Reflections

時のかけらたち

小山実稚恵の世界、ルイサダの世界 ・・・ two recitals, Michie Koyama and Jean Marc Luisada

2017-06-18 23:52:55 | music
偶然2日続いてしまった、もったいないようなコンサート。
初めて聴く小山実稚恵とショパンならこの人と思った個性的なルイサダ。




昨日小山実稚恵を聴きに行く途中、マンションの脇にクチナシの花が咲いているのを
見つけた。木がどんどん細くなってしまって今では抜かれてしまったものもあるけれど
大好きな花。マンションの理事会でやっと園芸会社を日比谷花壇に変えてくれて
これからの庭に期待したいです。。




12年間・24回リサイタルシリーズ
「小山実稚恵の世界」 ピアノで綴るロマンの旅
第23回 2017年6月17日
Bunkamura オーチャードホール
~祈りを込めて~
イメージ〈くすんだ青緑〉: 湿気・さらに奥深くに

シューマン:幻想小曲集 作品12
ベートーヴェン:ソナタ第31番 変イ長調 作品110
シューベルト:ソナタ第21番 変ロ長調 D960

深い夢の中で
 嘆きの歌は、祈りになる
         小山実稚恵
アンコール
 ショパン ノクターン第21番 ハ短調 遺作
 ショパン ノクターン第13番 ハ短調 作品48-1
 バッハ  平均律クラヴィーア曲集 第1巻より第1番 プレリュード


オーチャードホールは何年振りかしら? 昔N響のオーチャード定期に
ワンシーズンだけ行ったことがありました。
このホールは音の響きがいいです。

音が柔らかくてシューマンが始まった途端、このピアニストの音が
好きだと思いました。とにかくとてもソフトでした。

他の曲ではダイナミックでピアノがハンマー・グラーヴィアということを
感じさせるものもありました。ピアノは弦楽器か打楽器かということになりますが
まさに打楽器と言いたくなるような力強さも持っていました。

私は中村紘子をとうとう聴く機会をもたなかったけれど、権威主義的なところで
引っかかってしまって、音楽家としては素晴らしかったかもしれないのに。
この前、コンサートでご一緒した娘さんがショパンコンクールに出た方は
やっぱりすごいと言っていました。でも彼女ににらまれたら日本の音楽界では
生きていけなかったとも。周りの人たちには優しい人でもあったとか。

アンコールのショパンがとてもよくて、会場が一つになった感じがしました。
彼女の演奏はヒラリー・ハーンではないけれど大きな力が彼女の腕全体を
動かしているような感じがしました。天から遠隔操作されているような・・・






翌日のコンサート

ジャン・マルク・ルイサダ ピアノリサイタル

 心底樹核に響き渡る ロマンティシズムとエスプリ
  ルイサダのショパン

2017.6.18
 紀尾井ホール

フレデリック・ショパン
ノクターン 第1番 変ロ短調 Op.9-1
ノクターン 第2番 変ホ長調 Op.9-2
ノクターン 第3番 ロ長調 Op.9-3
マズルカ 第5番 変ロ長調 Op.7-1
マズルカ 第13番 イ短調 Op.17-4
マズルカ 第25番 ロ短調 Op.33-4
ワルツ 第1番 変ホ長調「華麗なる大円舞曲」Op.18
ワルツ 第3番 イ短調 Op.34-2
ワルツ 第4番 ヘ長調「華麗なるワルツ」Op.34-3
3つのエコセーズ Op.72-3
スケルツォ 第2番 変ロ短調 Op.31
舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
ポロネーズ 第7番 変イ長調 Op.61「幻想」
ノクターン 第17番 ロ長調 Op.62-1
ポロネーズ 第6番 変イ長調 Op.53「英雄」

アンコール
モーツァルト:グラスハーモニカのためのアダージオハ長調K356
ドビュッシー:前奏曲第1巻より第10曲「沈める寺」
シューベルト:即興曲変イ長調D899 OP90-4
ベートーベン:ソナタ28番イ長調OP101より第一楽章
ベートーベン:ソナタ28番イ長調OP101より第二楽章

紀尾井ホールに行くのは美智子皇后に遭遇した天満敦子のコンサート以来。
オーチャード・ホールもいいホールだったけど紀尾井ホールの規模はさらに
小さくてとてもいい感じ。演奏者との距離も近く、音響もいい。
昔時々行ったことのあるカザルス・ホールくらいかしら。



四谷で降りて上智大学の横を通り抜けてとても気持ちがいい。
土手の紫陽花が緑に映えてとてもきれいだった。持っていたiPhoneで思わす撮りました。



イグナチオ教会の鐘が響き、古くなった煉瓦の校舎の時間の流れを感じて、鐘の音の美しさを
思いました。お寺の鐘もそうなのだろうけど、心を覚醒させて、浄化してくれるような
そんな音色です。







ちょうど席から指が見えるので、タッチとかすごくよくわかりました。ピアノの時は必ず左側の席を取ります。
とにかくキレが良くて済んだ音だと思いました。指の話し方とかいろいろなテクニックによるのだと思います。
美しいところは限りなく美しく。いつも同じようにひかないと言われていますが、時にジャズっぽいアドリブかと
思える所もあったり。確かにルイサダのショパン、エスプリに溢れています。
今度堀米ゆず子の伴奏をするみたいだけれど、それも行ってみたい。
でもちょっと驚いたのは楽譜を置いていたところ。伴奏の時は良くあるけれど・・

アンコールも素晴らしく、モーツァルトでちょっと軽く終わるのかと思ったら、
ドビュッシーも気分を変えたアンコールとしても彼らしくていいけど、
シューベルト、ベートーヴェンと続くと終わらないコンサートみたいになってきました。

ドビュッシーの沈める寺では厚い霧の中をどんどん進んで上昇していくと
そこに私の父を感じました。今でも私を見守ってくれているのでしょうか。
クラシック音楽やキリスト教は完全に父の影響です。それに映画も多分。
子どもの頃、たくさん音楽を聴く機会を与えてくれた。本も。
母は私にピアノを習わせてくれた。とてもピアノが買える家ではなかったけれど
祖父母に頼んで我が家のオルガンがピアノに変わった。音楽を習うきっかけは
小学校1年の時の担任のS先生。母が勧められたらしい・・音痴じゃないかって(笑)

ショパンのスケルツォも舟歌もみんなよかったけれど、ノクターンはいつまでも終わらない
鐘の音のように響いたし・・でもこのコンサートで私にとって一番はアンコールの
シューベルトでした。彼しか演奏できない即興曲。こんな感じは初めてかもしれません。
至福の時間でした。両親の愛情に包まれていることも今も感じ、特に普段あまり思い出さない
父が出てきたのはそうだ父の日だったのだと思い出しました。


帰ってから娘が作っていてくれたカレーを食べたのですが、私の亡くなった主人にも
二人で感謝の気持ちを表して。時々TVを二人で見ていたりするとそこの輪にブルーも近づいて
来るのですが、主人もいるような気がする時がありました。













朝、スーパーの朝市に急ぎ足で行ってきてから、戻ってコンサートに向かったのですが、
家の周りのあじさいの花をスマホで撮りました。この道は1週間に1度しか行かない方向に伸びているので、
こんなに咲いているあじさいに驚きました。気が付いたら急ぎ足で歩けるようになっていて
嬉しかったです。なんでもなきことができる喜びを感じて。帰りはちょっとペースダウンしました。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 女優 ・・・・ actress | トップ | 海よりもまだ深く ・・・ a... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

music」カテゴリの最新記事