観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

色づきはじめた稲永公園

2017-10-21 19:23:05 | 秋の藤前干潟

藤前干潟
今日の満潮時間 6時43分 潮位253cm
今日の干潮時間12時37分 潮位 77cm

 

今日もやはり雨でしたね。

しかし、午前中はあおなみウォークの参加者や、カルチャースクールの野鳥観察講座の受講グループ、中止となった藤前干潟クリーン大作戦に参加予定だった企業の来館などがあり、野鳥観察館は賑わいました。

 

庄内川河口の干潟にはハマシギをはじめ、多数のシギ・チドリなどが飛来していたのですが、雨が強く降っていたので写真は撮りに行けず、さらには視界が悪いのでしっかりとしたカウントができませんでした。

しかし、野鳥観察館内からでも350羽以上のハマシギを確認できた他、庄内川河口での確認は比較的珍しいオオハシシギ3羽も観察できました。

秋のシギ・チドリの渡りも最終盤なので、シギ・チドリがいるうちにもっとよく観察したいという気持ちが募るのですが、お天気が・・・。

台風が去った後に期待したいと思います。

 

そういうわけで、今日は写真が撮りに行けませんでしたので、先日撮影した写真とともに秋を感じられるようになってきた最近の稲永公園の様子をご紹介します。(掲載している写真のほとんどは13日(金)撮影です。)

 

まずはナンキンハゼ。木の先端の葉が赤く色づきはじめていました。枝には白い種子もたくさんつけています。街路樹などによく使われているナンキンハゼは外来種で、生態系への影響も懸念されているそうですが、その実は冬の野鳥たちの餌になっています。

種子をよくよく見ると、熟した果実が割れて、その中に白い種子が見えました。この後、黒色の果皮は落ちて、白色の種子だけが残ります。

まだこれから熟す青い実もたくさんありました。

 

続いてはピラカンサ。こちらは実が赤くなり始めていました。この写真を撮った1週間前より、今はもっと赤味が強くなっています。ピラカンサの実も、これからの季節の鳥たちの餌になります。

昨年は稲永公園ではピラカンサの実があまりならなかったのですが、今年は枝がしなるほど豊作な木をみつけました。この木には、これからたくさんの小鳥たちが訪れるはずです。

 

こちらも鳥たちの餌となるアキグミ。緑色の実が多かったですが、少しだけ黄色、さらには赤くなった実も見られました。

下の写真は、まだ大きくなる前のアキグミの実。

ちなみに今日のアキグミの実の様子↓。赤い色の実が確実に増えており、雨に濡れた赤い実はルビー色に見えました。

 

このアキグミの木にまきついていたのが、多年草のつる植物であるキカラスウリ↓。青い実がたくさんなる中に黄色くなった実がいくつかありました。なお、鳥がキカラスウリの実を食べているところは、今のところ、見たことはありません。

 

これまでは、色づいてきた実を紹介してきましたが、まだ青い実しかついていない木もありました。

こちらはトベラ。青い実が熟すと、割れて粘液をまとった赤い種子が現れます。

トウネズミモチ↓。実は熟すと紫黒色に。

クスノキ↓。こちらの実も熟すと紫黒色になります。クスノキの実は、小鳥だけでなく、毎冬、ユリカモメも食べに来ます→2016年12月7日の日記

トベラもトウネズミモチもクスノキも、鳥たちが実を求めて訪れる木。冬に向けてこれから色づくはずです。

 

最後はどんぐり。稲永公園には、たくさんのどんぐりの木がありますが、2種類を紹介。

アラカシ↓。

シラカシ↓。

アラカシもシラカシもたくさんのどんぐりをつけていました。

 

稲永公園では、この他、サクラやイチョウ、プラタナスなどが紅葉しはじめて、日ごとに色づいており、秋が深まっているのを日々感じます。

この季節、いろんな秋を探してみるのも楽しみのひとつだと思います。

 

 

【藤前干潟のイベント等のお知らせ】

☆10月28日(土) 第4回なごや生物多様性センターまつり@なごや生物多様性センター(主催:なごや生物多様性センター)
  藤前干潟ふれあい事業の紹介コーナーもあります。→詳細はこちら(なごや生物多様性センターHP)

☆11月1日(水)~11月30日(木)「藤前干潟写真展~藤前干潟の風景・生き物~」@名古屋市環境学習センター(主催:藤前干潟ふれあい事業実行委員会)
 8月26日~9月24日に名古屋市野鳥観察館2階で展示していた藤前干潟の写真を場所を変えて展示します。→作品募集案内(募集は終了)と展示の詳細はこちら(PDF)

☆11月18日(土) チュウヒサミット2017@名古屋市立大学桜山キャンパス(主催:日本野鳥の会愛知県支部、日本野鳥の会三重、名古屋鳥類調査会)→詳細はこちら(日本野鳥の会三重)

☆11月18日(土) 藤前干潟の渡り鳥調査隊~11月~@名古屋市野鳥観察館
 渡り鳥調査隊は、野鳥観察と鳥類調査を行う野鳥観察館のイベントです。→詳細はこちら(PDF)

☆11月18日(土) 第3回藤前干潟ふれあいトーク「ウミガメの命をつなぐ 講師:吉井誠氏(名古屋港水族館)」@名古屋環境学習センター(主催:藤前干潟ふれあい事業実行委員会)→詳細はこちら(名古屋市HP)

☆11月18日(土) 藤前フォーラム「いま振り返る藤前干潟保全の歴史~市長として取り組んだ藤前保全~ 講師:松原武久氏(元名古屋市長)」@名古屋港湾会館(主催:伊勢三河湾流域ネットワーク、NPO法人藤前干潟を守る会)→詳細はこちら(NPO法人藤前干潟を守る会HP)

☆11月23日(木・祝) 講演会「カヤネズミ 講師:野呂達哉氏(なごや生物多様性センター)」@稲永ビジターセンター(主催:稲永ビジターセンター)→詳細はこちら(NPO法人藤前干潟を守る会HP)

 

今日観察できた主な野鳥 カンムリカイツブリ1、カワウ87、ダイサギ31、コサギ5、アオサギ14、マガモ5、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ12、オナガガモ1,078、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、ミサゴ16、トビ1、ハヤブサ1、オオバン2、シロチドリ78、ダイゼン79、トウネン89、ハマシギ351、オオハシシギ3、オバシギ20、コアオアシシギ1、アオアシシギ4、イソシギ5、オグロシギ1、ダイシャクシギ1、セグロカモメ2、ウミネコ114

 

明日の満潮時間 7時16分 潮位248cm
明日の干潮時間13時06分 潮位 87cm

※明後日(23日(月))は休館日です。
明後日の満潮時間 7時49分 潮位240cm
明後日の干潮時間13時35分 潮位 98cm

24日(火)の満潮時間 8時24分 潮位230cm
24日(火)の干潮時間14時04分 潮位109cm

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする