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原子力規制委員会を守ろう!

2015-12-30 18:35:42 | より良き我国のために
 去る12月10日、国家基本問題研究所は日刊新聞5紙に「原子力政策を決めるのは政府です規制委員会ではありません」と題して下記URLに示す意見広告を発表しました。

https://jinf.jp/wp-content/uploads/2015/12/15.12.101.pdf

 この中で国基研は規制委員会が11月、高速増殖炉「もんじゅ」の運営母体である日本原子力研究開発機構の能力を否定し、更に半年以内に別の運営機関を見出せなければ「もんじゅ」そのものを見直すよう政府に勧告したことを批判しています。
 つまり規制委員会は政府が原子力政策を変えざるを得ないような勧告をしてはいけないと言っているのです。そして「活断層問題に典型的に見られるように、規制委員会の審査には偏りがある」とし、「民主党政権の置き土産ともいうべきこの規制委員会のあり方を政府は何故放置しているのか」と結んでいます。

 規制委員会は公正取引委員会と同じ「3条機関」であり、強い権限を有しています。必要とあらば政府に対して政策の変更を勧告することも出来るし、当然しなくてはいけません。

 「曲学阿世」という言葉があります。「学を曲げて世におもねる」と読みます。学者や専門家達(政治家や公務員を含む)が己の利益や保身のために真実を曲げて権力に靡くことを言います。彼らを「曲学阿世の輩」と呼び、学者の場合は「御用学者」とも言います。彼らはかつて水俣病訴訟や薬害訴訟等で多くの国民の命を軽んじ、苦しめました。極最近では福島県内の小児甲状腺がんの罹患率が、福島第一原発事故前の60倍だったという5月の調査報告に対し、「原発事故由来とは言えない」と言い募る専門家も「曲学阿世の輩」と呼ぶべきでしょう。

 国基研のこの度の意見広告は先ず安倍政権に対して、民主党政権が設置し、「3条機関」という強い権限を有する規制委員会を無くし、かつての「原子力安全・保安院」の様に政府内組織でほとんど牙を持たない組織に変える様促しています。
 更に暗に規制委員会のメンバーを含む原発関連の専門家に対して安倍政権や原子力ムラに靡いて「曲学阿世の輩」になる様に圧力をかけているのです。

 これは原子力安全体制を福島原発事故以前の状態に戻すことではないでしょうか。そして再び日本のどこかで原発事故を起こすポテンシャルを高めることになるのです。国基研の意見広告に反対して規制委員会を守りましょう。さもなくば規制委員会の権限が弱められたり、そのメンバーが「曲学阿世の輩」にとって替わられていくことにもなりかねません。