への参加もままならない状況です。
非常に厳しい漁業状況の中で、なんとか希望を持ち続けてこられたのも馬奈木弁護士をはじめとする弁護団の先生方や岩井さんを先頭に支援する会の方々に支えられてきたからだと思います。
心より感謝申し上げますとともにこれからも有明海再生のためによろしくお願いいたします。

とりあえず6月の主な出来事の報告でした。続く…







漁民のための組合を目指して…

2012-06-27 04:22:04 | 生きるということ
先日から島原地方は大雨が続いてかなりの雨量が降っていたため、ついに24日はがけ崩れなどの被害が発生しました。
その一つがこれです。



築城から388年ほど経った島原城の石垣の一部が崩落してしまいました。
やはり自然界のエネルギーはすごいものがあります。私たち人間はこの地球上のほんの一部を間借りして暮らしているわけで、自然に対して日ごろから平穏無事に暮らせることに感謝しなければならないと思います。

それと大事なことは、何事もその時々で点検し悪いところが修復しながら進めなければなりませんが、場合によっては見直すことも必要なわけです。
たとえば、諌干の潮受け堤防も現在は堤防道路として便利なようですが、やはりこれも人間が自然の上に作った構築物であって様々な点検修復が必要なわけで、現在も無駄で多額の費用が掛かっていると思います。

ましてやこの構築物、未来永劫その機能を果たすわけがなく金も人も使い果たしてしまわないうちに早急な見直しが必要だと思いますがね…

さて、22日に有明漁業協同組合の通常総会が開催されました。
いつものごとく解任された前組合長ら数名も出席し、議事に入る前から総会を混乱させようと発言しようとしましたが、最近では彼らに同調する組合員もめっきり減り、なんか余計に存在が浮いて見え哀れにさえも思えました。

今回は珍しく島原市長も来賓で出席し(12月の選挙のためですかねぇ…)来賓祝辞を述べていましたが、諌干による不漁なんぞは全く他人事の内容で、昨年12月に市長と膝詰めで話した際に…
以下以前のブログから引用
【私は『あなたは誰のための市長ですか?』と詰め寄り『一番大事なのは地元のことであり市民の生活ではないですか』と強く意見しました。来年の選挙で、市民のことを第一に考える政治姿勢に改まればよいのですが…】
引用終わり
…と言ったことなんかこれっぽっちも思ってもいないようであまりいい気持ちはしませんでしたが、組合長が一応気を使って礼を尽くしているので、それに合わせて愛想笑いをする自分が少し嫌になりました。

総会の議長は、昨年に引き続いて少々のことには動じない肝が据わったU君。
一昨年役員解任の際は、次の役員が決まるまで代表理事職務執行者として仮の組合長を務めた経験があります。

最近の私の役割は、漁協の中でのコーディネーター的な役割で、今回の総会においては最大の懸案となっていた『組合員資格審査』の取り扱いについてきちんと組合の方針を組合員に理解させることでした。

総会は議事の順序に沿って粛々と進められますが、時折前組合長らがいろいろと横槍をいれてきたにも関わらず、U君の有無を言わせない進行で意外とスムーズに進行しました。

すべての議事が終わり残すは組合員からの質問、要望などを残すのみ。
すかさず、数年前まで漁師をしていたM君が組合資格審査について誰もが納得する意見をしてくれました。

内容は『自分は諌干での不漁で漁師をやめて何年もなるのに未だに正組合員であることはおかしい。漁業協同組合は漁民の意思が反映されなければならない。漁民を無視したことで過去2回役員を解任した。深刻な不漁にも関わらず組合は動けないでいる。来年の12月までに国が行う開門調査に組合は漁民が不利にならないような交渉をしてほしい。自分は漁師をやめたけど仲間の漁師や先輩にはいつまでも漁業を続けてもらいたい。自分はたとえ准組合員いなっても協力する。』等の意見に対して会場の誰からも異論は出ませんでした。

これに対して組合長は『組合はあくまでも漁民のための団体でなければならない。解任した全役員の組合の運営に関して法律を盾に裁判をしている中で、組合員資格審査が規程してある組合の定款をうやむやにすることは言語道断。過去2回の解任については漁民でない正組合員の選挙権が悪用されたもので、今後そういうことは絶対にあってはならない。現執行部は海底耕耘などの不漁対策についても正組合員も准組合員も平等に対応している。深刻な不漁で漁民がどんどんやめていく中で、組合として諌干と交渉できるようにしなければならない。』など組合員資格審査の実施について、総会に出席している組合員に対して理解を求める素晴らしい答弁をしてくれました。

この答弁に対して前役員の一部からぶつぶつ声が上がりましたが、ほかに同調する者なく晴れて組合員資格審査について組合員の理解を得ることができたと思っています。

実を言いますと組合員の資格を決定す立場の理事会は、この総会前まで組合が混乱するなどという様々なうわさで『呪縛』にかけられた状態で、その上役員の中にも正組合員が減ることを好ましく思っていない役員が存在し、ある時は理事会での資格審査の件で私と取っ組み合い寸前の激論をしたこともありました。

今回の総会でのやり取りで理事会の呪縛もとれ、その中で一番喜んでホッとしていたのが40~50代の漁民でした。
諌干の締め切りから15年の間に仲間の漁民が次々と止めていき、その上今後は高齢者の漁民も辞めていく中で自分たちの将来に非常に不安を抱いていてもどうすることもできなかったからです。

もうすでに漁民に残された時間はぎりぎりまで来ていると思います。
躊躇している場合ではなく、自分たちの生活を守るためには人が何と言おうと前進あるのみです。

今必要なのは、たとえ悪者にされても正義を貫くことだと思います。
まだまだこれからです!!



