幹事クリタのコーカイブログ

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フェデラーの提言

2017-07-21 23:23:49 | テニス
 テニス界の生けるレジェンドであるフェデラーが、伸び悩む若手選手に対して苦言を呈したそうです(こちら)。「僕のあとの世代が伸びていない。理由の1つはネットプレーが少なすぎるからではないか」「後方で打ち合うだけではなかなか主導権を奪えない。コーチは若手にネットに出ることを教えるべきではないか」ということです。僕も常々思っていたことですから全面的に賛成です。

 テニスは長いスパンで技術的・戦術的に変遷がありました。それは主に道具、特にラケットの進化に伴って変わってきたのですが、ここ10年、テニス界ではネットに出るよりもストロークで勝負するのが主流となっています。それは昔に比べてラケットの性能が向上したために、ストロークのスピードが上がり、ネットについてもパスで抜かれることが増えたせいです。

 フェデラー以外の上位ランカーは、ナダルもマレーもジョコビッチもバブリンカも錦織もみなストローカーです。ラオニッチとチリッチは違います。彼らはビッグサーバーです。ビッグサーブとビッグフォアハンドの選手で、決してサーブ&ボレーヤーではありません。かつてのマッケンローやエドバーグ、ラフターのような純粋なスーパーボレーヤーは、ヘンマンの引退を最後にほぼ姿を消したと言っていいでしょう。

 ただ圧倒的にストローカー有利の時代にネットプレーを積極的に取り入れているのが最近のフェデラーです。フェデラーがネットプレーに積極的なのは、攻撃のテンポアップが目的です。いくら威力のあるストロークを打ち込んでも、ナダル、ジョコビッチ、マレーは守備力も高いので、簡単にはポイントを終わらせられません。ラリーが長引き、少しでも余裕があればカウンターで切り返してきます。そこでより相手の時間を奪い素早くポイントを終わらせられるネットプレーでフェデラーは勝負に出ているのだと思います。

 そしてこのフェデラーのテンポの速い攻撃を若手が学ぶことで、いま長らく大きな壁となっているナダル、ジョコビッチ、マレーを打ち破れるチャンスが生まれるとフェデラーは言っているのだと思います。フェデラーが常に錦織に大きな期待を寄せる発言をしているのも、錦織がフェデラー同様にネットプレーが巧みだからでしょう。さらに言えば体がひ弱で故障が多い錦織も、高齢のフェデラーと同じく早くポイントを終わらせて試合を長引かせないことが必要ですから、ネットプレーをもっと使うことが有効だと思います。

 そう考えると錦織はマイケル・チャンからそろそろ巣立って新しいコーチと契約を結んだ方が良いのかも知れません。チャンではネットプレーは教えられません。エドバーグとかラフターをコーチにつけるのも一案ではないでしょうか。もう27歳。グランドスラムタイトルを獲得できる時間はそれほど多く残っていませんから。
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