一歩一歩確実に…

2012-06-22 01:26:48 | 生きるということ
久しぶりの更新となりました。
台風4号は、島原地方は雨が降った程度ですが、台風進路の東側の地域では大きな被害が出ているようです。
被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。

この間、九州農政局交渉



長崎県との交渉



地元楠県議との懇談



漁民・市民ネットワーク総会



市会議員松坂まさお市政報告会(昼・夜)



「島原さらくプロジェクト」第1回まち歩き「古地図を歩く」参加



このほかにも長崎県による平成23年度における漁業被害調査。
長崎県議会 山田博司農水委員長への陳情(有明海漁業の現状と対策についての要望書手渡す)
翌日、県議会議長宛の陳情書提出等多忙な日々が続いていました。

今も22日漁協総会に向けて、漁民の生活を守るために組合員資格審査を実施するためのストーリー作りをしています。
もうしばらくは、漁民が生き残るために一歩一歩確実な努力が必要ですね。




すべてのことがらに『感謝』

2012-05-18 06:41:57 | 生きるということ
なかなか更新できずに申し訳ありませんでした。
海苔の生産を遅くまで続けていたこと、その間様々な用件をこなしながら一方では直面する人間関係にどう向き合っていくかということについて自分自身に問いかけていたこともあり、なかなかキーボードが打てずにいました。

最後の生産と網揚げが4月30日までかかり、14日やっと漁場の支柱の撤去が終わりました。
今シーズンは、これまで経験したことがない芽流れという深刻な海苔被害に見舞われましたが、多くの方々に心配していただき海苔網を手配できたおかげで何とか生活できる位の生産をすることができました。

改めて『すべてのことがらに『感謝』』です。

時々、大変な目に遭っていても『感謝』ですかと聞かれることがあります。
『感謝』という言葉については私自身もう一つ深く踏み込んだ受け止め方をすることで、喜怒哀楽の人生をより良きものにできると思っています。

人間誰しも命ある限り生きなければなりません。また、その多くの人生は喜び楽しみより怒りや哀しみの方がずっと多いようで、そんな中自分自身も下手すればマイナスの心理に引き込まれそうにならないためにも『感謝』という言葉をかみ締めることで何とか乗り切っています。

現社会で生きていく上での厳しさ、怒り、哀しさ等に自分自身が気づかされることを『感謝』の気持ちで受け止めることや何事も教えられることでありがたいと思うことで自分自身へ納得させるための言い聞かせだと思います。

『感謝』の気持ちを持つためのもう一つ大事なことは、辛いこと、苦しいこと、つまらないことなどの中にもちょっとした喜びを見出すことです。

そんな時の喜びは、普通の時の何倍もの喜びとなりそれまでの苦労など一気に吹っ飛んでしまいます。
たとえば、この時のよみがえれ有明訴訟弁護団事務局長H弁護士のお話です。



諌干問題を支援していただいている弁護団の先生方はすべてボランティアですが、時折自分の事務所からの経費等の苦情や自分自身もいろいろ考えるときがあるそうです。
でもたまにですが、こんな機会に行き当たると今までの苦労なんか忘れるとか…



これは昨年まで諌干の運動で国との交渉、マスコミへの対応など最前線で闘ってくれていた竹崎のHさんが病に倒れられて入院を余儀なくされていましたが、本人の強い意志で苦しいリハビリを乗り越えて再び皆の先頭に復帰されたことで、4月28日に小長井で開かれた退院祝いに参加したときのものです。

この日参加された方々は、自分のことのように喜びを分かち合っていらっしゃいました。
すごいご馳走でした。『ごちそうさまでした!』
小長井のMさんを始めお世話をされた方々ありがとうございました。

Hさんも体が不自由になりながらも笑顔が出るようになって本当によかったと思います。
Hさん退院本当におめでとうございます。これからも無理しないように頑張ってください。

私自身も諌干の裁判や交渉など時には仕事を放り出して出かけることがある中で、時々自分の親からも「国にはかなわないのじゃないか」「お前だけががんばっても同じじゃないか」など言われることがあります。
でも困難な問題に対しては、逃げれば一生ずっと逃げなければならないと思いますし、田舎によくある「お上には逆らうな」というような風潮の中で、諌干=国に立ち向かうことができる者が矢面に立って闘わなければならないと思います。

私の場合は、『正義感』ということもありますが、この他にもいろんな想いの方々と知り合えたり、国の役所や裁判所など漁師をしているだけではもしかしたら一生縁のないような場所にも行けたりと、大変な中にも貴重な人生経験をさせていただいていると思っています。

せっかくの人生です。これからも自分のこと以外にも自分ができることはできる限りやっていきたいと考えています。
これからも応援お願いします。